メッセージ集
ご挨拶
皆さん、4月より法学部長となりました築島と申します。
本学法学部では法学と政治学を学べますが、私の担当は行政学という科目です。行政学というと聞き慣れない方もいるかと思いますが、ごく簡単に申しますと、お役所やお役人を研究対象とする政治学の一分野です。演習(ゼミ)では、公務員を目指す学生さんが多くなっていますが、行政学が経営学とも近い学問であるためでしょうか、民間企業に就職する方も何人もいます。
さて、コロナウイルス感染症の影響で長らく開かれていなかった、飲食を伴った新入生歓迎会が4月5日に久しぶりに開催されました。この4月に入学した学生さんは、昼間コース213名、夜間主コース20名、合計233名ですが、この日の出席者はなんと200名以上になりました。数多くの学生さんが参加してくれてことを嬉しく思っております。
その席でも触れたかと思いますが、大学時代とは長い人生のなかでも特別な時期だと思います。利害関係を抜きにして多くの人と知り合える数少ない期間です。遙か昔のことになりますが、私がまだ学部生であったころ、卒業して就職したサークルの1学年上の先輩が大学に立ち寄られ、社会人になったら出会う人とどうしても利害関係が絡んでしまうので是非大学時代の友人を大切にしてほしいと話されていました。そして、現在少し振り返って見ますと、正月に実家に帰ったとき、久しぶりに会った方の多くは、大学時代の友人でした。
学生の皆さんは、勉学に励むのはもちろんですが、こうした意味でも大学時代を大事に過ごしてもらいたいと思います。
2024年5月31日
岡山大学法学部長 築島 尚
2023年度 卒業生の皆さんへ
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
実は私もこの3月で学部長を退任します。4年間務めました。その意味では、私も学部長卒業です。皆さんが入学した年に就任しましたので、学部長として皆さんの4年間の学生生活と共に歩んできたことになります。ですので、私にとっては、皆さんの学年が一番思い入れの深い学年ですし、私の名前の書かれた学位記を最後に皆さんにお渡しできてとても嬉しく思います。
思い起こせば4年前、世界中にコロナウィルスが蔓延し始め、暗いムードが立ち込める中で皆さんは入学して来られました。入学式やオリエンテーション、歓迎会などすべてのイベントが中止になりました。明るいキャンパスライフを思い描いて入学してきたのに友達と出会うことも許されず、毎日自分の部屋でPC画面に向かって授業を受けるというとても辛く寂しい思いをされたことと思います。私たち教員も、皆さんと直接触れ合うことが叶わず辛く申し訳のない気持ちで日々を過ごしました。そのような逆境でも、皆さんは各自工夫を凝らして部活やサークル活動に打ち込まれ、オンラインで留学経験を体験され、就職活動もきちんと終えて、今日のこの日を迎えられました。皆さんのこれまでの頑張りに敬意を表するとともに、皆さんのような強く逞しい人材を世に輩出できることを嬉しく誇らしく思います。
毎年卒業生に対して言葉を変えて捧げてきたメッセージがあります。それは、「人のために汗をかける人になって欲しい」ということです。これから社会に出たら、自分のことはできて当たり前ですが、他人のためにどれだけ行動できるかで皆さんの評価が変わってくると思います。他人のために働くことで人との信頼が生まれ、それが重なることで最終的に、「あの人は人望が厚い」とか「信頼できる人」という評価につながっていくと思います。他人のことをしようと思えば、まず自分のことをしないと説得力がないので自分のことをしっかりしようと思います。また、周りが見えていないと人を助けることはできないので、自ずと広い視野で行動するようになります。私は皆さんにそういう人物になって欲しいと思っています。
最後に皆さんにお願いです。岡山大学法学部を忘れないでください。今以上に好きになり愛着を持ってください。そしていつでもこのキャンパスを訪ねてください。成長した皆さんに出会えることを楽しみにしております。
このたびは、ご卒業、本当におめでとうございました!
2024年3月25日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2023年度 新入生のみなさんへ
皆さん、このたびは、ご入学おめでとうございます!
