国立大学法人 岡山大学

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IB生の声

 岡山大学にIB入試で入学した学生たちの声を集めました。
 母校でのIB教育の経験や岡山大学に進学した理由、岡山大学での活躍、今後の進路など、IB生たちのホンネを紹介します。
※所属、学年等は掲載当時のものです。

大好きな日本とタイをつなぐ人材になりたい

グローバル・ディスカバリー・プログラム2年 サンセムサップ・アンポンさん
アオさん

―IB校に入るまでの学びの環境
 タイで生まれ、タイで育ちました。幼い頃から日本のポップカルチャーが大好きで、よくアニメを見ては日本語の歌をまねして歌っていたのを覚えています。  小学5年生の頃、1年間シンガポールに留学しました。姉が留学するタイミングで「お姉ちゃんが行くなら私も!」とついていった形です。元々タイではタイ語を使う生活でしたので、英語力がぐんと伸びたのはそのときだと思います。  タイへ戻ってきても相変わらず日本が大好きだった私は、中学校へ入るタイミングで日本への単身留学を決意しました。小学校卒業後1年間、タイの日本語学校で日本語を学び、中高一貫6年制の朝日塾中等教育学校へ入学しました。実は、朝日塾がIB教育を導入したのは私が中学2年生のときでしたので、IBがしたくて朝日塾に入ったというわけではありません。その頃はただただ「大好きな日本に行きたい!」という気持ちでの来日でした。岡山を選んだのは、自然災害が少なく、安心できると思ったからです。

培ったのは最後まで諦めない気持ち

工学部工学科機械システム系機械工学コース3年 砂田凜太郎さん
砂田さん

―IB校に入るまでの学びの環境
 兵庫県で生まれ、岡山県で幼少期を過ごした後、父の仕事の都合で小学校入学前にアメリカ・ノースカロライナ州に渡り、小学校は現地校に通いました。最初の2年ほどは全く英語が話せなかったのですが、不思議とコミュニケーションに苦労したという記憶はありません。どうやって通じ合っていたのかは分かりませんが、友だちと鬼ごっこなどをして、一緒に楽しく遊んでいました。後から知ったことですが、その学校もIB校だったそうで、その頃からIBに進む運命だったのかもしれません。思い返せば、小学校低学年からパソコンでパワーポイントを作成したり、それを使ってプレゼンテーションを行ったりしていました。小学校5年生のときに日本に帰ってきましたが、今度は「あれ、日本語ちょっと忘れてる…?」という事態(笑)。その頃になると、妹とは家でも英語で話すくらいになっていました。ほどなくして日本語にもなれ、中学校は大阪のインターナショナルスクールに通い、友だちと楽しい毎日を過ごしていたのですが、父の仕事の都合で次はドイツへ移住することに。ヨーロッパに住むことは夢のひとつだったので、嬉しかった半面、英語メインの生活になるのが久しぶりでとても不安になりました。ドイツに渡ったのは中3のとき。ここから私のIB人生が本格的に始まります。

英語を強みとして持つ薬剤師を目指して

薬学部薬学科3年 冨田依里さん
冨田さん

―IB校に入るまでの学びの環境
 私の出身校である加藤学園暁秀中学校・高等学校は中高一貫校で、そこに入学する以前は同じく加藤学園の暁秀初等学校という小学校へ通っていました。英語が全く話せない両親が「この子には英語を話せるようになってほしい」と背中を押してくれたのがきっかけですが、小学校は国語以外の授業はすべて英語で行われるという未知の環境。当然戸惑いもありました。分からないだらけの環境にいながらも、小1の終わり頃には英語で質問する仕方を覚えました。自分から先生に質問したのをきっかけに先生と仲良くなることができ、そこから徐々に英語に慣れていったように思います。高学年のときにはすでに英語が好きになっていました。
 IBのプログラムは中学校から始まりますが、小学校の時点ですでに「IBはとても大変で過酷だ」という噂を聞いていました。しかし、行きたくないとは一度も思わなかったです。「必死についていこう」という決意と、「なんとかなる!」という思いを胸に、IBに足を踏み入れました。

