国立大学法人 岡山大学

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文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

2023年12月25日

 本学は12月22日、文部科学省の令和5年度「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に採択されました。
 本事業は、我が国全体の研究力を向上させ、新たな価値創造を促進していくために、大学ファンドによる国際卓越研究大学への支援と並行して行うものです。我が国全体の研究力の発展を牽引する研究大学群の形成を推進することを目的に、地域の中核大学や研究の特定分野に強みを持つ大学が、その強みや特色のある研究力を核とした経営戦略の下、他大学との連携等を図りつつ、研究活動の国際展開や社会実装の加速等により研究力強化を図ります。今回69大学(国立39大学、公立7大学、私立23大学)からの申請があり、12大学(国立9大学、公立1大学、私立2大学)が採択されました。
 本学は、岡山大学長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向け、本学の事業構想である「研究力強化・イノベーション創出戦略」を強力に推進します。
 本事業における主な取り組みは、下記の通りです。
 ①研究IR(エビデンス)に基づき、強み分野と次世代にリソースを投資し、研究界のトップサークルと勝負できるよう、強みをさらに“強く”、“尖らせ”ます。そのために従来から実施している国際的学術研究拠点「RECTORプログラム」をさらに進化しつつ、本年に新たに制定・改定した「岡山大学最重点研究分野(7領域)」及び新研究マネジメントシステム「岡山大学高等先鋭研究院」(強みの4研究所+先鋭研究群(研究特区))による、拠点間の有機連携・シナジー効果、順位付け制度による入れ替え(流動)による切磋琢磨、派生研究の切り出し育成等の取り組みをより加速します。そのトップランナーとして世界トップレベルの研究者集団である「植物・天然光合成」分野と東京大学などとの連携により、世界の類を見ない学術成果から「革新的材料・クリーンエネルギー」分野及び産業界と連携を図り、地球と生態系の健康(Planetary Health)を達成します。
 ②社会課題解決からイノベーション創出を図りWell-being社会を実現するため、国家戦略や地域の思いを先取り先導し、岡山大学でしか成し得ない研究を展開のうえ、「外なる場」でのコミュニティ形成と総合知により社会変革を起こします。本学は国家戦略特区「デジタル田園健康特区(岡山県吉備中央町)」に深く関わり、様々な取り組みを展開しています。国家戦略特区(スーパーシティ型国家戦略特区、デジタル田園健康特区)に関係している大学と連携して共生型連合体(筑波大学、山梨大学、大阪大学)を構築し、今後、これを基盤に関連特区の規制事業を横展開し、実証数の増、実証のスピード化、地域特性比較などの検証からイノベーションを創出し、医療制度の規制緩和や革新的新医療技術開発、地域の暮らし変革などを加速し、Human Health(人の健康)、Community Health(地域の健康)の地域振興のハブとなります。
 ③これらの取り組みを支える研究基盤(設備とヒト)改革として、先端設備の整備とアカデミアだけでなく産業界も含めた設備共用システムの強化(ハード面)、技術人材の高度化(テクニカルコンダクター、技術プロジェクトマネージャーの育成:ソフト面)双方の強化により、イノベーション創出の知と技のメッカ(集積拠点化)を構築します。東京大学クライオ電顕ネットワークの中・四国地域での拠点化、理研SPring-8とのリモートステーション化による大型実験の事前分析拠点の構築、東京工業大学、山口大学、自然科学研究機構、津山工業高等専門学校との連携から、設備利用の好循環の構築とオールジャパンでの高度技術マネジメント人材の育成を加速させます。
 ④研究力強化とイノベーション創出に向けた人事・財務戦略として、若手・中堅・シニアが、やりがい、感動、高揚感を感じ、誇りと希望を持ち研究に打ち込める環境の整備と、高度専門マネジメント人材改革として、先例にとらわれない、人事給与制度改革を断行し、知識によって社会変革を起こす人材「ナレッジワーカー」の育成・輩出を進めます。
 今回のJ-PEAKSの採択を受けて、担当である本学の佐藤法仁副理事・副学長・URAは「本事業申請に取り掛かるにあたり、『目的』と『手段』をはき違えないために『事業のためではなく、本学のビジョン達成のために申請する』という点を全学で再確認し、取り掛かりました。そのため事業の採否に関わらず計画しているものは申請後の審査期間中もどんどん進めました。そのため申請書に記載している初年度計画の大半は既に終えている状態となっています。大学・研究機関のみならず、社会・歴史が大きく変化し続ける中、大学のあり方も変わっています。本事業の採択は、本学のみならず採択大学における大きな転換点になると感じています。大学の歴史的意義を抱えつつ、新しい時代の大学『学問の府』のあり方も築きあげていく好機とも考えます。そして本事業は数多くの人たちの人生をも変える大変インパクトがある事業です。私たちはとても重い責任を担っていることを自覚しつつ、社会変革を起こす“力”があることの矜持を抱き、過去・現在・未来のステークホルダーとともに前へ前へと歩んで行きます。固定観念を廃し、失敗を恐れず、何度も何度も挑戦し続ける研究大学:岡山大学へのご支援をよろしくお願い申し上げます」とコメントしました。
 本学では、既に本事業の司令塔とも言える「岡山大学研究力・イノベーション創出強化実現会議」を設置・始動し、長期ビジョン2050の実現に向け、部門の垣根を越え、多種多様な知を生かす「アジャイル型手法」を用いて、研究力・イノベーション創出強化から社会変革を起こすべく、諸施策を強力に推進しています。文部科学省「研究大学強化促進事業」(平成25年度~令和4年度、最終評価:S)内閣府「国立大学イノベーション創出環境強化事業」(令和2~3年度)文部科学省「国立大学経営改革促進事業」(令和3年度)文部科学省「国立大学経営改革促進事業」(令和4年度~)及びJST「共創の場支援プログラム」等で進めてきた大学経営改革をさらに加速させ、新たな価値の創出と社会変革を強力に進めます。また、J-PEAKS採択大学等とも連携し、「世界に誇れる研究大学の山脈(PEAKS)」を築きあげていきたいと思います。どうぞ、本学のみならずJ-PEAKS採択大学の挑戦にご期待ください。
 なお本件の詳細については、1月25日「岡山大学定例記者発表」の学長発表において紹介する予定です。