数ある大学や学部の中から、岡山大学法学部を選んでご入学くださり、本当に有難うございます。
さて、毎年、新入生の皆さんには、「4年間でできるだけ多くの人に出会ってつながってください」と言ってきました。皆さんは1本の糸しか持っていませんが、多くの人たちの糸とつながることで、そこにネットワークが生まれます。網の目が細かく多いほど、それをつたって前進していきやすいことはいうまでもありません。
思い起こせば、私が大学に入学した頃、大学に入ったことでほっとしているうちに、4月5月があっという間に過ぎました。6月になって周りは新しい大学生活をエンジョイし始めている中で自分だけ取り残されていることに気づき、焦りました。たまたま授業で隣に座っていたクラスメイトに勇気を出して声をかけてみたところ、彼の入っているサークルがまだ余裕があるとのことでそのテニスサークルに入れてもらえました。
そこから大学生活が一変しました。他学部の仲間、先輩や後輩もたくさんできました。アルバイトも紹介してもらい、子供から年配の方まで幅広く接するような社会経験も実に多く体験しました。また、イギリスにも留学をする機会を得ました。そこでは言葉や文化の違う多くの人たちと接することができました。
今思い起こすと、あのとき勇気を出して隣の席のクラスメイトに声をかけていなければここまでネットワークが広がることはありませんでした。大学時代に国内外にはりめぐらされたネットワークは未だに生きていて、多くの人たちとつながり、日々助けられたり助けたり、励まされたり励ましたりと、私の活力の源となっていることはいうまでもありません。
この4年間でできるだけこれから先つながることのできない自分だけの多様なネットワークを構築してください。私がそうであるように、それがきっとみなさんの財産になることでしょう。
今年も、入学直後にオリエンテーションを計画しています。また、その日のうちに新入生の歓迎会も予定されています。授業が始まると少人数クラスの「法政基礎演習」が開講されます。このように、法学部では入学直後から友達とつながる機会をたくさん用意しております。我々教職員も全力で皆さんをサポートして参ります。ぜひできるだけ目の細かいネットワークを一緒に作り上げていきましょう。
このたびは、ご入学おめでとうございました!
2023年4月2日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2022年度 卒業生の皆さんへ
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
今年度は、新型コロナウィルスの感染状況を窺いながら、新学期から対面授業を導入することができました。ウィズ・コロナが生活に根付き始めた中で、学業のみならず部活動など課外活動もなんとか実施できたのではないかと思います。皆さんの大学生活の大部分は、コロナ禍によって大きく制約されてしまいましたが、それにもかかわらず、本日こうして、法学部での学業を修められ、たくましく巣立って行かれる皆さんの姿を誇りに、そして嬉しく思います。
卒業して行かれる皆さんに対して、私からのメッセージを1つだけお伝えしたいと思います。皆さんには、これから長い人生の中で、「自分で気が付いたことは進んでやる」ということを常に心に留めて行動してもらいたいと思っています。たとえば、職場で上司や同僚の気が付かないことでも、気が付いたら「自分の仕事ではない、誰か他人がやるだろう」と思うのではなく、自ら進んでやってみてください。
岡山に本拠を置く、世界的に有名な国連NGOであるAMDAさんの話をいつも思い出します。AMDAさんは、緊急救援活動に当たるときに、常にやらなければならないことだけを定めた「ポジティブ・リスト」に基づいて行動するのではなく、「①被災者に迷惑をかけない、②医療事故を起こさない、③他の派遣者の創意工夫を非難しない」という3つの禁止事項以外は何をやっても構わないという「ネガティブ・リスト」に基づいて行動されているそうです。目の前の困っている人を助けるのに、「これだけやったらOK、これ以上はリストにないからできません」というようなことはありえません。こうした積極的かつ柔軟な姿勢であるからこそ、難局に際しても新しい道が見い出され、お互いに信頼関係が生まれてくるのだと思います。
皆さんも、「自分はこれだけやればよくて、あとは誰かがやるだろう」という気持ちで仕事をしていても、組織としても前進しないし、仲間同士で信頼関係も生まれません。何かやり残したことがないかと常に考える気持ちが、全体を見渡せる力を養うことにもつながることでしょう。もちろん、若いうちは自分のことをするだけで精一杯の毎日になるとは思いますが、まずは、気持ちの持ち方だけでもそのようにするだけで、将来の成長の度合いが違ってくると思います。
さて、皆さんは、私が学部長になって3回目の3月卒業生です。今年も、私の名前の入った学位記を携えて卒業していく皆さんの姿を見ることができて最高に嬉しいです。もちろん、それと併せて、私の学部長のときに世に送り出した学生ということで、責任も大きいことを実感しています。皆さんには、社会に羽ばたき、大いに活躍してもらいたいと強く願っています。
最後に、岡山大学法学部で学んだことを誇りに思ってください。そして、これからも皆さんの後輩たちの成長を、また、岡山大学法学部そのものを温かく見守っていってください。そして、将来、1回りも2回りも成長した皆さんに出会えることを楽しみにしております。
このたびは、ご卒業、本当におめでとうございました!
