本学大学院環境生命科学研究科の加藤鎌司教授が日本側コーディネーターを務める、独立行政法人日本学術振興会のアジア研究教育拠点事業「東アジアにおける有用植物遺伝資源研究拠点の構築」の最終総括シンポジウムが9月24、25日、創立五十周年記念館で開催され、中国と日本の研究者ら約50人が参加しました。本事業は、諸外国に先駆けて中国雲南省と周辺地域における有用な植物遺伝資源の多様性を調査・研究するための拠点を構築し、安全・安心な食料生産のための研究拠点へ発展させることを目的に、本学と中国・中国科学院昆明植物研究所を拠点機関とし、平成21年度から実施しています。
本学の荒木勝社会貢献・国際担当理事と学校法人就実学園の千葉喬三理事長(元岡山大学長)が、本学のグローバル人材育成や昆明植物研究所との交流について話すなど、活発な交流の現状を紹介。イネ科作物の遺伝資源研究で日本学士院賞を受賞した武田和義・岡山大学名誉教授を座長とし、行われた講演会では、中国側コーディネーターの龍春林(Long Chunlin)同研究所教授が、中国雲南省のチベットエリアで食用とされている植物について講演し、日本と中国の多様性解析グループが、イネやダイズ、園芸植物のトウツバキなどの研究成果を発表しました。植物化学グループの発表では、馬場直道・岡山大学名誉教授が、薬学を含む植物化学分野における交流を総括。若手研究者らによるゲノム解析などの発表もあり、参加者は熱心に意見交換を行いました。
本事業に関連して、本学は、昆明植物研究所の楊珺(Yang Jun)助手(「難治性感染症を標的とした創薬研究教育推進事業」と連携して実施)と北京弘祥隆生物技術株式会社の王歓(Wang Huan)研究員を招へい。天然由来の薬理活性物質について共同研究を開始しています。
【本件問い合わせ先】
大学院環境生命科学研究科教授 加藤鎌司(コーディネーター)
TEL:086-251-8323
(13.10.30)