今が一生ものになる。自分を強くしてくれた価値のある経験

医学部医学科3年 松岡あさひさん
松岡さん

―IB校に入るまでの学びの環境
 家族の影響もあって、将来的に医療に携わりたいと考えていました。私自身「痛み」というものに興味があり、痛みにアプローチできるのはやはり医学だと思い、医学部を目指しました。中学校は長野県にある全寮制の学校で過ごしました。ホームシックで寂しかったです。比較的オールドファッションな雰囲気の学校で、勉強も寮生活もとても厳しかったです。勉強はまさに詰め込み教育。いわゆる「ガリ勉」で、長時間集中して机に向かう習慣はこの時期に身につきました。また寮生活では礼儀や自己管理をたたき込まれました。
 留学を視野に入れていて、どうせ英語を学ぶなら日本人が少ない環境がいいと考え、あえて海外のIB校を探しました。家族でいくつかIB校の見学に行って、台湾のI-Shou International Schoolを選び、中学卒業後、単身で台湾に渡りました。

時間をフル活用して勉強も部活も趣味も楽しむ!それがバランスを保つ秘訣

歯学部歯学科3年 金子晴姫さん
金子さん

―IB校に入るまでの学びの環境
 小学校5年生の時に沖縄に移住し、小中学校は公立の学校に通っていました。中学生の頃から英語に力を入れていましたが、その時点ではハッキリと将来像が描けていたわけではありません。沖縄では高校卒業後に就職する人も多く、家族から「自分が将来どうなりたいか」を考えるようアドバイスがあり、高校進学を考える時期に差し掛かったときにIB校を薦めてくれました。英語を重点的に学びながら、高校生としての勉強+αの学びができる環境。それが「沖縄尚学」との出会いでした。
 高校は寮生活。グローバル寮といって、インドネシアや中国などからの留学生と一緒に生活した日々はとても楽しく、自分のことは自分でやるということが身についたと思います。
授業は少人数クラスで生徒が主体となって進めるものが多く、先生が出した課題をグループワークで解決していくスタイルでした。この経験により、自分の考えを言語化する力を養うことができたと思います。それは大学生活でもとても役に立っています。
 また、「地域研究部」という部活に所属し、沖縄の歴史・文化、特に沖縄戦について深く調べて、それをもとに、沖縄慰霊の日の6月23日には後輩向けに沖縄戦ツアーを行いました。他にもエイサーを踊ったり、大好きな沖縄に根付いた活動に力を注ぎました。

感謝の気持ちをもって学ぶことの大切さを伝えられる教員になりたい

教育学部学校教育教員養成課程小学校教育コース4年 山部雅帆さん
山部さん

―IB校に入るまでの学びの環境
 父親が幼い頃から英語に触れる環境を整えてくれ、小学校6年生まで大阪にあるインターナショナルスクールに通っていました。主要科目は日本語・英語で行われていたため英語に対する抵抗はなかったものの、やはりそこは小学生。1日中意識して英語を使うことは難しいですよね。インターナショナルスクールとは言え、休み時間などの先生がいないところでは、お友達との会話は当然日本語でした。今思えば、小学校の頃は全然英語力がなかったと思います。
―IB校での学びについて
 中学に入ると、姉が通う「立命館宇治中学・高校」へ進学しました。中高一貫校で、中学生のころはIBコースへの進学のためにみっちり英語を学びました。周りには既に英語力が高い同級生や帰国子女も多くて、「ヤバイ英語って難しい」と壁にぶつかったことでしっかり勉強したので、中学時代の英語の伸び率が人生No.1だと思います。 立命館宇治は、さまざまなイベントやプログラムなどの生徒が自発的に参加したり、体験できる情報のアナウンスが豊富で、選択肢が広がりました。もちろん参加は任意ですが、私も興味があるものには積極的に参加し、英語力やコミュニケーション力を磨いてきました。 その中で、日本・韓国・中国の学生が集うキャンプイベントに参加したことで、韓国語に興味が沸き、「翻訳機なしで話せるようになりたい!」と独学で韓国語の勉強を始めました。その頃から、いつか韓国に留学したいという想いを抱くようになりました。

「得意」を最大限に生かすより、今は「好き」を伸ばしたい!

