◆発表のポイント
- 職場でのストレスが無い労働者と比べて、ストレスを感じながらも対処能力1)が低い労働者は、歯周炎であるリスクが2.79倍であることがわかりました。
- また、ストレスが無い労働者と比べて、ストレスを感じながらも対処能力が高い労働者は、歯周炎であるリスクが0.30倍であることがわかりました。
- したがって、労働者にとって、ストレスに対処する能力はメンタルヘルスだけでなく、歯周炎にも影響を与える可能性が示されました。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)の森田学教授とIslam Md Monirul大学院生らのグループは、職場におけるストレスとストレス対処能力のバランスが、歯周炎の有無に影響していることを発見しました。職場でストレスを感じ、ストレス対処能力が低い日本人労働者は、ストレスがない人と比べて歯周炎のリスクが2.79倍高いことがわかりました。今回の研究成果は9月22日、スイスの科学雑誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載されました。
労働者の歯周炎を予防するためには、職場のストレスの軽減だけでなく、上手にストレスに対処する方法を身につけ、ストレス対処能力を高めることが必要かもしれません。今後は、縦断調査を行うことで、ストレスとストレス対処能力のバランスが、歯周炎の発症・進行にどのように影響するか、その因果関係を明らかにしていきます。
◆研究者からのひとこと
近年、職場におけるストレスと、歯周炎との関係が注目されています。歯周病を予防するために、ストレスとストレス対処能力について、さらなる研究を継続していきます。 | モニルルさん |
■論文情報論 文 名:Influence of occupational stress and coping style on periodontitis among Japanese workers: a cross-sectional study掲 載 紙:International Journal of Environmental Research and Public Health著 者:Md Monirul Islam, Daisuke Ekuni, Toshiki Yoneda, Aya Yokoi, Manabu MoritaD O I:10.3390/ijerph16193540U R L:https://www.mdpi.com/1660-4601/16/19/3540
<詳しい研究内容について>
ストレス対処能力のある労働者は歯周炎のリスクが低いことを発見!
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714