国立大学法人 岡山大学

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シンポジウム「エビデンスに基づく教育にどう向き合うか」を開催

2019年11月21日

 岡山大学大学院教育学研究科EIPPE(Evidence-Informed Practice and Policy making in Education、教育分野におけるエビデンス情報を活用した実践・政策立案)プロジェクトチームは11月2日、シンポジウム「エビデンスに基づく教育にどう向き合うか」を教育学部で開催しました。
 「エビデンス(科学的根拠)を教育に活用することはできるのか」という問いに答えるために、プロジェクトメンバーは先進的に取り組んでいる諸外国の動向を探り続けてきました。一方で、日本の教育学界ではエビデンスに関する議論は極めて少なく、むしろ「エビデンス」という言葉の誤用やエビデンスに対する誤解が多いことに気づきました。そこで、本プロジェクトでは、教育とエビデンスに関する建設的な議論の進展を目指して、「何がエビデンスとして扱われているのか」、「なぜエビデンスに注目が集まっているのか」、「なぜエビデンスが役立つのか」、「エビデンスはどのように活用することができるのか」などについて、各分野の専門家(3人)が教育の観点から講演しました。
 本シンポジウムでは、株式会社メトリクスワークコンサルタンツの青柳恵太郎氏、岐阜県養老町立養北小学校の森俊郎氏、本学大学院教育学研究科の大熊正哲講師の3人が登壇。株式会社出島プランニングの出島誠之氏を指定討論者に迎えて、シンポジウム参加者と議論しました。
 青柳氏は、「教育開発の今昔風景-エビデンスは何を変えたか-」というタイトルで、エビデンスを問う姿勢が発展途上国の教育政策にどのように影響したのかについて講演しました。森氏は「現場でエビデンスをつかうとはどういうことか」と題し、勤務校の実践や具体的なエビデンス活用方法について紹介。大熊講師は、「経済学からみた教育分野におけるエビデンスの活用」というタイトルで、エビデンスの必要性、エビデンスをつくる実験的方法の利点と限界について話しました。
 初めて開催するシンポジウムにもかかわらず、多数の参加があり、50席用意した席は満員となりました。また、県外から教育分野のエビデンスに詳しい先生方に参加いただけたこともあり、多角的・多面的な議論を展開することができました。シンポジウム後半の意見交換会も多くの方に参加いただき、「エビデンスに基づく教育」に対する関心の強さがうかがえました。本プロジェクトは、今後もシンポジウム等の開催を通して情報共有の場を積極的につくり、「エビデンスに基づく教育」の進展に向けて協議・研究を続けていく予定です。

【本件問い合わせ先】
大学院教育学研究科
講師 岡崎 善弘 
TEL:086-251-7713

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