ヒト虚血性心疾患のiPS細胞モデルの新たな作成方法をビデオ発表 高度な技術を動画で分かりやすく紹介
2020年10月13日
◆発表のポイント
- ヒトiPS細胞から作った心筋細胞を用いて、虚血性心疾患モデルの新たな作出方法を開発し、その手順の動画をビデオジャーナルで発表しました。
- 従来よりも簡便に心臓虚血モデルが作出可能な手法であり、また従来の誌面では伝わりにくかった操作やコンピュータ解析法を、動画で具体的にわかりやすく紹介しています。
- このモデルの利用により、虚血性心疾患の薬の開発や、心筋梗塞の病態解明につながると期待されます。
本学大学院医歯薬学総合研究科システム生理学研究室の高橋賢研究准教授と成瀬恵治教授らは5月5日、ヒトiPS細胞から分化した心筋細胞を用いて虚血性心疾患の病態モデルを発表しました。この実験方法の動画が10月13日、米国の科学ビデオジャーナル「Journal of Visualized Experiments」で一般公開されました。
ヒトiPS細胞から心筋組織を作る方法は、高度な技術と多大な労力が必要なため、普及に問題がありました。今回開発された方法は、iPS細胞から心筋への分化誘導と、虚血による心筋ダメージの誘発を比較的容易に行うことができます。この方法の普及により、虚血性心疾患の薬の開発や、心筋梗塞の病態解明につながることが期待されます。
◆研究者からのひとこと
iPS細胞からヒトの病気のモデルを開発する研究は、今後もますます発展が期待される分野です。これからの研究を担う学生さん、共同研究をご検討いただける先生方、またご関心を持っていただける一般の皆様の、さらなるご支援をよろしくお願いいたします。 | 高橋研究准教授 |
■論文情報論 文 名: Model of Ischemic Heart Disease and Video-Based Comparison of Cardiomyocyte Contraction Using hiPSC-Derived Cardiomyocytes掲 載 紙:Journal of Visualized Experiments著 者:Yun Liu, Yin Liang, Mengxue Wang, Chen Wang, Heng Wei, Keiji Naruse, Ken TakahashiD O I:10.3791/61104
○モデル作成の動画は、以下のURLからご覧いただけます。
https://www.jove.com/v/61104
<詳しい研究内容について>
ヒト虚血性心疾患のiPS細胞モデルの新たな作成方法をビデオ発表 高度な技術を動画で分かりやすく紹介
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
システム生理学 研究准教授 高橋 賢
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(FAX)086-235-7430