IB生の声
岡山大学にIB入試で入学した学生たちの声を集めました。
母校でのIB教育の経験や岡山大学に進学した理由、岡山大学での活躍、今後の進路など、IB生たちのホンネを紹介します。
※所属、学年等は掲載当時のものです。
大好きな日本とタイをつなぐ人材になりたい
グローバル・ディスカバリー・プログラム2年 サンセムサップ・アンポンさん
―IB校に入るまでの学びの環境
タイで生まれ、タイで育ちました。幼い頃から日本のポップカルチャーが大好きで、よくアニメを見ては日本語の歌をまねして歌っていたのを覚えています。
小学5年生の頃、1年間シンガポールに留学しました。姉が留学するタイミングで「お姉ちゃんが行くなら私も!」とついていった形です。元々タイではタイ語を使う生活でしたので、英語力がぐんと伸びたのはそのときだと思います。
タイへ戻ってきても相変わらず日本が大好きだった私は、中学校へ入るタイミングで日本への単身留学を決意しました。小学校卒業後1年間、タイの日本語学校で日本語を学び、中高一貫6年制の朝日塾中等教育学校へ入学しました。実は、朝日塾がIB教育を導入したのは私が中学2年生のときでしたので、IBがしたくて朝日塾に入ったというわけではありません。その頃はただただ「大好きな日本に行きたい!」という気持ちでの来日でした。岡山を選んだのは、自然災害が少なく、安心できると思ったからです。
―IB校での経験
中学生で単身留学と言うと驚かれますが、ホームシックになったのは1~2日だけ。寮生活にもすぐになれました。中学2年生のとき朝日塾にIB教育が導入され、私はその一期生となりました。IBでは、Middle Years Programme (MYP)というプログラムを受けた後、高校生の途中からDiploma Programme (DP)というカリキュラムへ進むかどうかを選べます。同級生の大半が文系もしくは理系を選んだタイミングで、私はDPを選びました。先生が教壇で話す『講義型授業』よりもDPの『ディスカッション型・探求型授業』の方が自分に合っていると考えたためです。学年には30~40人の同級生がいましたが、DPを選んだのは6人だけ。そこからの生活は論文、そして自己管理との闘いでした。DPではとにかくたくさんの論文を書く必要があり、次々に迫ってくる締め切りの中でスケジュール管理をしながら仕上げていかなければなりません。また、CAS活動という必修の課外活動がありますが、こちらは待っていればやるべきことを指示されるというものではなく、自分から行動し、「創造性」「活動」「奉仕」の少なくともいずれか1つに該当する取り組みを行う必要があります。私は地域で無くなってしまった祭りを復活させるため、民間の会社と協力しながら活動を進めました。残念ながら在学中に祭りの復活まではいきませんでしたが、私が卒業した翌年に祭りが復活し、盛り上がりを見せてくれました。私もすでに卒業はしていますが、つながりが続いているおかげで、今年は2年目の開催を手伝うことができました。
―岡山大学に進学した理由
DPの勉強のおかげで色々な分野に興味を持つようになった私は、なかなか大学で勉強したい分野を絞ることができませんでした。そんなときに、学校の先生からグローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP)について教えてもらい、色々な学問の領域を横断しながら勉強できるという点に惹かれました。IB生にはIB入試という入試方法もあるのですが、GDPはIB入試を実施していなかったため、他の学生たちと同じくディスカバリー入試を受験しました。IB入試は無いものの、IBスコアを提出し、これまでの活動も評価してもらいました。
―岡山大学での学生生活
GDPでの学びは、私がIB時代に好きだった科目である「知の理論」(TOK: Theory of Knowledge)の延長線上にあると感じています。講義形式ではなくディスカッションが多いところは、まさにIBの力が生かされています。学生が意見を発信することを大事にしてくれている先生が多いこともGDPの魅力です。また、私はIB時代も多国籍文化の中で学習をしてきましたが、今は当時以上に色んな国の人たちがいて、さまざまな視点からディスカッションできることがとても楽しいです。
大学生になると、IB生だった頃とは少し違った自己管理能力が必要になりました。課題の提出期限に加え、単位の管理、勉強とバイトの両立、支出の管理などです。私は一人で日本に留学してきているので、自分の力でなんとかしなければならないことが多くあります。また、大学生になり、すべての支出をバイトで賄っているので、試行錯誤を繰り返しながら頑張っています。
―将来・進路について
今は色んなことを経験しようと努力していますが、自分がやりたいことはまだはっきりとは見つけられていません。本当にやりたいと思えることを見つけ、打ち込んで、全力でやってみたいという思いが強いです。夢中になってできることを見つけられるように、これからも色んなことに挑戦していきたいです。どのような形でも、大好きな日本と母国のタイを何かの形で繋ぐ人材になれたらいいなと思っています。
-IB生へのメッセージ
IBではレポートや課題など大変なことも多々ありましたが、そこで育んだ力は大学生活でも活用できるものばかりです。私のように色んなことに興味がある人に、GDPはとてもおすすめです。実は私は、DPの模擬試験が被ってしまいオープンキャンパスに参加することができなかったという心残りがあります。GDPに興味がある皆さんは、私の分もぜひ計画的にオープンキャンパスに参加してください(笑)!
