国立大学法人 岡山大学

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松本助教(病院)がAMED「令和5年度革新的がん医療実用化研究事業」に採択

2023年11月06日

 岡山大学病院消化器内科の松本和幸助教が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和5年度革新的がん医療実用化研究事業」に採択され、10月17日にAMEDホームページに公開されました。
 同事業は、研究成果を確実に医療現場に届けるために、主に応用領域の後半から臨床研究領域において、革新的な診断や治療などのがん医療の実用化を目指した研究を強力に推進するもので、これによりがんの本態解明からこれに基づく革新的な治療薬や診断・予防のためのバイオマーカー等の開発・実用化までを目的とした研究の加速化を目指すものです。
 今回、松本助教は同事業の領域6「ライフステージやがんの特性に着目した重点研究」の「希少がんの治癒率向上と機能温存の両立を目指した治療体系の提案とエビデンス創出のための臨床研究」の区分において、「膵神経内分泌腫瘍に対する治癒率向上と膵機能温存を目指した内視鏡的低侵襲治療法の開発」という題目のもと申請し、採択されました。令和5~7年度の期間、研究チームを率いることになります。
 今回の採択を受けて松本助教は「我々の研究チームは平成27年から膵神経内分泌腫瘍に対する内視鏡的低侵襲治療法の開発に取り組んでおり、これまでに超音波内視鏡ガイド下に腫瘍内にエタノールを注入して凝固壊死させる国内初の臨床研究を先進医療Bとして実施しました。今回、エタノール治療に加え、より焼灼率が高いとされている超音波内視鏡ガイド下ラジオ波焼灼術の国内導入を行い、腫瘍サイズにより両者の治療法を使い分け、焼灼率を向上させる治療体系の開発を目指します。内視鏡を用いた低侵襲治療により、膵機能を温存することが可能で、膵切除に伴う合併症の回避や、術後の糖尿病発生の抑制が期待できます。患者さんの体に優しくかつ、効果が高い治療を目指しています」とコメント。3年間の研究活動に意欲を見せました。
 本学は7月31日の役員会において、岡山大学長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し世界の革新に寄与する研究大学」の実現を目的として、全学を挙げて戦略的かつ重点的に研究・イノベーション強化を図る「岡山大学最重点研究分野」を制定。そのひとつにヘルスケア分野があり、今回の松本助教の事業採択も同分野の推進に資するものです。さらに松本助教は、膵腫瘍に対する内視鏡的低侵襲治療法の開発し、膵神経内分泌腫瘍に対する超音波内視鏡ガイド下ラジオ波焼灼術の国内第1例目を成功させており、基礎研究から実際の患者への医療提供までをワンストップで実施しています。
 松本助教をはじめ、今後も地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください。なお、松本助教など、本学との連携や共同・受託研究などについてもお気軽にご相談ください。

<参考>
膵神経内分泌腫瘍に対する超音波内視鏡ガイド下ラジオ波焼灼術 国内第1例目を成功~膵腫瘍に対する内視鏡的低侵襲治療法の開発~(岡山大学プレスリリース 2023年10月25日)

【本件問い合わせ先】
岡山大学病院 消化器内科 助教 松本和幸
TEL:086-235-7219
http://www.okayama-gastro.com/

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