国立大学法人 岡山大学

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地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)をひとつの手段として大学を、社会を変えていく~文部科学省科学技術・学術政策局長らとの意見交換を実施~

2024年09月20日

 9月4日、文部科学省科学技術・学術政策局の井上諭一局長と産学連携・地域振興課の吉村奏係長、同課の斉藤香歩研修生、研究環境課の田邉綾乃専門職、日本学術振興会(JSPS)経営企画部大学経営支援課の菅原孝介課長らが来学し、本学の那須保友学長や袖山禎之理事(財務・施設担当)・事務総長、佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URA、原田大作研究・イノベーション共創機構副機構長、河本雅紀研究協力課長らと昨年12月に採択された文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(事業主体:日本学術振興会)の事業構想や取り組み状況の意見交換および視察を行いました。
 J-PEASKはこれまでにない規模の大型の大学支援事業(1件あたり約5年間で55億円)であり、我が国全体の研究力の発展等を牽引する研究大学群を形成するものです。本学では、岡山大学長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向け、J-PEAKSの趣旨に共感し、これを活用するとともに、さまざまなステークホルダーらとともに研究力強化・イノベーション創出戦略を強力に推進しています。
 午前は、本学鹿田キャンパスにおいて、J-PEAKS担当である佐藤副理事・副学長・上級URAのコーディネートのもと、医療系において革新的な医療イノベーションを生み出す取り組みであるBIZENプログラムと本学総合技術部における技術職員の高度化やその取り組みのひとつであるTCカレッジの本学サテライト校の医工系コースなどの取り組みについて紹介し、活発な意見交換を行いました。さらに同キャンパスにある岡山大学病院を訪問。同病院のゲノム医療総合推進センター研究開発部の冨田秀太部長・准教授から取り組みと病院で整備している研究・検査機器類の運用等について紹介し、意見交換を行いました。
 その後、本学津島キャンパスに場所を移し、学長室においてJ-PEAKSの取り組みの進捗などについて意見交換を行いました。那須学長からは、「本学が推進するJ-PEAKS事業は、岡山大学ビジョン2050実現に向けた大きな一歩であり、『不易流行』を意識し、いかに研究力強化とイノベーション創出、そして大学改革から、社会変革を起こすことだと考えている。そして、私たち大学が変わらなければいけないという決意のもと、慣例慣習を廃し、変革を進めている。さらに本学だけの枠に捉われず、J-PEAKS採択大学をはじめとして大学群や地域などと密に連携することで、富士山のごとく裾野の広い研究大学群の山脈を作りたい」との思いを説明しました。井上局長からは、「J-PEAKS採択大学が、わが国の研究力強化などの観点から、国際卓越研究大学などとともにALL-JAPANの一翼を担い、エコシステムを構築していただきたい。また本事業を活用し、研究力・イベーション創出強化に加え、これらを支える研究共用設備や技術職員、研究開発マネジメント人材などの環境を整え、自大学にとどまらず、国内外から優秀な研究者らが切磋琢磨の場として集結する場を形成いただきたい」などのコメントがありました。その後、研究マネジメント人材の拡充と高度化や研究機器の学内外の共用化、放射光施設であるナノテラス(NanoTerasu)の運用に関する点、さらには研究インテグリティ及び研究セキュリティの確保などについて、活発な意見交換を行いました。
 学長との意見交換後に本学が進める地域における液体ヘリウム供給拠点構想中四国地域に初導入したクライオ電子顕微鏡など、さらにはJ-PEAKSの取り組みにおいて設置した岡山大学高等先鋭研究院システムにおいて先鋭研究群(研究特区)第1号として認定された「植物・光エネルギー開発拠点」の拠点長を務める本学異分野基礎科学研究所の沈建仁所長・教授らの天然光合成の機構解明の研究現場を見学。研究活動とともにそれを支える技術職員の運用や研究機器類の強化促進などについて、現場での生の声を基にした活発な意見交換を実施。今後のJ-PEAKSの取り組みだけではなく、大学の組織・制度改革や地域との共創活動強化などにつながる貴重な場となりました。
 本学はJ-PEAKSを、大学が大きく変わるチャンスであり、次世代を見据えた新しい学問の府をも構築できる事業期間とも考えています。また「岡山大学だけ」という視野と心の狭いことではなく、わが国として、過去・現在・未来に責任ある研究大学として、新結合を意識した機関連携や研究開発マネジメント人材(URA、事務職員、技術職員等)の高度化、研究機器の共用化などをより一層進め、新たな研究・イノベーション創出から社会を変革していきます。


〇那須保友学長のコメント
 今回は井上局長をはじめ皆さまにご来学いただき、現場の視察と率直な意見交換を重ねられたこと、厚く御礼申し上げます。
 J-PEAKSは研究開発事業ではありません。盛山正仁文部科学大臣の言葉をお借りするならば「戦略的経営」を進める事業であり、これは国立大学法人のあり方自体を変えて行く必要があることを意味していると感じています。今回の井上局長らとの意見交換でも再認識することができました。さらに研究者、技術者、事務職員らがビジョンを共有し、ワクワク・ドキドキできる大学、「岡山大学という研究大学に所属していて良かった」、「この大学なら一緒に社会を変えていける。自分も変わっていける」などと感じられるようにしていきたいと思います。きっと失敗も挫折も沢山あると思います。しかし、諦めることなく、行動し続け、皆さんとともに前へ前へと歩みを進めていきます。どうぞ地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の絶え間ない挑戦にご期待とご声援をよろしくお願いいたします。


<参考>
岡山大学広報「いちょう並木」Vol.105発行 ~地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)採択特別企画 世界に誇れる研究大学の山脈を築く~
第1回 岡山大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)シナジーセッションを開催~わが国の研究大学の山脈を築くためのシナジーの種をまく~
JSPS主催「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)キックオフシンポジウム」に那須学長が登壇~わが国の研究大学の山脈(PEAKS)形成のために、「競争」から「共創」への転換で社会変革を“~
岡山大学高等先鋭研究院に先鋭研究群(研究特区)として「植物・光エネルギー開発拠点」を認定~わが国屈指の国際競争力を有する研究拠点が研究の卓越性と地球と生態系の健康(Planetary Health)を実現へ~


【本件問い合わせ先】
岡山大学研究力・イノベーション創出強化実現会議(担当窓口:研究・イノベーション共創管理統括部 研究協力課)
TEL:086-251-7092
E-mail:innovation◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※@を◎に置き換えています

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