本学の佐藤法仁副理事・副学長・上級URAが、福島県の公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構(本部:福島市中町、理事長:斎藤保)(以下、「福島イノベ機構」)のアドバイザーに本年4月19日付で任命され、4月25日に委嘱状交付が東京都千代田区の中央合同庁舎で開催されました。
委嘱状は、斎藤理事長の代理として伊藤泰夫理事長補佐から佐藤副理事・副学長・上級URAに交付されました。「新結合アドバイザー」は、福島イノベ機構における重点的な取り組みである産業集積や教育・人材育成、国が実施している世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指す福島国際研究教育機構(F-REI)との連携などについて助言等を行うとともに、機構職員の資質向上につながる取り組みについて支援するものです。
佐藤副理事・副学長・上級URAは、内閣府の上席科学技術政策フェローを兼務しており、その中で福島国際研究教育機構(F-REI)を含めた我が国の科学技術・イノベーション政策の企画・立案等の重要な業務を担当しています。また、福島イノベ機構ともこれまでに交流を深めており、昨年度は機構職員向け講演会の講師としての登壇や福島県内の研究開発関連施設等の視察・意見交換などを行ってきた実績があります。
今回のアドバイザー就任について、伊藤理事長補佐は「今回、佐藤副理事・副学長・上級URAにアドバイザーの就任を依頼する際、どのような分野でご依頼するか、とても悩みました。国内外の大学・研究機関などのアカデミアだけではなく、内閣府などの中央省庁での科学技術・イノベーション政策等の重要なお仕事、さらにはスタートアップ・ベンチャーを含めた産業界での幅広い知見もお持ちです。産学官を同時に実施されており、ひとつの分野に絞ることが難しい中、昨年に当機構でイノベーション(新結合)についてのご講演をいただき、『これ(新結合)だ!』と思いました。よく使用されている『イノベーション』という言葉ではなく、『新結合』としたのは、福島など東日本大震災からの復興の中で、県内、東北地域内、国内、そして海外と多種多様なステークホルダーと『新結合』することで、復興もさらに加速され、かつ新たな創造も育まれると考えたためです。今後、いろいろな場面でお力をお借りしつつ、未来につながる新結合をともに生み出していければと思います」とコメントしました。
また佐藤副理事・副学長・上級URAは、「今回の新結合アドバイザーの拝命は、大きな責任を感じています。これまで我が国の科学技術・イノベーション政策などから福島県などの被災地と復興を見てきましたが、今回からはより深く『当事者』として関わると認識しています。また、私は1995年の阪神淡路大震災で被災し、多くを失ったこと、人生や価値観が大きく変わった経験などから、今回のお話は同じ震災という点で、とても感慨深い『新結合』だとも感じています。これまで得た情報や経験を知恵に変えて、福島イノベ機構をはじめ福島県など東北地域のお役に立てるように、当事者として汗を流していきたいと思います」と、今後の意気込みも含めてコメントしました。
本学は昨年度に文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に採択されており、社会変革を目指した研究・イノベーション活動を戦略的に実施しています。佐藤副理事・副学長・上級URAは、J-PEAKSの本学担当者であり、那須保友学長らとともに全学を挙げて取り組みを推進しており、これは本学や岡山圏域だけに限ったものではありません。岡山と福島は物理的な距離はあるものの、新結合に距離が障害になるとは一概には言えません。実際に本年3月7、8日に、本学高等先鋭研究院を構成する4研究所(惑星物質研究所、資源植物科学研究所、異分野基礎科学研究所、文明動態学研究所)が世界トップレベルの有機連携を図る取り組みの一つとして、宇宙戦略事業に関係するさまざまな研究者、技術者らが寝食をともにし、シーズやアイデアなどを出し合って“新結合”を起こす「三朝ブレーンストーミング」を惑星物質研究所がある鳥取県三朝町で開催した際、福島イノベ機構との交流から出会った研究者らを招聘し、実施。次につながる流れを生んでいます。
今後もアドバイザー就任という新結合をうまく生かし、かつ次につなげるためにも佐藤副理事・副学長・上級URAを筆頭に本学でもさまざまな取り組みを推進していきたいと思います。引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学と福島イノベ機構の取り組みにご期待ください。
○那須保友学長のコメント
今回、佐藤副理事・副学長・上級URAが、福島イノベーション・コースト構想推進機構のアドバイザーに就任したことは、地域の中核としての研究大学である本学にとって大変光栄です。福島イノベ機構と本学は、ともにフィールドが地域であること、大都市部から中距離に位置すること、さらに社会課題解決から新たな価値を創出していくこと等、共通する部分がいろいろあると感じています。また、本学は東日本大震災の支援として、塩害・高湿度に強い大麦使用を使用した被災地支援ビール「復興エール」の商品化、さらに福島国際研究教育機構(F-REI)の委託研究も受けているなど、研究・イノベーション活動も実施しています。
復興、そして新しい地域の価値を生み出すという長期間のプロジェクトは、資金面だけではなく、人と人の「新結合」にはじまり、そこから成果として学術的知見やサービス、商品、産業などが生まれてくるものだと思います。本学も最初の起点となる「新結合」を大いに盛り上げていければと思います。また地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)の活動の好事例を福島イノベ機構など他地域へ横展開し、我が国の科学技術・イノベーションや人材・産業育成などを盛り上げていきたいと思います。どうぞ佐藤副理事・副学長・上級URAと福島イノベ機構の活動へのご支援をよろしくお願いいたします。
○公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構について
東日本大震災からの復興の国家プロジェクトのひとつである福島イノベーション・コースト構想は、福島県浜通り地域等の新たな産業基盤の構築を目指している。同機構は、同構想を推進する中核的機関として福島県によって2017年7月25日に設立。主な活動として、廃炉の推進、ロボット開発・実証拠点や国際産学連携拠点の整備等による新産業の創出と関連産業の集積、先端技術等を導入した農林水産業の再生、人材育成や研究者等の定着等に取り組んでいる。
【本件問い合わせ先】
国立大学法人岡山大学
副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URA 佐藤法仁 〔東京駐在〕
E-mail:norito-satoh◎cc.okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えて下さい
岡山大学研究・イノベーション共創機構HP
<公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構に関する件>
公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構
〒960-8043 福島県福島市中町1番19号 中町ビル6階
TEL:024-581-6894(代表)
福島イノベーション・コースト構想推進機構HP
佐藤法仁副理事・副学長・上級URAが福島イノベーション・コースト構想推進機構のアドバイザーに就任 ~地域から未来につながる「新結合」を生み出す活動を強化促進へ~
2024年05月15日