国立大学法人 岡山大学

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岡山大学の特許技術により、室温動作可能な高感度水素センサを開発!~クリーンな水素エネルギーを安心安全に利用できる社会に貢献~

2023年09月14日

◆発表のポイント
水素センサでは珍しい「室温で動作可能」という特長を持つ高感度水素センサを、岡山大学の特許技術を用いて、開発しました。このセンサは、他にも下記のような優れた点を有しています。

  • 非加熱でガス漏れ検知が可能!
  • 室温で動作可能な為、超低消費電力化を実現!
  • 水素ガスのみを選択的に検出可能!

 岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域の紀和利彦教授(先端医用電子工学研究室)は、株式会社テクニスコと共同で、室温で動作可能な高感度水素センサを開発しました。
 今回開発した水素センサは、岡山大学保有の特許技術である、厚さ数十ナノメートル(1ナノメートル=1兆分の1メートル)の白金超薄膜を活用。白金と水素が触媒反応し、白金の電気抵抗が変化することは知られていましたが、変化がわずかであるため、従来は水素ガスを検出することが困難でした。今回、白金の厚さを限りなく薄くし、白金内部の自由電子の数を少なくすることにより、大きな電気抵抗の変化を得ることで、室温でも水素ガスが検出できるようになりました。
 これまで開発されている水素センサの多くは、水素ガスを検出するためにセンサ自体を数百度以上に加熱する必要がありましたが、室温でも検出することが可能になりました。また、加熱するための電力が不要のため、消費電力を極めて低く抑えることができます。加えて、白金は室温では水素ガス以外のガスには反応しにくいため、水素ガスのみを選択的に検出することが可能です。
 この技術は、水素自動車や燃料電池などのクリーンな水素エネルギーの安心・安全を守ることに貢献します。
 なお、開発したセンサは、9月13日~15日の期間、東京ビッグサイトで開催されるセンサエキスポジャパン2023の株式会社テクニスコのブースにおいて展示します。

◆研究者からひとこと

当研究室では、様々な技術を使って社会の「健康」に貢献します。
今回、センサだけでなく、パッケージ、測定回路を同時に開発することで、簡単に使用いただけるキットとしました。

紀和教授

■研究資金
 本研究は、岡山県が文部科学省の補助を受け事業を実施する「特別電源所在県科学技術振興事業」の支援を受けて行いました。

<詳しい研究内容について>
岡山大学の特許技術により、室温動作可能な高感度水素センサを開発!~クリーンな水素エネルギーを安心安全に利用できる社会に貢献~

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域
教授 紀和利彦
(TEL)086-251-8130
(HP)https://www.okayama-u.ac.jp/user/eng_aemt/

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