量子力学の基本原理として長年知られてきた「ハイゼンベルグの不確定性原理」を破る新事実を、2012年1月に実験で証明したウィーン工科大学の長谷川祐司博士が2月15日、本学を訪れ、「ハイゼンベルグの不確定性原理を超えて」と題して講演会を行いました。
同原理は1927年にドイツの物理学者ウェルナー・ハイゼンベルグ博士が発表し、量子力学の教科書でもはじめに出てくる基本原理。あいまいな点が多いことから長年実証や反証が続けられてきましたが、名古屋大の小澤正直博士が同原理を破る「小澤の不等式」を発表。長谷川博士がこの不等式を実験で証明し、大きな話題となりました。
今回の講演は、本学大学院自然科学研究科(理)の池田直教授の招きにより実現。長谷川博士は小澤の不等式の証明に至る実験過程について分かりやすく解説した上で、今回の証明が量子コンピューターや量子暗号技術の開発、金融工学領域への応用など、今後社会に大きな影響を与えると説明しました。聴講した本学の研究者や学生からは数多くの質問や意見が寄せられ、白熱した議論が交わされました。
長谷川博士らの論文(英語):http://www.nature.com/nphys/journal/v8/n3/full/nphys2194.html
【本件問い合わせ先】
自然科学研究科教授 池田直
TEL:086-251-7810
(13.02.19)