本学地域創生ネットワーク・アゴラは3月3日、「三教授の退職記念講演&地域創生シンポジウム」を開催しました。
本学大学院社会文化科学研究科地域公共政策コースは2008年以来、県内自治体からの職員や議員を中心に、民間非営利団体などから多くの社会人学生を受け入れてきました。また、同コースでは地域連携を実践する核として「地域創生ネットワーク・アゴラ」を地域の方々と組織し、活動を通して地域社会の課題をともに考え大学の英知を注いできました。今回、同コースで大きな役割を果たした3人の教授が退職することを記念し、記念講演会とシンポジウムを行いました。
三教授の退職記念講演では中村誠教授が「災害と情報-災害弱者支援と個人情報保護を中心に-」、中村良平教授が「地方創生と社会人大学院教育」、平野正樹教授が「山田方谷先生の業績からみた財政健全化の処方箋」をテーマにそれぞれ講演。教員生活を振り返りながら、自身の専門分野について語りました。参加者は熱心に聞き入り、講演後には活発な質疑応答が行われました。
地域創生シンポジウムでは、中富公一教授が地域公共政策コースの生い立ちと歩みについて紹介し、荒木勝名誉教授が『地域創生ネットワーク・アゴラ』の活動記録に基づき、これまでの活動を振り返りました。パネリストとして、岡山県職員の渡邊展久氏、NPO法人倉敷町家トラストの中村泰典代表理事、岡山市スポーツ・文化振興財団の石田尚昭常務理事、同コースOBの美作市職員太田裕二氏、現役の院生であるJETRO岡山事務所の高宮純一所長ら5人も登壇。渡邊氏は、岡山大学と協力して中山間地域問題に取り組んだ経験を語りました。倉敷市美観地区で伝統的な町家の再生に取り組む中村氏は、「町並みを内部空間も含めて次世代に継承していきたい」と述べ、自分たちの取り組みについて紹介。岡山市スポーツ・文化振興財団の石田氏は、市との協定に基づき岡山大学が設けた学外施設「西川アゴラ」の活動について話しました。
同コースOBの太田氏は、平野教授の指導のもと、合併に基づく地方交付税交付金の問題性を指摘した修士論文が総務省に伝わり配分方式が見直され、美作市にも数億円増額された成果が報告されました。また現役の院生である高宮事務所長は、地域を知るのに大学院での勉強が大変有益であることについて熱く語りました。
最後に、荒木名誉教授から、大学には地域総合研究センターが設立されたこともあり、地域創生ネットワーク・アゴラの活動については一応の区切りをつけたい旨の発言があり、それを巡って会場との熱いやりとりが交わされました。
講演会には100人、シンポジウムには60人余りの人が参加し、地域を愛する人たちが熱心に語りあう機会となりました。
【本件問い合わせ先】
大学院社会文化科学研究科(法) 教授 中富 公一
TEL: 086-251-7510
(18.03.22)