(2024.11.15)
培ったのは最後まで諦めない気持ち
工学部工学科機械システム系機械工学コース3年 砂田凜太郎さん
―IB校に入るまでの学びの環境
兵庫県で生まれ、岡山県で幼少期を過ごした後、父の仕事の都合で小学校入学前にアメリカ・ノースカロライナ州に渡り、小学校は現地校に通いました。最初の2年ほどは全く英語が話せなかったのですが、不思議とコミュニケーションに苦労したという記憶はありません。どうやって通じ合っていたのかは分かりませんが、友だちと鬼ごっこなどをして、一緒に楽しく遊んでいました。後から知ったことですが、その学校もIB校だったそうで、その頃からIBに進む運命だったのかもしれません。思い返せば、小学校低学年からパソコンでパワーポイントを作成したり、それを使ってプレゼンテーションを行ったりしていました。小学校5年生のときに日本に帰ってきましたが、今度は「あれ、日本語ちょっと忘れてる…?」という事態(笑)。その頃になると、妹とは家でも英語で話すくらいになっていました。ほどなくして日本語にもなれ、中学校は大阪のインターナショナルスクールに通い、友だちと楽しい毎日を過ごしていたのですが、父の仕事の都合で次はドイツへ移住することに。ヨーロッパに住むことは夢のひとつだったので、嬉しかった半面、英語メインの生活になるのが久しぶりでとても不安になりました。ドイツに渡ったのは中3のとき。ここから私のIB人生が本格的に始まります。
―IB校での経験
ドイツのIB校に通い始め、最初に直面した壁は、英語でした。一度落ちてしまった英語力のせいか、最初はなかなか周りの生徒となじめず、あまり楽しくなかったのを覚えています。しかし、先生にサポートしてもらったり、ランニングクラブに入って活動したりする中で、徐々に仲の良い友だちができていきました。Middle Years Programme(MYP)を終える高2の頃にはすっかり英語力を取り戻したのですが、本当に大変だったのはそこから。Diploma Programme(DP)が始まってからでした。DPは高校2年生の途中から始まりますが、その大変さは日本の大学受験を想像してもらうと近いかもしれません。本当に、地獄のような2年間を過ごしました…(笑)。大量のエッセイを迫ってくる期限内に出さなければならないというだけでも寝る時間が無いくらい大変なのに、さらに追い打ちをかけたのはコロナ禍です。ロックダウンで家から出られない、友だちに会えない、人との接触がないという状況に、かなり参りました。このような状況で培われた力は、間違いなく「忍耐力」だと思います。目の前のことをとにかく最後までやる!と腹をくくったのはこのときです。つらさに耐えるだけでなく、自分が楽しむ気持ちも大事にしようと、例えば数学のエッセイのテーマは「プリングルズの面積を求める」にしました。ポテトチップスのプリングルズです。あれはカーブの具合などが絶妙で、計算式を使って面積を求めるのは意外と難しいんです。計算式で求めた解と、粉々に潰してみて方眼紙のマスに載せてみた面積の解を比べ、それが近かったときは先生と大喜びで盛り上がりました!
―岡山大学に進学した理由
せっかくIB資格をとったので、それを評価してくれる大学に入りたいと思っていました。また、住まいを転々としてきたというバックグラウンドもあり、日本の大学へ行って、腰を据えて日本で生活してみたいと思っていました。岡山大学がIB入試を取り入れていると知ったときは「幼少期に住んでいた岡山だ!」と思いました。求められるIBの点数も、IBの実態をよく分かってもらったうえで設定されたものだと思いましたし、カリキュラム等を調べるうえで、IBを積極的に推している大学だという印象も受けました。ここでなら、入学した後もやっていけると思いました。
―岡山大学での学生生活
高校ではもちろん英語で授業を受けていたので、日本語で授業を受けるのは大変でした。特に専門用語は日本語で言われても分からないものが多かったです。例えば、「三平方の定理」が分からないと、ネットで「三平方の定理 英語」と調べて、「へー、これとこれが一緒なのか」と知る、その連続です。
大学で困ったことがあったときや、相談事があるときに、助けになるのはサビナ先生の存在です。IBのことを深く知ったうえで相談に乗ってもらえるので、安心して相談ができます。
また、岡山大学に入って、念願の「部活」に入りました!アメリカやドイツではクラブがシーズン制で、季節ごとに違うスポーツをしていたので、ひとつのスポーツを極めている人はかっこいいなと憧れがありました。今はラクロス部に入部し、全国大会を目指して日々練習に打ち込んでいます。
―将来・進路について
工学部で学んでいるところではありますが、まだ将来のことは具体的には決めていません。せっかく英語を学んできたので、国内に限らず海外も視野に、英語を使える仕事に就ければと思っています。また、IBで学んだことはこれからもずっと、自分の強みとして生かしていきたいです。
-IB生へのメッセージ
IBは辛いことも多いと思いますが、乗り越えた先に培われる力があると思います。私がIBで学んだのは、どんなに時間がかかってもいい、どんな方法でもいいから、最後まで地道にやり抜くことの大切さです。IBを乗り越えれば、これから先、人生で何があっても乗り越えられると思います!
