本学は7月4日、従来のイメージに捉われない魅力溢れる産学共創イノベーション拠点の施設整備に向けた知見を得るため、岡山県瀬戸内市にある株式会社岡山村田製作所を訪問しました。同社の施設は地域との交流に積極的であるとともにさまざまな仕組みを組み込んだ先駆的なイノベーション施設などであることから、今回の訪問となりました。
本学からは、袖山禎之理事(財務・施設担当)・事務局長を代表に研究推進機構、施設企画部、研究協力部の教職員・URAら19人が参加し、同社の事業サポート部総務課の角田竜也シニアマネージャーの案内で施設内を見学。色や形を統一したエントランス、さらには岡山の四季をイメージした4つの応接室、社内の方々が休憩やミーティングに使うラウンジやミーティングスペースなどを見学しました。
また、オープンスペースでは、様々なタイプの机・椅子、ソファが配置され、多様なニーズに応えられるものとなっており、居住性と管理面を両立する床材の導入など多くの工夫がされていました。執務室は背の高いキャビネットがなく広く感じられ、フリーアドレスデスクの導入やペーパレス化により実現した余裕ある空間となっており、大学の事務室との違いに驚く声があがりました。
質疑では、「オープンスペースでは周りの音が気になるという意見がないのか」という質問に対し、角田シニアマネージャーは「特にそのような意見はないです。むしろ、色々な話を聞いて意図しないコミュニケーションを取ることが偶然の発想に繋がると思います」と回答しました。その後もさまざま意見交換が行われました。
参加した本学教職員からは「テーマやコンセプトを明確に定めたことにより、統一感のある空間になっており、大変参考になった」「多様な障害者雇用の一つとしてラウンジのカフェ運営を任せていることなど、ソフト面でも参考にしたい部分があった」との意見があり、今後の取り組みに生かしていくこととなりました。
本学は、“地域中核・特色ある研究大学:岡山大学”として、これまでの学内集積型研究拠点だけではなく、地域との共育共創による研究力向上・イノベーション創出活動を精力的に実施しています。またその場となる施設もBIZENラボやOUX(オークス)などをさまざまな場を整備し、かつそれらの場が他の部門・組織・施設と有機的に連携でき、場の効果を向上させることのできるイノベーション・コモンズの形成を進めています。また、4月に文部科学省「地域中核・特色ある研究大学の連携による 産学官連携・共同研究の施設整備事業」の採択を受け、新たな産学共創イノベーション創出拠点となる施設建設を予定しており、従来の建物(場)のイメージにとらわれない魅力ある施設の構築を目指しています。
今回の訪問について本学の那須保友学長は「ご多忙の折、今回の見学を受け入れて頂いた株式会社岡山村田製作所の皆さまに厚く御礼を申し上げます。新しいものを創り上げるためには、自ら足を運び、その目で、耳で、肌で感じることがとても大切だと思います。そしてこのことはすべての活動に共通することだとも思います。本学を含め、わが国の大学・研究機関等は大きな転換点を迎えており、自らの場に座することなく、広く社会とともに学び、新たな価値を創造していくことが強く、早く求められています。今回の見学が担当や部署の壁を越えて実施されたことは、教職員らの人材育成にも役立つものだと感じています。今回の知見を地域中核・特色ある研究大学の連携による 産学官連携・共同研究の施設整備事業などで生かして行けるよう、学長としてもしっかり自分事として汗を流していきます」とコメントしました。
研究推進機構、施設企画部及び研究協力部では、今回の知見をもとに、学内やその関係者だけではなく、地域の皆さんに愛され、さまざまな垣根を越えた共創や自由な発想が生まれる空間を創出できる建物(場)を戦略的に構築して行きます。ぜひ今後も地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください。
【本件問い合わせ先】
研究協力部 研究協力課
TEL:086-251-7115
E-mail:innovation◎adm.okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
特色ある施設整備を視察のため株式会社岡山村田製作所を訪問~地域中核・特色ある研究大学として開かれた魅力ある産学共創イノベーション創出の場を目指して~
2023年07月28日