味覚受容の第1段階で起こる味覚受容体の構造変化を解明
2016年05月10日
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)山下敦子教授、理化学研究所放射光科学総合研究センター南後恵理子研究員、芦川雄二研究員(研究当時)、眞木さおり研究員、分子科学研究所秋山修志教授、農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)食品研究部門日下部裕子ユニット長、大阪大学大学院工学研究科内山進准教授らの研究グループは、口の中で味物質のセンサーとして働く味覚受容体タンパク質の細胞外領域が、味物質を結合することで構造変化することを初めて明らかにしました。本研究成果は5月10日、英国の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
味覚受容体のうち、甘味とうま味を感知する受容体は、味物質感知を行う味細胞の細胞膜上で、細胞外に受容体全体の約3分の2を突き出して存在しています。本研究グループは、この細胞外領域に味物質が結合すると、細胞外領域が広がった状態からコンパクトな状態に構造変化することを明らかにしました。この構造変化が、細胞外で起こった味物質の結合を味細胞内に伝える引き金になっていると考えられます。
本研究成果は、味覚がどのような仕組みで起こるのかを理解するための基盤情報になるとともに、味覚受容体の構造変化の検出を利用した新しい味物質評価システム開発にもつながると期待されます。
味覚受容体のうち、甘味とうま味を感知する受容体は、味物質感知を行う味細胞の細胞膜上で、細胞外に受容体全体の約3分の2を突き出して存在しています。本研究グループは、この細胞外領域に味物質が結合すると、細胞外領域が広がった状態からコンパクトな状態に構造変化することを明らかにしました。この構造変化が、細胞外で起こった味物質の結合を味細胞内に伝える引き金になっていると考えられます。
本研究成果は、味覚がどのような仕組みで起こるのかを理解するための基盤情報になるとともに、味覚受容体の構造変化の検出を利用した新しい味物質評価システム開発にもつながると期待されます。
<詳しい研究内容について>
味覚受容の第1段階で起こる味覚受容体の構造変化を解明
【論文情報】
掲 載 誌:Scientific Reports
論文タイトル:Taste substance binding elicits conformational change of taste receptor T1r heterodimer extracellular domains著 者:Eriko Nango, Shuji Akiyama, Saori Maki-Yonekura, Yuji Ashikawa, Yuko Kusakabe, Elena Krayukhina, Takahiro Maruno, Susumu Uchiyama, Nipawan Nuemket, Koji Yonekura, Madoka Shimizu, Nanako Atsumi, Norihisa Yasui, Takaaki Hikima, Masaki Yamamoto, Yuji Kobayashi, Atsuko YamashitaD O I: 10.1038/srep25745
【問い合わせ先】
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
構造生物薬学 教授 山下 敦子
Tel : 086-251-7974
Fax : 086-251-7974