文部科学省「平成26年度次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」に採択
2014年09月30日
本学は9月19日、文部科学省の「平成26年度次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」の新規実施機関に採択されました。
本事業は、次世代のがん医療の確立に向けて、基礎研究の有望な成果を厳選。日本発の革新的な診断・治療薬に資する新規化合物などの「有望シーズ」の開発を推進するため、平成23年度から実施されています。
本学は、創薬基盤融合技術育成領域の分子イメージング技術研究分野において、「Theranosticsを実現する89Zr標識による新規抗体・DDSキャリアの開発」*として採択。健康な組織を傷つけない安全性の高い金属放射性核種である89Zr(ジルコニウム-89)と新規低分子化抗体プローブを用いることで、がんの診断と治療の目的で患部に直接薬剤を届けるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の研究開発を行います。研究代表者を務める大学院医歯薬学総合研究科の松浦栄次教授は、「当該プログラムでは、日本の標的医療の主要拠点と協働して、研究基盤プラットホームの形成を目指すことになる。我々の研究グループの保有する先端技術シーズを次世代がん医療のツールに加えたい」と話していました。
本学は、平成25年8月に文部科学省が全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。また、岡山大学病院は平成25年4月に厚生労働省が全国の医療機関から選定した中国・四国地区唯一の「臨床研究中核病院」として、同地区の基幹病院とのネットワークを利活用した大規模な臨床研究や治験、基礎研究から臨床応用にいたる橋渡し研究を精力的に実施しています。この2つの強みを最大限に利活用しつつ、本プロジェクトで「患者の命を支える研究開発」を精力的に推し進めていきます。
Theranostics(セラノスティックス)*
治療技術(therapeutics)と診断技術(diagnostics)の造語。そもそもの語意としては、「患者の病の度合いはそれぞれ異なるため、その患者の診断結果を基にした、最適な治療を行う技術」のこと。本学研究者らは、「診断と治療が密に連携し、治療の進行と同時に診断を行うことで、逐次最適な治療を選択・実行できる仕組み」として用いている。
平成26年度次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム(文部科学省):http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1352102.htm
【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(医学系)教授 松浦栄次
TEL:086-235-7402
(14.09.30)