工学部機械システム系ロボティクス知能システムコース3年 穂迫大輝さん
穂迫さん

―IB校について
 幼い頃から父の仕事の関係で、海外と日本の生活を数年ずつ交互に繰り返してきました。物心ついた頃はアメリカのデトロイトで過ごし、小学2年頃に日本に戻りました。小学6年からはオーストラリアに移りました。
 幼少期に少しずつ身についていた英語も、日本でリセットされてしまい、オーストラリアに移った頃には、頭の中が日本モードに切り替わっていました。そこから英語モードに切り替えるにはやっぱり苦労しました。現地の学校には日本人はほとんどいなかったので、現地の同級生たちが色々話しかけてくれたりするけど、何を言っているのか、なんて返事をしていいのかわからない。でもそんな環境のおかげで英語がしっかり身につきました。
 自分の中で、大学は日本の学校に通いたいという思いがあったので、日本の受験勉強をしなければならないと思い、高校1年の夏に単身帰国。海外生活者に対する理解があり、英語で授業が受けられるので、これまでの経験を生かしながら無理なく学べると思い、立命館宇治高等学校のIBコースへ編入しました。IBコースは同じ学校の中でも他のコースとカリキュラムが全然違って、国際バカロレアディプロマ資格取得ため、部活や学校行事よりもカリキュラム優先で学業に専念しました。

薬学の英語に触れたい!高山さんが目指す進路とは?

薬学部創薬科学科3年 高山祥吾さん
高山さん

―IB校について
 広島県にある中高一貫のIB校AICJ高等学校の出身です。ネイティブの英語教師が多く在籍し、数学・理科の授業も英語で行うなど、英語に触れる環境が整っていました。高校時代に様々な学問に深く関わる機会を得たことは、とても貴重な経験になりました。

―IB校での経験
 英語をツールとして使い、多様な視点で社会変革に取り組めるグローバル人材の育成を目的とした国際競技である「Global Enterprise Challenge(GEC)」では、グループで与えられた議題に対する解決策や具体的なプロダクトを作成したり、経済の動向や世界情勢などを踏まえた実現可能なプロダクトの提案などを行いました。
 また、国連会議を模して、全国の高校生同士で討論する「模擬国連」では、国の代表として、議題に対する自国からの提案を行いました。私はこの大会に出場の他にも、広島模擬国連(HMUN)として、広島県内から学生参加者を集め、模擬国連を運営しました。
 結果的に薬学部へ進むことになりましたが、これまでの固定概念を払拭して様々な分野での学びを経験できたことで視野が広がりました。他では経験できないIB校での生活と学びは「自分探し」の3年間であったと感じています。

香港に住んで18年!寺島さんが岡山大学を選んだ理由とは?

医学部医学科3年 寺島美優さん
寺島さん

―IB校について
 生まれは埼玉県ですが、両親の仕事のため生後2カ月で香港へ。岡大に来るまで18年間香港で過ごしました。通っていたのはイギリス式の教育を実践するEnglish School Foundationというインターナショナルスクールのグループに所属する中高一貫校「Island School(港島中学)」。
 約半分は中国・香港系、約2割は欧米系…と様々な国と地域から集まっていて、多様な考えを持った人々の中で学生生活を過ごしました。

―IB校での経験
 私は小さいころから化学や生物に興味があり、科学番組のサイエンスZEROやインターネットの科学ニュースを読み漁っていました(笑)
 その影響もあって、IB校では化学や生物などを中心に教科を選択しました。卒業研究ともいえるExtended Essayではフラーレンという化学物質が、未だ治療法の確立されていないHIVやアルツハイマー病に与える影響について研究。これも幼少期の学びから着想を得た研究で、ますます科学の面白さに引き込まれていきました。
 そのほか、ボランティア活動にも積極的に取り組みました。売れ残った食品をフードバンクに届けたり、チャリティイベントに参加して集めた募金を孤児院に届けたり…困っている人を助けたいという一心で活動していました。
 このころから「将来は医学部に通って医師になりたい!」と考えるようになりました。

好奇心を持って積極的にチャレンジ!西村さんが目指す医師像とは?

医学部医学科5年 西村晏夕眸さん
西村さん

―IB校について
 高校1年生までアメリカに住んでいましたが、親の仕事の都合で日本に戻ることになったとき、高校選びに悩みました。その時の夢は「医学部に入って医師になること」。もともと生物が好きだったこともありますが、9歳の時に祖父が大きな手術を受けたことがきっかけで医師になりたいと思っていました。その頃は日本とアメリカのどちらの大学に行くか決めていなかったので、どちらにも通用するIB校を選びました。

―IB校での経験
 IB校では勉強以外にもボランティアやスポーツ、芸術活動に取り組む必要があります。ボランティアとしては、アメリカにいた時は盲導犬の育成、日本に戻ってからは災害救助犬のNPOに所属しています。アメリカにいた頃から飼っているラブラドールレトリバーのレイシーはセラピー犬・災害救助犬の資格を持つ我が家の愛犬です(笑)
 IB校での卒業研究では、アニマルセラピーが注意欠如・多動症(ADHD)を持つ方に対してどのような効果があるかを研究しました。自ら論文や書籍を読み込んだ経験は、現在の研究に対する姿勢の基礎となりました。

岡山大学で探求中!帰国子女として感じた社会の違和感とは?