2023年3月24日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2022年度 新入生のみなさんへ
皆さん、このたびは、ご入学おめでとうございます!
皆さんは、コロナ禍の中受験を乗り越えて、このたび岡山大学法学部にご入学されました。皆さんの頑張りに敬意を表しますとともに、岡山大学法学部を選んでくださり、本当に有難うございます。我々教職員一同も、希望に満ちた皆さんの期待に何とか応えたいという気持ちでいっぱいです。
ところで、私は、この4月で学部長3年目を迎えました。1年目に、新入生の皆さんには、できるだけ多くの人と出会ってくださいとお願いしました。2年目の昨年、新入生には、人的ネットワークを広げてくださいとお願いしました。今それらのメッセージを振り返りますと、まず出会いの場に積極的に向かい、次に多くの人たちとつながることの大切さを説いていたのだと思います。これらを踏まえ、今回皆さんには、ぜひその多くの人たちとのつながりの「中心」にいてもらいたいということを強調したいと思います。いわゆる「ハブ(Hub)=中心点、結節点」になってもらえればと思います。ハブになるためには、人からものを尋ねられたら、きちんと答えられるだけの知識と情報が必要です。また、人から誰か適切な知り合いを紹介して欲しいと頼まれたらすぐに紹介できるように、普段から多くの人たちと信頼関係を築いておかなければなりません。つまり、自分自身を平素から磨いておくことが必要となります。かくいう私自身も、立場上多くの相談を受けることがありますが、これまでの経験を伝え、また、つながっている人たちを他の人につないでいくことに徹しています。そこに、大きなやりがいと充足感を実感しております。自分自身がつなぎ役となることで、自分自身の意識が高まり、満ち足りた将来へと進んでいくことができると確信しております。頑張ってください。
今年は入学直後に、コロナ感染に細心の注意を払い対面形式でオリエンテーションを計画しています。また、その日のうちに、新入生の懇親会も予定されています。授業が開始されると、少人数クラスの「法政基礎演習」が開講されます。このように、入学直後から立て続けに友達と触れ合う機会が用意されています。まず出会い、次につながり、最後にその中心へ、とぜひ自分自身を高めていってください。岡山大学法学部は、皆さん自身を磨く絶好の場になると思います。
2022年4月2日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2021年度 卒業生の皆さんへ
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
今年度は、新学期開始早々、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、オンライン授業を強いられました。また、4学期は順調に対面授業が可能になっていたのですが、最後の最後になってまたオンライン授業に戻ってしまいました。ゼミの最後の授業で、仲間や先生と会えなかった人たちも多いのではないかと思います。授業をはじめ、ゼミや部活動、留学、課外活動など学生生活の大部分が、コロナ禍により大いに制約を受けたことを、とても残念で申し訳なく思います。このような厳しい状況下で、皆さんは、学業を修め、就職活動や公務員試験などを乗り切って自らの進路を見出し、こうして卒業の日を迎えられました。逆境を乗り越えて社会に出て行かれる皆さんの姿が、私には輝かしく映っております。
私からのメッセージとして、皆さんには目の前に必ずチャンスがあるということをお伝えしたいと思います。社会に出て働き始めた人たちから、仕事が向いていないとか面白くないという声を聞くことがあります。どんなにつまらないことでも、自分の前に与えられた仕事には、ひとまず興味を持って向かい合い、それらをこなしていくことが大事かと思います。その中で、自然と周囲の信頼も得られていくことは間違いありません。かくいう私も、かつて大使館で勤務したことがありますが、人が嫌がる「雑用」と呼ばれるような仕事もすべて引き受けて毎日黙々とこなした結果、上司や同僚から信頼を得ることができ、最後には外交会議にも政府代表として参加させてもらえるほどになりました。新しいことに次々にチャレンジするのもいいですが、まずは、自分が今いる場所に埋まっているチャンスを探し出すよう試みてください。必ず道は開けると思います。
皆さんは、私が学部長になって2回目の3月卒業生です。私の名前の入った学位記を携えて卒業していく皆さんの姿を今年も拝見することができとても嬉しいです。それと同時に、私の学部長のときに世に送り出した学生ということで、責任も大きいことを感じています。皆さんには、社会に羽ばたき、大いに活躍してもらいたいと強く願っています。
最後にお願いになりますが、岡山大学法学部で学んだことを誇りに思ってください。そして、これからもみなさんの後輩たちの成長を、また、岡山大学法学部そのものを温かく見守っていってください。将来、皆さんが1回りも2回りも大きくなった姿に出会えることを楽しみにしております。
このたびは、ご卒業、本当におめでとうございました!
