◆発表のポイント
- 海外で広く使われていたが国内未承認の歯科用局所麻酔剤の承認を取得しました。
- 岡山大学が第1相から第3相までのすべての国内治験を医師主導治験により主導しました。
- 局所麻酔剤の選択肢が増えることで治療の満足度があがることが期待されます。
厚生労働省から2024年9月24日付けで、「セプトカイン配合注カートリッジ」が製造販売承認されました(麻酔成分の一般名はアルチカイン)。この製品の審査では、岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)歯科麻酔・特別支援歯学分野の宮脇卓也教授が主導した医師主導治験の成績が臨床での評価に全面的に使用されました。
医薬品の開発は通常、3つの段階(第1相、第2相、第3相)からなりますが、アカデミアがすべての段階を主導することは極めて稀です。2016年10月に第1相の治験を開始後、約8年間をかけて承認を得ることができました。
国内の歯科領域ではリドカイン製剤が局所麻酔剤として広く使われていますが、世界的にはアルチカイン製剤も広く使われております。今回の承認取得により、歯科用局所麻酔剤の選択肢が広がり、海外での治療経験も国内に反映しやすくなることが期待されます。
◆研究者からひとこと
第3相試験は新型コロナウイルスによるパンデミックの最中での実施となりました。ほとんどの病院で訪問制限もある中でもブレずに試験を実施できたのは、やはり新しい選択肢への強い思いが共有できていたのかと感じます。 ご協力いただいた各施設、また被験者のみなさんに深くお礼を申し上げる次第です。 | 宮脇 教授 |
■研究資金
本研究開発は、株式会社ジーシー昭和薬品の支援を受けて実施しました。
■製造販売承認情報
販売名:セプトカイン配合注カートリッジ
承認番号:30600AMX00244000
承認日:2024年9月24日
申請者:株式会社ジーシー昭和薬品
再審査:8年
<詳しい研究内容について>
新しい歯科用局所麻酔剤の国内薬事承認を取得
<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院医歯薬学域(歯)
教授 宮脇 卓也
(電話番号)086-235-6720
(FAX)086-235-6721