グローバル・ディスカバリー・プログラム3年 長谷元紀さん
長谷さん

―IB校について
 親の仕事の都合でヨーロッパの学校を転々とし、9歳の時に日本へ帰国しました。公立の小中学校に通い、高等専門学校で2年が過ぎたころ、少し焦りを感じたことを覚えています。自分には「ヨーロッパで日本人として育てられた日本人」としてのアイデンティティがあって、帰国してからは普通の日本人になろうと過ごしてきました。すると、どんどん自分の世界が狭まっているような気がしたんです。そこで1年休学して、ドイツへ留学することに決めました。留学先はIB校のインターナショナル・スクール・フランクフルト。最初は1年間のつもりでしたが、授業や学校生活が充実しており、そのまま残って2年半勉学に励みました。

―IB校での経験
 日本で通っていた高専はルールに従って覚えることがメインの授業でしたが、留学してみると、皆で話し合ったり、先生からアドバイスを貰ったりと考えて学ぶことが多かったです。中でも卒業時にはExtended Essayという、自分が興味のある分野で論文を書く必要があり、当時は日本文学に興味があったので、伊藤計劃著の長編SF小説「ハーモニー」を題材に、文献を読み込みました。日本語で書くのも難しいものを英語で書かなければならないので、言語面では苦労しましたね(笑)でも、分からないときはすぐに調べたり、友達に聞いたりして徐々に慣れていきました。

IB校での経験を生かし、新しい環境で挑戦する

大学院環境生命科学研究科 博士前期課程生物生産科学専攻1年 寺岡真緒さん
寺岡さん

―IB校について
 長野県軽井沢市にあるIB校 インターナショナル・スクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK、現:UWC ISAK Japan)を卒業しました。正直、入学時にはIB校の制度を詳しく理解していませんでした(笑)
 ただ、幼少期に両親の仕事の関係で、韓国に暮らしていたことがあり、インターナショナルスクールに通っていたんです。そこでの学校生活が非常に楽しく、インターナショナルスクールに通いたいという気持ちがありました。加えて、ISAKは全寮制で、親元を離れて暮らすことになり、普通の高校とは異なる環境に身を投じてみたいというチャレンジでもありました。

―IB校での経験
 IB校の授業スタイルはどちらかといえば大学に近かったです。自分で選択して、その授業を受けに行く。様々なルーツを持つ先生のもとで学んだので、様々な訛りの英語に触れることができ、最初は戸惑いましたが、自然と英語力が付きました。
 特にTheory of Knowledge(TOK)の授業がお気に入りでした。TOKはIB校に特徴的な、批判的に思考して、「知識」とは何かを探求する授業です。最初の授業の時に、様々な分野(人間関係や音楽、言語、数学、社会)における、「橋とは何か」を考えたのが衝撃的でした(笑)でも、先生や同級生と深く議論した経験は、非常に印象深いですね。

SCRP日本代表選抜大会で優勝、研究に励む

歯学部歯学科4年 棚井 あいりさん
棚井さん

 海外経験が豊富な両親の勧めで、1歳からAoba Japan International School(東京)に通い始めました。また、日本人として日本の文化や習慣も大切にしたいと、インターナショナルスクールが長期休暇の時期は公立の小中学校にも通いました。5歳から始めた「そろばん」は9段で、中学1年から大学進学までの6年間は、現役生ながらアシスト講師として指導も行いました。

 幼稚園から小学5年まではSt. Maur International School (横浜)に通いました。小学6年から高校まで通ったSeisen International School(東京)では、Women's Education Support Committee※1、Volunteer for the Homeless※2、Yearbook Committee※3やSoccer Club(プレイヤー)など12の部活に所属し5つの部活で部長を務め、課外活動にとても積極的に取り組みました。

研究者を目指し、博士後期課程へ進学

大学院自然科学研究科 博士前期課程生物科学専攻2年 関口 学さん
関口さん

 小学校3年生からインターナショナルスクールに通い、高校課程でIBプログラムを受けました。
 岡山大学マッチングプログラムコース(※)に入学しましたが、昔から動物の行動に大変興味があったため、気づいたら理学部生物学科の学生とほぼ同じカリキュラムを受講していました。インターナショナルスクールでは、英語で授業を受けていましたが、大学での日本語での授業が新鮮でした。
 私が入学したときにはIB入試利用者はまだ少なかったのですが、サビナ先生(現IB推進室室長)が、LINEグループを作るなどIB入試利用者の繋がりを築けるような取り組みをしていただけました。私は積極的に参加するタイプではないのですが、変わらず気にかけてくださいますね。

