本学学術研究院環境生命自然科学学域(工)計算機科学講座の山内利宏教授が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)の研究開発構想「サプライチェーンセキュリティに関する不正機能検証技術の確立(ファームウェア・ソフトウェア)」に採択され、6月20日JSTのホームページに掲載されました。
本研究開発構想(p. 79)は、ICT機器・システムを構成するファームウェア・ソフトウェアにおけるバックドアなどの不正機能、不正ロジック、無断通信が仕込まれていないかを検証する技術の確保に資する「不正機能検証技術の確立(ファームウェア・ソフトウェア)」において、我が国の優先性獲得も念頭に自律性確保を目指すものです。
山内教授は「ソフトウェア構成の情報を活用した不正機能の検証手法」の公募区分において、「脆弱性と不正機能検知によるサプライチェーンセキュリティのリスク評価手法の研究開発」の研究開発課題名のもと申請し、採択された2件に選ばれ、令和6~11年度までの5年間、研究代表者として研究チームを率いることになりました。
今回の採択を受けて山内教授は、「ファームウェアに含まれるバイナリコードなどの脆弱(ぜいじゃく)性などのリスクを評価する既存ツールはその精度が高くなく、その内部の仕組みは明らかではありません。このため、本研究課題では、ファームウェアに含まれるバイナリコードや、そのソースコードを対象として、攻撃に悪用される可能性のある脆弱性や不正機能を高い精度で検知する手法を研究開発します。また、研究開発した成果は、ツール化し、既存ツールと定量的に評価し、有効性を検証可能にすることを目指します。ご協力いただいた多くの方々に深くお礼申し上げます」とコメント。5年間の研究活動に意欲を見せました。
本学では研究分野における「最重点研究分野」を定めており、そのひとつに 「IT・エレクトロニクス分野」があります。また本学が採択を受けている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)でも社会変革を起こし、IT・エレクトロニクスを含めたウェルビーイングの向上などを戦略的に進めています。大学院環境生命自然科学研究科では、授業科目の先取り履修制度と早期修了制度を利用して、博士前期課程及び博士後期課程を通じて最短3年で博士の学位取得を可能とするWAAP特別コースを設置し、ホワイトハッカーを育成しています。工学部では、情報・電気・数理データサイエンス系の教員を中心に実践的なセキュリティ人材養成コースであるenPiT2-Security Basic SecCapコースを運営し、サイバーセキュリティ分野の人材育成を行っています。どうぞ山内教授と地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。
【本件問い合わせ先】
学術研究院 環境生命自然科学学域 計算機科学講座
教授 山内利宏
E-mail:yamauchi◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください
工学部・情報工学コース・情報工学先進コース 大学院環境生命自然科学研究科・計算機科学コース 基盤ソフトウェア/セキュリティ学研究室HP
学術研究院環境生命自然科学学域(工)の山内利宏教授が、K Program「サプライチェーンセキュリティに関する不正機能検証技術の確立(ファームウェア・ソフトウェア)」に採択
2024年08月06日