本学と川崎医科大学、大研医器株式会社が連携して取り組む「高性能低コストマイクロポンプを用いた使い捨て薬液注入器の研究開発」に向けて、医師ら専門家を集めた「第1回医工連携高性能マイクロポンプ開発全体会議」を12月10日、本学で開催しました。
森田潔学長は「高い研究力と開発力を持つ方々が参集することで、医療現場に革新を与える医療機器を開発し、産業の活性化と医療の質の向上を目指すことを期待します」とあいさつ。佐藤法仁リサーチ・アドミニストレーター(URA)が開発の経緯を紹介しました。
大研医器株式会社執行役員の江原穣開発部長は、現在の開発内容と今後の課題点について説明。現在の薬液吐出装置は、吐出方式が多岐にわたり、種々の装置に分類されているため高コストですが、低コスト化と今までにない革新的で高性能なマイクロポンプを用いることで、使用性を極限に向上した医療用薬液吐出装置を開発することが期待されています。参加した医師らは、薬液の違いによる使い方や安全性を考慮した設計など、実際に臨床現場で使用するに当たってのユーザー意見を提案。より具体的な開発につなげるための対話を深めました。今後、プロトタイプの作成とユーザー評価を重ね、革新的な製品開発を行う予定です。
本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、研究の量、質において世界的に存在感のある「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」を目指しています。岡山大学病院は平成25年4月に厚生労働省が選定した中国・四国地区唯一の「臨床研究中核病院」として、同地区の基幹病院とのネットワークを利活用した大規模な臨床研究や治験、基礎研究から臨床応用にいたる橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)を精力的に実施しています。厚生労働省の「国産医療機器創出促進基盤整備等事業」にも採択されています。これらの強みを最大限に利活用し、社会や医療現場が求める製品をより早く社会実装につなげるよう研究を推進していきます。
本会議は経済産業省の「医工連携事業化推進事業」の一環として実施されました。
【本件問い合わせ先】
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室
TEL:086-251-8919
(14.12.26)