岡山大学病院は7月3日、特発性間質性肺炎の60代男性にドナーから提供された左肺を右肺に移植する脳死下肺移植手術を行い、無事終了しました(ドナー:50代女性,提供施設:大阪府立急性期・総合医療センター)。
肺を反転させた移植手術は、生体間では今年3月京都大学医学部附属病院で実施していますが、脳死下における同移植手術は国内初。
手術は、岡山大学病院呼吸器外科の大藤剛宏准教授らによる約30人体制で、同日午前9時32分から16時32分まで行われました。男性は、特発性間質性肺炎と診断され、2012年10月に臓器移植ネットワークに登録、待機していました。
手術後の会見で大藤准教授は、「両肺のうち、右肺の方が移植を必要としていたが、提供を受けたのは左肺だった。医学的理由で断念する選択肢もあるが、患者さんにとっては最後の移植チャンスである可能性が高かった。患者さんは、順調に回復すれば3ヶ月後に退院できる見込み」と説明していました。
この手術が成功したことにより、重い肺の病気を患っているより多くの患者に、臓器提供の機会が広がることが期待されます。
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(14.07.04)