本学大学院環境生命科学研究科の頼藤貴志准教授は今年10月、フランスのリヨンで開催された世界保健機構(WHO)・国際がん研究機関(IARC)の大気汚染と発がん性の関係を評価する作業部会に日本で唯一の専門委員として参加しました。
作業部会は、疫学部会、曝露評価部会、動物実験部会、メカニズム部会の4部会で構成されており、頼藤准教授は、世界中の研究者ら7人で構成される疫学部会に参加。世界中の疫学論文を基に大気汚染、特に粒子状物質と肺がんを始めとするさまざまながんとの関連を検討し、疫学部会として、「大気汚染と肺がんの関連は一貫して認められており、十分な知見がある」と評価。IARCは、疫学部会、動物実験部会、メカニズム部会の評価を合わせ、大気汚染と粒子状物質を、5つある発がん性分類で一番危険な「発がん性がある」グループ1に分類しました。本評価の結果は、WHOのモノグラフとして IARCのホームページで公表される予定です。
頼藤准教授は、「大気汚染や粒子状物質は、欧米など日本よりも大気汚染濃度が低い地域でも、肺がんとの関連が認められており、国内でも継続的な大気汚染対策が必要であると思われます」と話しています。
国際がん研究機関(IARC): http://www.iarc.fr/
【本件問い合わせ先】
本学大学院環境生命科学研究科 准教授 頼藤貴志
TEL:086-251-8925
(13.11.18)