○国立大学法人岡山大学における障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応規則
平成28年3月29日
岡大規則第12号
(目的)
第1条 この規則は,障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「障がい者差別解消法」という。)第9条第1項の規定に基づき,また,障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定)に即して,国立大学法人岡山大学(以下「法人」という。)の役員及び全教職員(非常勤職員を含む。以下「教職員」と総称する。)が適切に対応するために必要な事項を定めることを目的とする。
(基本方針)
第2条 法人の教職員は,障害者の権利に関する条約(平成26年1月20日締結)並びに障害者基本法(昭和45年法律第84号。以下「基本法」という。),障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「雇用促進法」という。)及び障がい者差別解消法等を遵守し,障がいを理由とする差別の解消に自発的に取り組むものとする。
一 障がい者 障がい者差別解消法第2条第1号に規定する障がい者,即ち,身体障がい,知的障がい,精神障がい(発達障がい及び高次脳機能障がいを含む。)その他の心身の機能の障がい(難病等に起因する障がいを含む。)(以下「障がい」と総称する。)がある者であって,障がい及び次号に規定する社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものとし,法人における教育及び研究,その他法人が行う活動(以下「教育研究等活動」という。)全般において,そこに参加する者すべてとする。
二 社会的障壁 障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいう。
三 部局 法人監査室,法人本部の各部,研究・イノベーション共創管理統括部,学務部,国際部,各学部,大学院各研究科,学術研究院各学域,各研究所,岡山大学病院,各全学センター,附属図書館及び各機構をいう。
(障がいを理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方)
第4条 この規則において,不当な差別的取扱いとは,障がい者に対して,正当な理由なく,障がいを理由として,教育研究等活動全般について機会の提供を拒否すること,提供に当たって場所・時間帯などを制限すること,又は障がい者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより,障がい者の権利利益を侵害することをいう。また,車椅子,補助犬その他の支援機器等の利用や介助者の付添い等の社会的障壁を解消するための手段の利用等を理由として行われる不当な差別的取扱いも,障がいを理由とする不当な差別的取扱いに該当する。なお,障がい者の事実上の平等を促進し,又は達成するために必要な特別な措置は,不当な差別的取扱いではない。
2 前項の正当な理由に相当するか否かについては,単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく,個別の事案ごとに,障がい者,第三者の権利利益並びに法人の教育研究等活動の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み,具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断するものとし,教職員は,正当な理由があると判断した場合には,障がい者にその理由を丁寧に説明し,理解を得るよう努めなければならない。その際,教職員と障がい者の双方が,お互いに相手の立場を尊重しながら相互理解を図ることが求められる。
3 この規則において,合理的配慮とは,障がい者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し,又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって,特定の場合において必要とされるものであり,かつ,均衡を失した又は法人にとって過重な負担に当たらないものをいう。
一 教育研究等活動への影響の程度(その目的・内容・機能を損なうか否か)
二 実現可能性の程度(物理的・技術的制約,人的・体制上の制約)
三 費用・負担の程度
四 部局の規模,財政・財務状況
(障がいを理由とする差別の解消に関する推進体制)
第5条 法人における障がいを理由とする差別の解消の推進(以下「障がい者差別解消の推進」という。)に関する体制は,次の各号のとおりとする。
二 総括監督責任者 理事(企画・評価・総務担当)をもって充て,最高管理責任者を補佐するとともに,教職員に対する研修・啓発の実施等,法人全体における障がい者差別解消の推進に関し必要な措置を講ずるものとする。
三 監督責任者 部局の長をもって充て,当該部局における障がい者差別解消の推進に関し責任を有するとともに,当該部局における監督者を指定し,当該部局における障がい者差別解消の推進に必要な措置を講ずるものとする。
四 監督者 国立大学法人岡山大学職員給与規則(平成16年岡大規則第14号)第11条に規定する管理職手当の支給を受ける教職員のうちから監督責任者が指定し,監督責任者を補佐するとともに,次条に規定する責務を果たすものとする。
(監督者の責務)
第6条 監督者は,障がい者差別解消の推進のため,次の各号に掲げる事項に注意して障がい者に対する不当な差別的取扱いが行われないよう教職員を監督し,また,障がい者に対して合理的配慮の提供がなされるよう努めなければならない。
一 日常の業務を通じた指導等により,障がいを理由とする差別の解消に関し,監督する教職員の注意を喚起し,障がいを理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。