2022年3月25日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2021年度 新入生のみなさんへ
皆さん、このたびは、ご入学おめでとうございます!
昨年度は、コロナ一色の1年でした。皆さんは、制約の多い中で、受験の準備を周到にされ、無事、岡山大学法学部にご入学されました。皆さんの頑張りに敬意を表します。そして、岡山大学法学部を選んでくださり、有難うございます。入学のお祝いの言葉を述べると同時に、皆さんがわが法学部に寄せておられる期待に応えなければと、責任の重さもひしひしと感じております。
大学での4年間は、いわば皆さんの「幅(はば)」を広げるための4年間だと思っています。ひとことに「幅」といいますが、いろんな「幅」があります。まず、「知識・情報の幅」があります。大学で学ぶ法学・政治学の専門知識、低学年のときに学ぶ教養の知識や語学の知識をしっかり学んでその幅を広げてください。
次に、「経験の幅」もあります。皆さんは、自分の興味や関心から、部活やサークル活動、社会に出て行うボランティア活動、あるいはアルバイトなどさまざまな活動を行うようになると思います。こうした「経験の幅」を広げることで、皆さんは社会性を身に着け、今後の人生への自信へとつなげていくことができると思います。
最後に、「人的ネットワークの幅」が挙げられます。大学で友達と学び、先輩と付き合い、先生から指導を受けることは、常に人と人とのつながりに基づいています。大学時代に築き上げた人的なネットワークは、かけがえのないものです。かくいう私も、大学時代に築いた人との関係は、未だに切れることなくつながっております。このネットワークにこれまで幾度となく助けられ、また、癒されてきました。大学4年間で、できるだけ多くの人たちと出会い、この幅を広げていってもらいたいと思っています。
このように、これからの4年間で、皆さんの今持っているさまざまな「幅」が広がっていく過程を、我々教員一同は一緒に楽しみたいですし、また、それを手助けしようと意気込んでいます。
このたびは、ご入学、本当におめでとうございました!
2021年4月2日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2020年度 卒業生の皆さんへ
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
今年度は、コロナに始まり、コロナに終わる、そんな 1 年でした。新型コロナウィルスの感染拡大で、授業をはじめ、ゼミや部活動、留学など学生生活の大部分が大いに制約を受けました。皆さんの大学生活の大事な最終頁が余白だらけになってしまったことを、私自身、とても残念で、申し訳なく思っています。
そのような厳しい生活の中で、皆さんは、学業を修め、就職活動や公務員試験などを乗り切って自らの進路を見出し、こうして卒業の日を迎えられました。皆さんの努力と頑張りを頼もしく思い、心より敬意を表したいと思います。
私からのメッセージとして、毎年卒業していく学生には、「他人のために汗をかける人間になってほしい」と思っています。自分のために汗をかくのは当たり前ですが、世の中で、他人のために汗をかける人間は案外多くありません。しかし、私の経験上、そのような意識で行動できる人物こそが周囲の信頼を得ることができ、有意義な人生を送ることができると思っています。
皆さんは、私が学部長になって初めての 3 月卒業生です。私の名前の入った学位記を携えて卒業していく皆さんの姿を拝見し、嬉しくて天にも昇る気持ちになっています。しかし同時に、私の学部長のときに世に送り出した学生ということで、責任も大きいことを感じています。みなさんには、社会に羽ばたき、大いに活躍してもらいたいと強く願っています。
最後にお願いになりますが、岡山大学法学部で学んだことを誇りに思ってください。そして、これからもみなさんの後輩たちの成長を、また、岡山大学法学部そのものを温かく見守っていってください。将来、皆さんが 1回りも 2 回りも大きくなった姿に出会えることを楽しみにしております。
このたびは、ご卒業、本当におめでとうございました!
