転落防止機能付きX線透視下用の手術/検査板を開発
2020年12月23日
◆発表のポイント
- X線下で行われる血液透析用の血管手術や心臓カテーテル検査では、検査台からの転落の危険性があり、思わぬ事故につながる事があります。
- 体、検査台、治療部をベルトで一体的に固定し、転落を予防できる新しい器具を開発しました。
- 良好なX線透過性を持ち、検査の妨げにならないデザインにする事で、より安全な治療や検査が行われる事が期待されます。
X線下で行われる血液透析用の血管手術や心臓カテーテル検査では、検査台からの転落の危険性があり、検査台が高い事もあり、思わぬ事故につながる事があります。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病理学(免疫病理)の大原利章助教は重井医学研究所附属病院の櫻間教文部長、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体制御学講座(循環器内科学)吉田雅言医員と共に、X線を透過できて強度のある樹脂素材を使い、体、検査台、治療する部位を専用のベルトで一体的に固定し、転落を予防できる新しい器具を開発しました。本器具は手術や検査の妨げにならないようにデザインされており、本器具を使う事でより安全な手術や検査が行われ、医療従事者の方々の負担も軽減される事が期待されます。
研究成果の詳細については12月22日、本学の英文誌である「Acta Medica Okayama」に掲載されました。使い方については動画共有サイトYouTubeで一般公開しています。また、本器具および付属品は株式会社ホクシンメディカルより12月22日から発売されました。
◆研究者からのひとこと
岡山県で開発されたので、専用のベルトではデニム生地を使用しています。体を載せる大きな樹脂製の板は市販されていないので、試作品を作るのに苦労しました。初めて動画も作りましたが、出演してくれた関係者の熱演(?)もあり、楽しく撮影する事ができました。 | 大原助教 |
■論文情報
論 文 名:New Vascular-Access Intervention Assistance Plate Provides Good Operability and Safety by Preventing Accidental Falls:First Experience of 1,872 Cases
掲 載 紙:Acta Medica Okayama
著 者: Toshiaki Ohara, Kazufumi Sakurama, Satoshi Hiramatsu
D O I:http://doi.org/10.18926/AMO/60880
U R L:http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/ja/journal/amo/74/6/article/60880
■関連動画(Youtube)
透析用(日本語)
透析用(英 語)
心臓用(日本語)
心臓用(英 語)
<詳しい研究内容について>
転落防止機能付きX線透視下用の手術/検査板を開発
<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病理学(免疫病理)
助教 大原 利章
(電話番号) 086-235-7143
(FAX) 086-235-7648