二 障がい者から不当な差別的取扱い,合理的配慮の提供がなされないことに対する相談,苦情の申し出等があった場合は,迅速に状況を確認すること。
三 合理的配慮の必要性が確認された場合,監督する教職員に対して,合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。
2 監督者は,障がいを理由とする差別に関する問題が生じた場合には,監督責任者に報告するとともに,その指示に従い,迅速かつ適切に対処しなければならない。
(不当な差別的取扱いの禁止)
第7条 教職員は,その事務又は事業を行うに当たり,障がいを理由として障がい者でない者との不当な差別的取扱いをすることにより,障がい者の権利利益を侵害してはならない。
2 教職員は,前項の遵守に当たり,別に定める実施要領に留意するものとする。
(合理的配慮の提供)
第8条 教職員は,その事務又は事業を行うに当たり,障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障がい者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障がい者の性別,年齢及び障がいの状況に応じて,社会的障壁の除去の実施について合理的配慮の提供をしなければならない。特に障がいのある女性に対しては,障がいに加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意する。また,障がいのある性的マイノリティについても同様に留意する。なお,多数の障がい者が直面し得る社会的障壁をあらかじめ除去するという観点から,他の障がい者等への波及効果についても考慮した環境の整備を行うことも有効である。
2 前項の意思の表明は,言語(手話を含む。)のほか,点字,筆談,身振りサイン等による合図など障がい者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられること及び障がいの特性等により本人の意思表明が困難な場合には,障がい者の家族,介助者等のコミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含むことに留意するとともに,意思の表明がない場合であっても,当該障がい者がその除去を必要としていることが明白である場合には,当該障がい者に対して適切と思われる合理的配慮を提案するよう努めなければならない。
3 教職員は,前2項の合理的配慮の提供を行うに当たり,別に定める実施要領に留意するものとする。
一 学生 当該障がい者が在籍する部局の担当部署
二 園児・児童・生徒 当該障がい者が在籍する学校園
三 教職員
イ 当該障がい者が所属する部局の担当部署
ロ 総務・企画部人事課(雇用促進法に関する相談に限る。)
ハ 保健管理センター
四 患者及びその関係者等岡山大学病院利用者 岡山大学病院医事課
五 附属図書館利用者及びその関係者 附属図書館学術情報サービス課
六 岡山大学又は教育学部附属学校園への入学(入園)を希望する者並びにその関係者
イ 学務部入試課
ロ 入学(入園)を希望する学校園
七 法人への就職を希望する者並びにその関係者
イ 総務・企画部人事課
ロ 当該障がい者が就職を希望する部局の担当部署(総務・企画部人事課の所掌事項に係る相談は除く。)
八 学外からの訪問者 各部局の担当部署
一 障がい学生支援室
二 保健管理センター
三 学生相談室
3 前2項にかかわらず,利用しようとする施設又は法人が行う活動に関する相談については,当該施設又は当該活動を所管する担当部署を相談窓口とする。
(障がいを理由とする差別に関する紛争の防止等のための体制の整備)
第10条 障がいを理由とする差別(正当な理由のない不当な差別的取扱い,合理的配慮を提供しない等)に関する紛争の防止又は解決を図るための申立窓口は,総務・企画部総務課とし,紛争の防止又は解決を図るために必要な事項は,別に定める。
(教職員への研修・啓発)
第11条 法人は,障がい者差別解消の推進を図るため,教職員に対し,次の各号のとおりの研修・啓発を行うものとする。
一 新たに教職員となった者に対して,障がいを理由とする差別に関する基本的な事項について理解させるための研修
二 新たに監督者となった教職員に対して,障がいを理由とする差別の解消等に関し求められる責務・役割について理解させるための研修
三 その他教職員に対し,障がい特性を理解させるとともに,障がい者へ適切に対応するために必要なマニュアル等による,意識の啓発
(懲戒処分等)
第12条 教職員が,障がい者に対して不当な差別的取扱いをし,又は過重な負担がないにもかかわらず合理的配慮を提供しなかった場合,その態様等によっては,国立大学法人岡山大学職員就業規則(平成16年岡大規則第10号)第37条の2の規定に違反するものとして,懲戒処分等に付されることがある。
(事務)
第13条 この規則に関する事務は,関係各部課等の協力を得て総務・企画部グッドジョブセンター事務室が所掌する。ただし,個別の案件については,該当する事務部が担当するものとする。
(雑則)
第14条 この規則に定めるもののほか,必要な事項は,別に定める。
附則
この規則は,平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年1月30日規則第9号)
この規則は,平成30年1月30日から施行し,平成29年4月1日から適用する。
附則(令和3年3月8日規則第10号)
この規則は,令和3年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月27日規則第12号)
この規則は,令和6年4月1日から施行する。
附則(令和6年6月6日規則第24号)
この規則は,令和6年6月6日から施行し,令和6年4月1日から適用する。