2021年3月25日
岡山大学法学部長 黒神 直純
2020年度 新入生のみなさんへ
岡山大学法学部へのご入学、おめでとうございます!
何よりもまずみなさんにお詫びしたいのは、今年度、新型コロナウィルスの影響のため、入学式が実施できなかったことです。本当に申し訳ございません。また、授業の開始も例年よりも遅れてしまいました。われわれ法学部の教員も、みな一日も早く授業をしたいと願っておりましたので、このたびの延期は残念でなりません。重ねてお詫び申し上げます。
さて、このたびは、岡山大学法学部を選んで下さり、有難うございます。わが法学部は、1949年の大学開学以来、有為な人材を世に輩出してきました。中四国地区における法学・政治学教育の中心地として、自他ともに認める確固たる地位を築いてまいりました。今度は、みなさんにこの法学部の歴史の主人公となっていただきたいと期待しております。その意味で、このたび前途有望なみなさんをわが法学部にお迎えできることを、教員一同喜んでおります。
ところで、私から3つのお願いがあります。
まず、みなさんは大学生になっておそらく多くのことに戸惑うことでしょう。これまでの学び方とはまったく異なり、これからは、自分から何事にも能動的に行動していかなければ、知識や理解を得ることは難しいでしょう。失敗を恐れて何もしなければ時間は無為に経過していきます。何よりも自分に舞い込んだチャンスを逃してしまうことになるでしょう。4年間という期間は、長いようであっという間です。常に周りの動きに敏感に情報を収集し、その中から自分のやりたいこと、やるべきことを見出してほしいと思います。
次に、「一年生になったら」という歌があります(私と同じ名前の故山本直純さんの作曲)。ご存じの方も多いと思いますが、その中で「ともだち100人できるかな♪」と歌われています。新入生のみなさんには、この4年間で、さっきの歌の100人といわず、それ以上できるだけ多くの人に出会ってもらいたいと思っています。同世代の人のみならず、年下、年上、また、異性、外国人……、種々の人々に出会って多くの刺激をもらい、多くを吸収してもらいたいと思います。
そして最後に、岡山大学法学部を好きになってもらいたいと思います。履修した授業の内容やそれを教える先生、自分の身近にいる仲間が何を考えどう行動しているか、興味を持ってみて下さい。あるいは、ゼミでの活動、インターンシップや留学、部活などの課外活動が面白そうと思うかもしれません。まずは何事においても興味を持って大学生活を楽しんでください。そして卒業する頃には岡山大学法学部を好きになっていてもらいたい、またそれを卒業後も多くの人に伝えてもらいたいと思っています。
以上のお願いを私からのメッセージとして新入生のみなさんに捧げたいと思います。4年後のみなさんの自信に満ち溢れた笑顔に出会うことを今から楽しみにしております!
2020年4月2日
岡山大学法学部長 黒神 直純
法学部キャッチコピーによせて
2020年4月より、法学部長に就任しました黒神直純と申します。
さて、私がこの岡山大学法学部に着任したのが1997年でしたので、かれこれ20年以上もの間ここで教育・研究を行ってきたことになります。これまで多くの学生たちと出会い、彼らは皆立派に社会に巣立っていきました。その過程で、常々認識を強めてきたのは、大学の財産は人であるということです。「人財」とはよくいったもので、大学が社会に対して提供できる大きな財産の1つは、人であり、また、その第1は、無限の可能性を秘めた学生であると確信しています。
日々教育の現場では、学生たちが、勉学や留学、社会活動や就職活動などに対して、失敗を恐れずチャレンジし、それが成就したときの最高に輝く姿を目の当たりすることがじつに多くあります。また、晴れて卒業式を迎えた清々しい笑顔、社会に出た後の自信に満ちた表情に出会うたびに、彼らとともに歩んできて本当によかったという充実感を味わいます。
これらの経験を通じて、岡山大学法学部をひとことで表すならば、「学生が輝く学部、人が羽ばたく学部」なのではないかと思い、このたび学部長就任とともに、これを学部のキャッチコピーとさせて頂くことにいたしました。もちろんわれわれ教員一同も、学生が輝き、社会に羽ばたくように、精一杯教育に携わっていく所存でおります。このたびのこのキャッチコピーをこれから学部全体で大事にしていってもらえたらと思います。
2020年4月
岡山大学法学部長 黒神 直純