7月10日に文部科学省主催・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)共催の「未来の博士フェス2024~博士と創る、博士が輝く社会へ~」が一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)で開催され、本学から岡山大学次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING)の対象大学院生である三宅沙侑美さん(大学院社会文化科学研究科博士後期課程3年)と宮本あゆはさん(同研究科博士後期課程1年)、林姫花さん(大学院自然科学研究科博士後期課程3年)の3人が参加しました。
本イベントは、企業と協力して博士課程学生を応援するイベントとして、昨年よりさらに規模を拡大した形で実施されました。イベントでは博士課程学生によるショートプレゼンテーションや社会課題解決提案グランプリ、博士号を取得後、産業界、教育界、官公庁で活躍している方々を交えたパネルディスカッションを通して、博士人材の強みや魅力をアカデミアのみならず企業や官公庁等に向けて発信され、国内の各大学から多くの博士課程学生が参加し、企業関係者や他大学の学生との交流を行いました。
午前の部では、文部科学省及び来賓よりあいさつ。法学と商学の博士号を持つ盛山正仁文部科学大臣が自身の博士号取得に関するエピソードをはじめ、文部科学省が3月26日に取りまとめた「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」などについて紹介しました。
その後、6人の登壇学生によるショートプレゼンテーションが行われました。本学からは登壇学生として選ばれた三宅さんが「持続可能な質の高い介護サービスの実現に向けて」についてのショートプレゼンテーションを実施。介護サービスの現状や問題点、持続可能な質の高い介護サービスの実現に向けた取り組み、自身の今後の展望等について発表を行いました。
午後の部では、「博士を大事にする企業ピッチコンテスト」が実施された後、計59大学106人のポスター発表学生によるポスターセッションが行われました。本学からはショートプレゼンテーションに続いて三宅さんが「ソーシャルスキルに着目した介護士と介護サービス利用者との良好な人間関係の構築に関する研究」について、加えて林さんが「『快』感覚を基盤とした愛着形成におけるオキシトシン受容体の役割および神経回路メカニズムの解明」についての発表を行いました。
ポスターセッション後は、社会課題解決提案グランプリが実施され、本学からは宮本さんが参加。アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社から提供された「人生120年時代の功罪、健康リテラシーの在り方はどうあるべきでしょうか?」というテーマで、他大学の学生と事前準備した解決案についてチーム発表を行いました。その結果、発表の熱量が審査員(提案企業代表者)に伝わり、「アサヒ賞」を受賞する栄誉を得ました。
イベントの最後は「博士人材が多様なフィールドで活躍する社会の実現を目指して」と題してパネルディスカッションが行われた後、表彰及び閉会あいさつをもって閉幕しました。
今回のイベントについて本学の那須保友学長は、「本学でも大学院博士後期課程院生を含めた博士人材の重要性を認識しており、従来のフェローシップ事業に加えてJSTの次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業などで博士人材育成を強化しています。研究ポリシーにおいて大学院博士課程(後期課程)に在籍する大学院生を『研究者』と位置づけており、さらにJSTのデータベース型研究者総覧『researchmap』への登録義務化やその他さまざまな義務を負っています。これは私たちが目指す博士人材像のひとつである『社会変革の起爆剤となる高度専門人材(ナレッジワーカー)』という点において、必要最低限のことだと考えています。また、本学では学内職員を対象とした大学院修学支援制度も開始しており、一定のキャリアを持つ人材らとの交流の活性化も進めています。さらに『研究ファースト』を掲げる地域中核・特色ある研究大学:岡山大学として、博士人材がさまざまなキャリアパスを描けるように、従来の研究者のみを育成する大学院のあり方ではなく、ナレッジワーカーとしての博士人材を育成・輩出できる大学院にしていく必要があると強く感じています。やるべきことは多いですが、今回のキラリと光る未来のナレッジワーカーらの活躍をもとに、より良い博士人材の育成・輩出の場を構築していきたいと思います」と、時代にあわせた大学院改革も視野に入れてコメントしました。
引き続き本学では、社会変革の起爆剤となるナレッジワーカーの育成を精力的に行い、学内のみならず社会とともに優秀な博士人材を輩出します。どうぞ社会変革を担う博士人材の挑戦にご期待とご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
<参考>
・「未来の博士フェス2024~博士と創る、博士が輝く社会へ~」ホームページ
・「未来の博士フェス2024~博士と創る、博士が輝く社会へ~」プログラム
・岡山大学次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING)
【本件問い合わせ先】
研究・イノベーション共創管理統括部 研究協力課(OU-SPRING事務局)
TEL:086-251-8462
E-mail:ou-fellowship◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
岡山大学次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING)対象大学院生が文部科学省主催「未来の博士フェス2024」に参加し、アサヒ賞を受賞!~社会変革の起爆剤となるナレッジワーカーとしての博士人材を推進~
2024年08月01日