本学の槇野博史学長らは5月15日、新型コロナウイルス禍における学生の声を聞き、今後の研究活動体制の構築に活用するため、本学理系3研究科の大学院生14人と、遠隔会議システムを利用して懇談会を開催しました。
懇談会には槇野学長のほか、那須保友理事(研究担当)、舟橋弘晃副学長(特命(大学院改革)担当)、山﨑淳一郎研究協力部長が出席。学生は、大学院自然科学研究科、大学院環境生命科学研究科、大学院ヘルスシステム統合科学研究科の3研究科の、社会人・留学生を含む博士前期、後期課程学生および特別研究学生、計14人(うち女性5人)が参加しました。
槇野学長が「大学院生、特に理系の方々の研究活動に現在さまざまな支障があると聞いています。直接皆さんの声を聞き、今後大学として行っていくべきことを考えたいと思います」とモニター越しに学生にあいさつ。緊急事態宣言の発令に伴い、本学では感染拡大防止のために研究活動の大幅な制限や学生の登校禁止などの措置をとっており、学生は「研究が進められないため、自分の研究に関連する文献を集めているが、大学の図書館も休館しているため思うように集まらない」、「実験動物の世話を全て教員が行っており、多大な負担がかかっている」、「イネの研究では、今月中に田植えが出来なければ、今年1年間のデータが全く得られない」、「絶滅危惧種の生物の繁殖に関する研究を行っており、繁殖期を過ぎてしまうと必要なデータを集められず1年を棒に振ってしまうだけでなく、絶滅危惧種保護のための取り組みに大きな影響をおよぼす」といった厳しい現状を話しました。大学への要望としては、多くの学生がなるべく早い研究活動再開を求めたほか、「就職活動と研究との両立が例年以上に厳しくなると予想されるため、学位授与の基準を柔軟にしてほしい」、「オンライン授業に関するノウハウを共有できる場がほしい」などの意見が挙がりました。
学生らの意見を受け槇野学長は、学生や教職員の健康と安全に配慮しつつ、近々少しずつ研究活動を再開できるよう準備を進めていると答えた上で、「岡山大学が推進するSDGs(国連の持続可能な開発目標)の観点でも、研究活動が持続可能であることは重要です。どうかあきらめずに研究を続けてください」と話しました。那須理事が「苦しいときこそ、悲観的になりすぎず、楽観的になることが大切です」とあいさつし、閉会となりました。
本学では、新型コロナウイルスの影響下においてもよりよい研究体制を整えていくため、今後も継続して学生の意見を取り入れる場を設けていく予定です。
【本件問い合わせ先】
副学長(特命(大学院改革)担当)
舟橋 弘晃
Mail: hirofun◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
槇野学長らと理系大学院生とのオンライン懇談会を開催 学生の声を聞き、新型コロナウイルス禍における研究体制の構築に活用
2020年05月18日