本学は2月9日、岡山大学の強みのひとつである医療系分野の研究開発の成果について、革新的な技術に橋渡すことのできる基礎研究や臨床現場、医療イノベーションなどに結びつく成果などを英語で世界の一般のみなさんなどに届けるWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.97を発行しました。
本号では、学術研究院医歯薬学域(医)実践地域内視鏡学講座の河原祥朗教授、濱田健太助教、ヘルスシステム統合科学学域の相田敏明講師、株式会社両備システムズの研究グループの「岡山大学が開発した早期胃癌AI診断システムの有用性」の研究成果について紹介しています。
早期胃癌の治療法には胃を温存できる内視鏡治療(ESD)と胃切除が必要な外科的治療があります。その選択には病変の正確な深達度診断が必要ですが施行医が画像を見て経験に基づいて診断を行っているのが実情です。個々の医師によりその診断能にはバラツキがあり、本来の適応でない治療法が選択されることも起こっています。
今回の開発したシステムを早期胃癌患者200例で検討したところ、深達度診断において約80%の正診率が得られました。今後このシステムを用いることで、その診断能の均一化、正診率の向上、確実な治療法の選択が期待されます。
岡山大学は、2013年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示すリサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学を構築し、「岡山から世界に新たな価値を創造し続けるSDGs推進研究大学」となるため、強みある医療系分野やその関係する分野の国際的な情報発信を力強く推進しています。今後も本学から生み出される成果を産学官民共創のオープンイノベーションの加速や社会、医療現場が求める革新的技術、健康維持増進により早く届けられるように研究開発を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.97:Artificial intelligence helps to determine cancer invasion.
○Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)
2012年より岡山大学では、研究成果や知的財産、技術移転活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年3~4回発行して来ました。またAAAS(American Association for the Advancement of Science)が提供する、世界最大規模のオンラインニュースサービス「EurekAlert!」を利用し、世界の大学・研究機関の研究者やマスコミ関係者などにニュースやトピックスを交えて配信し、岡山大学の海外への情報発信の強化と国際的知名度の向上などを推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、岡山大学の強みある医療系分野とその融合分野などの更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
<OU-MRU Back Issues:Vol.89~Vol.96>
Vol.89:Studying Parkinson’s disease with face-recognition software (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)阿部康二教授&山下徹准教授、岡山大学病院 森原隆太助教&田所功医員)
Vol.90:High levels of television exposure affect visual acuity in children (学術研究院ヘルスシステム統合科学学域(医) 松尾俊彦教授&学術研究院医歯薬学域(医) 頼藤貴志教授)
Vol.91:Meeting high demand: Increasing the efficiency of antiviral drug production in bacteria (学術研究院環境生命科学学域(農) 田村隆教授)
Vol.92:Numerical modelling to assist the development of a retinal prosthesis (学術研究院自然科学学域(工)内田哲也准教授&学術研究院ヘルスシステム統合科学学域(医) 松尾俊彦教授)
Vol.93:Repurposing cancer drugs: An innovative therapeutic strategy to fight bone cancer (学術研究院医歯薬学域(医)藤原智洋助教)
Vol.94:A berry vine found in Asia proves useful in combating lung cancer (学術研究院医歯薬学域(薬)有元佐賀惠准教授)
Vol.95:Liquid biopsies: A new avenue for detecting cancer in the blood (学術研究院医歯薬学域(医)藤原智洋助教)
Vol.96:Automated cell image analysis (資源植物科学研究所 長岐清孝准教授)
※Vol.90(2021年度発行)より教員(研究所・附属病院等を除く)は「学術研究院」の下、各学域に所属することになったため、2021年度以前の大学院研究科表記から学術研究院学域表記に変更しています。
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id10092.html
<参考>
・「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」バックナンバー
・岡山大学国際Webマガジン「Okayama University e-Bulletin」
【本件問い合わせ先】
総務部 広報課
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.97 発行
2022年02月09日