岡山大学 法学部

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学部長挨拶

  岡山大学法学部で学ぶことができる法学や政治学という学問は、高等学校で学んでいる多くの皆さんにはあまりなじみがないかもしれません。ニュースなどで法律の話が出てくると難しい理屈を説いているように聞こえ、政治の多くの話題は合意が見られないまま進んでいくようにも見えます。有識者といわれる人たちの意見も一定の事柄に賛成論あり、反対論ありとさまざまです。
 ただ、賛否の議論が成り立つ場合、それは、一定の知識や考え方を双方が共有しているともいえます。ある法律はどのような考え方に立っているのか、それぞれの条文はどのようなことをいっているのかという知識があってこそその法律を理解しているということができ、国の仕組みや政党・政治家の活動を知ってこそ、いわゆる政治的なトピックがどのような意味をもっているのかを語ることができるのです。
 そうした知識や考え方の基礎を体系的に学んでいくのが、岡山大学法学部における勉強であり、それを4年間という長い期間でひとつひとつ段階的に積み上げていきます。そして、入学時は暗中模索しながらも、卒業時には思いもよらなかった高みに達し、法律の話や政治の話題を一歩専門的な立場から理解し、語ることができるようになるのです。
 そうした学びを法学部の教員・職員をはじめ岡山大学に関わる多くの人たちがサポートしています。特に、岡山大学法学部の特徴としては、少人数教育が挙げられます。1年生から4年生まで各学年でひとクラス20人程度の演習(ゼミ)が開講され、とりわけ3・4年生向けには、教員のほぼ全員が各自の分野のゼミを提供しています。これにより、専門を深く学ぶことができるのみならず、指導教員が学生おのおのの顔を見ながら生活面の指導を行っています。
 また、岡山大学法学部では、グローバル化を念頭においた教育にも力を入れています。カリキュラムとしては、専門科目として「グローバル法政科目群」を設定し、海外の事情を学びます。また、短期・長期を問わず海外留学を希望する学生を支援しており、コロナ禍が落ち着いてから徐々にではありますが、それ以前に全学でも有数だった留学者数を回復してきています。
 さらに、岡山大学法学部は、本学大学院法務研究科と連携して2020年4月に中四国で初めて、いわゆる法曹コース(本学では「法曹プログラム」と呼んでいます。)を設置しました。これにより昼間コースの法学部生は、法務研究科による授業を先取りして受講しながら法学部を3年間で卒業し、法務研究科の2年目に司法試験を受けることが可能になりました。
 そうした成果として、岡山大学法学部の卒業生は、司法試験で高い合格率を上げています。また、国家公務員試験でも一般職はもちろん総合職でも全国有数の合格者数を誇り、地方公務員を含めて例年卒業生の半数程度が公務員となっています。さらに、金融・保険業、製造業、情報通信業といった民間企業で活躍する人材も育てています。
 制度に裏打ちされた高い実績のある岡山大学法学部で、皆さんとともに学び、皆さんがご自身の将来の夢に近づくためのお手伝いができることを教職員一同楽しみにしています。

法学部長   築島 尚