本学は9月6日、文部科学省の令和6年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業~EU諸国等との大学間交流形成支援~」(実施主体:日本学術振興会)に採択されました。本学は「生殖環境科学を通してWell-beingに寄与する日欧先駆人材育成プログラム」の事業名称で、20件の申請から9件選定された事業のひとつに選ばれました。同事業は、国際的に活躍できるグローバル人材の育成と大学教育のグローバル展開力の強化を目指し、高等教育の質の保証を図りながら、日本人学生の海外留学と外国人学生の戦略的受入を行う事業対象国・地域の大学との国際教育連携の取り組みを支援することを目的としており、今回の連携対象国・地域はEUです。
本学は他大学に先駆けて設置した、全学センターである生殖補助医療技術教育研究センターにおいてキャリア養成特別コースなどを開講し、国立大学で最多の胚培養士資格保持者を輩出しています。また、同事業では、ヨーロッパの生殖科学教育の中心で、国際的な大学間ネットワークを持つスペインのムルシア大学とフランスのトゥールーズ第3ポール・サバティエ大学とソルボンヌ大学をパートナーとして、生殖環境科学分野の最先端の科学研究を基にした人材育成を行います。
同事業の審査委員の講評では、次世代先駆人材を養成するための教育研究ネットワークをヨーロッパの大学と形成する意欲的な取り組みである点、さらに特色・強みのある異なる複数の連携大学を巻き込み、分野横断的なカリキュラムを構築するなど、難易度の高い計画となっている点などが高く評価されました。
今回の採択について、担当者の一人である学術研究院環境生命自然科学学域(農)の舟橋弘晃教授は「本事業計画を粛々と推進することにより、これまでの欧州の大学との連携をさらに強力に推進するとともに、本事業の目的である次世代先駆人材の養成を通じた日欧ネットワークの強化と研究力の向上を図り、生殖環境科学を通したWell-beingの共育共創の実現に向け、鋭意努力していきます」とコメント。今後5年間の事業への意欲を語りました。
本学は強みある分野をさらに伸ばし先鋭化する取り組みを戦略的に実施しています。これまでの全方位的、総花的な研究活動を廃し、7分野の「岡山大学最重点研究分野」を制定しています。その1つに「ヘルスケア分野」があります。本事業では新しい「生殖環境科学」という視点のもと、環境要因と経済社会活動要因をも包む幅広い知識・観点・スキルを実践的に修得し、地球上の生物が直面している生殖環境に関するさまざまな課題の解決に寄与できる人材の養成を国際的に先導するEUの研究大学群と密に連携して進めます。どうぞ地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の新たな取り組みにご期待ください。
なお本件は、9月26日に開催された「9月定例記者会見(学長定例発表)」において詳細が公表されました。
〇那須保友学長のコメント
本事業申請の取りまとめを行った関係者の皆さん、厚く御礼申し上げます。本事業では、本学の強みある分野を生かして、人類のWell-beingに資する生殖環境科学的知見の発見・蓄積や関連する科学・医療先端技術の開発・適用を推進する日欧ネットワークの形成・強化、研究力向上、共育共創の実現などに取り組む、挑戦的なものです。新しい価値を生み出すことは多くの困難も伴いますが、ワクワク・ドキドキするものです。それも国際的な最先端の科学研究を基にした人材育成ならば尚更かと思います。また「次世代を育成する」、「新しい価値を創出する」などの取り組みは、本学が昨年12月に採択を受けた文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)とも共通するものです。地域中核・特色ある研究大学として、本事業とJ-PEAKSをうまく連携させ、より良い効果を生み出せるように、しっかりと運用していきたいと思います。どうぞ岡山大学の挑戦と取り組みにご期待ください。
<参考>
・大学の世界展開力強化事業(独立行政法人日本学術振興会)
・大学の世界展開力強化事業(令和6年度採択)「生殖環境科学を通してWell-beingに寄与する日欧先駆人材育成プログラム」について(2024年9月定例記者会見(学長定例発表))
【本件問い合わせ先】
岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域(農) 教授
生殖補助医療技術教育研究センター 教授
舟橋 弘晃
TEL&FAX: 086-251-8329
E-mail:hirofun◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択「生殖環境科学を通してWell-beingに寄与する日欧先駆人材育成プログラム」始動
2024年10月11日