〇那須保友学長のコメント
 エビデンスに基づいた資源の重点投資を通じて世界トップレベルの研究領域やイノベーション創出拠点を形成し、社会変革を起こせる研究大学を目指すとともに、「不易流行の大学経営」を通じて、誰もがワクワク・ドキドキと過ごせる「誇りと希望の学都」を目指します。
 今後、これまで以上に学内構成員や学外のステークホルダーへの周知等を行っていきます。研究プロジェクトの推進やイノベーション創出等を通じた社会改革と、研究環境の改善を含めた組織風土の改革が求められています。組織風土を学部生、大学院生、研究者、職員、そしてステークホルダーとともに変えていく起爆剤ともなると考えます。それを一言で「ワクワク・ドキドキ」としました。
 今後も本事業を通じてワクワク・ドキドキを盛り上げ、岡山大学長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現を確実にしていきます。引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

<参考1>
日本学術振興会「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」
<参考2>
岡山大学高等先鋭研究院を創設~世界と伍す研究・イノベーションの卓越と厚みを育成するシステムを構築~
「岡山大学最重点研究分野」を制定~地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学を実現するために~
「岡山大学研究力・イノベーション創出強化実現会議」を設置・始動~矜持とスピード感を持って社会変革を実現する研究大学を目指し、司令塔機能を一本化~
岡大長期ビジョン2050をより確実に実現させ、社会変革を起こす”力”がある研究大学:岡山大学を目指して「岡山大学研究ポリシー」を改正
岡山大学の4研究所を「高等先鋭研究院」に認定 ~世界と伍す研究・イノベーションの卓越と厚みを育成するシステムを始動~

<詳しい内容について>
 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

【本件問い合わせ先】
岡山大学研究力・イノベーション創出強化本部 統括事務局
TEL:086-251-7115
E-mail:innovation◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※@を◎に置き換えています

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