医療面接・現場を英語で再現し、英語能力・医療技術の向上を図る部活動を立ち上げ

医学部医学科4年 瀬谷 海月さん
瀬谷さん

 両親の仕事の関係で、香港で生まれ育ち、高校までインターナショナルスクールに通いました。香港の高校(IB認定校)では、日本人は学年に1人いるかいないかというマイノリティで、様々な国籍の友人と共に学ぶことが出来ました。日本で医療に関して学びたいと考えていたものの、当時IB入試を導入している医学部は多くありませんでした。香港の高校合同の日本語クラスで、サビナ先生(現IB推進室室長)が岡山大学IB入試の紹介を行われたことをきっかけに岡山大学医学部のことを知りました。ただ、香港の高校は5月で卒業のため、4月入学の岡山大学医学部とタイミングが合わず、一旦、9月入学で香港大学の医療系研究学部に入学しました。ただ、岡山大学医学部への思いが断ち切れず、IB入試を利用し、岡山大学医学部へ入学しました。

ネパールに図書館を目標に国際協力学生団体を設立

大学院自然科学研究科 博士前期課程機械システム工学専攻2年 今本 琢さん
今本さん

 広島県のIB課程が選択可能な中高一貫校出身です。IB課程に興味を持ったのは、中学3年生の時にニュージーランドのIB校に留学したことがきっかけです。ものづくりに興味があったため、IB資格を活かし、イギリス、アメリカ、カナダの大学と岡山大学工学部を受験しました。どの大学に進学するか迷いましたが、国内の大学で英語を学び、修士課程、博士課程で海外の大学に行くことも出来ると考え、岡山大学への進学を決めました。

 2015年度から全ての学部でIB入試が行われましたが、私は岡山大学工学部最初のIB入学者でした。初めは戸惑うこともあったのですが、工学部に所属しながら、英語力養成を行うことができるグローバル人材育成コースを受講していたので、さらに自分の英語力を磨くことができました。また、3年生の2学期・夏休みの期間の4ヶ月間、工学部の留学プログラムを利用して、アメリカの大学に研究留学しました。留学先では2年飛び級するような形で、修士課程、博士課程の学生と一緒に研究する機会を得られ、とても良い経験になりました。

生物学の研究を通して、国際社会に貢献したい

大学院自然科学研究科博士前期課程 生物科学専攻1年 塩見 裕希乃さん
塩見さん

 親の仕事の関係で小さい頃から海外生活が長く、ドイツのインターナショナルスクール(IB認定校)に通っていました。IB認定校であることはあまり意識していませんでしたが、大学進学や就職は日本でしたいと思っていたため、IB資格を生かそうと日本でIB入試を行っている大学を探したところ、岡山大学と出会いました。

 IB課程では一般的な高校とはカリキュラムが大幅に異なり、大学の講義に匹敵するようなレポートを何回も課されるなどで苦労もしたことを覚えていますが、その分実力はつきました。当時IB入試を行う大学が少なかった中、岡山大学は積極的にIB入試を行っており、岡山大学はIB生のもつ力を信用してくれているんだと感じたので受験を決めました。また、生物系の学問に興味がありつつも、海外に貢献したいと考えており、そのためには人文科学系の勉強もしておきたい、と悩んでいた自分にとって、いろいろな学部の授業を受けたうえで、自分の専門分野を決められるマッチングプログラムコース(※)の存在も大きかったですね。

IBプログラムの教員として、IB生を導く立場に

教育学部小学校教員養成コース4年 野村 慶太さん
野村さん

 広島県のIB校で学んだ後、進路をじっくりと考えるため、東京で2年間ほど飲食店と小学校の学童指導員として働いて、経営学や教育について学びました。その経験の中で「日本を、多面的な考えをもち、異文化理解のできる国に変えていきたい」という目標を持つようになり、教育に携わりたいと思ったため、教育学部を志望しました。

 僕が受験を考えたころは、国立大学の教育学部でIB入試を行っているのは岡山大学だけで、私立大学を含めてもごくわずかでした。また、岡山大学はIBについて積極的に情報発信していて、IB校での海外の友人もその名前を知っていました。IBの活用・推進に懸ける岡山大学の情熱を感じ、進学を決めました。

頑張っている人を裏から支えたい

文学部人文学科4年 岡田 奏さん
岡田さん

 国内のIB校出身です。IB校で国際社会を学ぶにつれて、かえって自分が日本のことをまだまだよく知らないということを痛感し、大学では日本のことをもっと学びたいと思うようになりました。国内でIB入試を受験できる大学を調べてみて驚いたのは、一部の学部で行っている大学は多数あっても、全学的に取り入れている大学はとても少なかったということ。岡山大学がIB生を歓迎していて、IB校での経験をしっかり評価してくれる大学なのだと心強く感じ、受験を決めました。

 学部での専攻は社会学です。1年のとき、岡山県北で林業体験などを行う「国際インターンシップ」に参加して、県外から移住されて来た方と交流しているうちに、「地域の課題と向き合うのって面白い」と思い、人口減少をはじめとした地域の課題に興味を持ちました。卒業研究では、ある地域と外から関わる人たちが、その地域との関わりを深めていくプロセスをテーマに研究しました。

世界のユース代表として、One Yong WorldやIFMSAで活躍

医学部医学科2年・喜舎場 朝基さん
喜舎場さん

 高校1年まで沖縄で過ごし、2年生から、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)への派遣プログラムに応募。イギリス校でIBのカリキュラムを受講し、世界90カ国から集まった仲間達たちと2年間の寮生活を送りました。UWCでは、シリア人の子から難民キャンプでの生活の話を聞くなど、自分の日常とは全然違う世界のことを身近に感じるきっかけになりました。「英語力を高めたい」「さまざまな国の人のことを知りたい」といった思いからの参加でしたが、この2年間で「紛争地域や発展途上国の人を医療で助けたい」という具体的な目標が定まりました。

 岡山大学医学部には、IB教育の普及に向けた活動や、IB人材の積極的な取り入れを行っていること、国際交流の機会が豊富に用意されていることに魅力に感じて受験しました。岡山大学の医学部は海外のIB校出身者が多く、一口にIB校出身といっても地域や人により全く違う経験や価値観をもっているので、入学してからもとても刺激になりました。

「人と人とを結びつけたい」という夢に向け、ファジアーノと大学生の交流イベントを企画

マッチングプログラムコース4年 児玉 怜さん
児玉さん

 広島で3歳の頃から、高校までの一貫型のインターナショナルスクールに通っており、そこの高校課程でIBプログラムを受けました。岡山大学を受験しようと思ったのは、マッチングプログラムコース(※)の存在です。一つの学問分野にとらわれず幅広い視点をもちたいと思う自分にとって、いろいろな学部の内容を学んだうえで自分の専門分野を決めることができるこのコースはぴったりでした。母校からは岡山大学に進学した人がおらず情報も少なかったのですが、調べていくうちに、グローバル化にも力を入れていると知ってどんどん魅力を感じていきました。家族とあまり遠くに離れたくなかったので、広島に近くて交通の便がいいのも良かったところですね。

 入学後はいろいろな学部の授業を受けた後、元々興味のあった経済学を専門に学んでいます。経済の流れは世の中の動きの根本にあり、社会を知る上でも、自分が希望する生き方を考える上でも、経済を把握することがとても重要だと思ったので。授業の中ではさまざまな企業の社長から話を聞ける機会もあり、将来のビジョンも膨らみました。

英語力を生かして、日本と世界をつなげる人に

医学部医学科6年 住田 まどかさん
住田さん

 岡山大学医学部にIB入試が導入された最初の年に受験しました。IB入試を受けられる日本国内の医学部を探していて、岡山大学に問い合わせた際、とても歓迎してくださったことを覚えています。まだ日本でIB入試を導入している大学が少なかった中、「積極的にIBの良さを広めていきたい」という岡山大学の思いが伝わってきて、受験を決めました。

 親の転勤の関係で中学2年生からシンガポールで暮らしていました。IB認定校に進んだのは、医師を目指しており、日本と世界のどちらでも活躍できるようにという考えからです。IB校のカリキュラムでは、知識を覚えるだけでなく、芸術活動や社会奉仕活動なども必修科目となっており、広い視野を得ることができたと思います。授業の中に、2週間の海外でのボランティア活動を自分たちで全て計画して実施するというものがあり、そこでインドネシアの孤児院を訪れたことが印象的ですね。