色んなところに住んできましたが、岡山はいいところですよ!ぜひ岡山大学に!
(2024.10.8)
英語を強みとして持つ薬剤師を目指して
薬学部薬学科3年 冨田依里さん
―IB校に入るまでの学びの環境
私の出身校である加藤学園暁秀中学校・高等学校は中高一貫校で、そこに入学する以前は同じく加藤学園の暁秀初等学校という小学校へ通っていました。英語が全く話せない両親が「この子には英語を話せるようになってほしい」と背中を押してくれたのがきっかけですが、小学校は国語以外の授業はすべて英語で行われるという未知の環境。当然戸惑いもありました。分からないだらけの環境にいながらも、小1の終わり頃には英語で質問する仕方を覚えました。自分から先生に質問したのをきっかけに先生と仲良くなることができ、そこから徐々に英語に慣れていったように思います。高学年のときにはすでに英語が好きになっていました。
IBのプログラムは中学校から始まりますが、小学校の時点ですでに「IBはとても大変で過酷だ」という噂を聞いていました。しかし、行きたくないとは一度も思わなかったです。「必死についていこう」という決意と、「なんとかなる!」という思いを胸に、IBに足を踏み入れました。
―IB校での経験
帰国子女やハーフの学生が大半を占めていたクラスメイトと比べ、海外経験もなく英語力が明らかに劣っていた私は、特にディスカッションの授業などで苦労しました。例えば歴史の授業中、「第一次世界大戦はどの要因が開戦に大きく影響を与えたのか」というテーマでディスカッションを行ったことがあります。自分の意見を英語で文章化するというのはかなりの難易度だったのを覚えていますが、このような経験によって複合的な要因をより理解したり、言語化したりする能力が培われたと思います。英語からの逃げ場は無いと感じていたのも、英語力がぐんと伸びたと実感したのもこのころです。
高校に入ると、CAS活動として地域の小中学生に英語を教えたり、アジア・オセアニア高校生フォーラムに参加し、世界の問題についてプレゼンや意見交換をしたりするようになりました。CAS活動というのは、IB生が必須で行う活動で、C(Creativity:創造性)、A(Activity:活動)、S(Service:奉仕)という3要素で構成されています。文化祭でクラスメイトとバンドを組んだり動画制作を行ったりしたのもCAS活動のひとつです。動画制作では、理系の友達と「タイピングの消費カロリーについてまとめよう!」と決め、企画から制作までを行ったのは良い思い出です。
授業では、例えば化学の授業で「現象を自分の言葉で分かりやすく論述する」ということをやっていました。後になり知ったことですが、一般的に化学現象を語呂で覚えたりする方法があるというのには驚きました。IBで語呂を使用したことはありませんでしたが、現象を自分の言葉で分かりやすく伝える中で、語呂を使わなくても自然と覚えられていたことに気づきました。
―岡山大学に進学した理由
同じIB生だった同級生は、国内に限らずアメリカやカナダ、イギリス、オーストラリア、イタリアなど、国外にも進学していきました。私は高2の秋には薬学部に進みたい希望を固めており、国内の大学でIB入試を行っている大学を探しました。調べていく中で、岡山大学は薬学部でIB入試を行っているのに加え、とてもIBフレンドリーな大学だという印象を受けました。入学説明会でサビナ先生とお話しした際、IBというバックグラウンドを非常によく知っていただいていることが伝わってきて、それが安心材料になり、岡山大学に進学しようと決意しました。
―岡山大学での学生生活
薬学部の授業は日本語で進むため、入学したてのころは高校で学んだ理系科目の知識を全部日本語に変換しないといけなかったのが大変でした。また、特に理系科目はIBで学ぶ内容と一般的な高校生が学ぶ内容が異なっている部分も多く、同級生はすでに高校で学んでいる内容を私だけが知らないという場面もありました。そんなときは、その知識を補うために自力で勉強です。逆に、専門用語を英語で理解しているという強みは、これから論文を読むとき等に生かされると思います。
授業以外では、英語研究部(ESS)で留学生や英語が好きな学生との交流を楽しんでいます。また、アルバイトを頑張ってお金をためて、友人と一緒に来日アーティストのライブに行ったりしています!私の洋楽への知識と熱量はおそらく人並以上です(笑)。大学生になり、金銭的・時間的な余裕ができたことで、さらに洋楽にかける熱量が上がりました。
―将来・進路について
高2のとき、IBの先生が薬局で英語が通じず体調不良の中とても苦労したというエピソードを聞いて、英語をコミュニケーションツールとして使える薬剤師になりたいと思い始めました。3年後は、薬剤師の国家試験に受かって地元の薬局に勤務していたいです。地元には日本語が分からない海外の方も多いので、コミュニケーション能力にたけ、痛みの表現で使われる日本語独自のオノマトペなども、正確に英語で説明できるような薬剤師になりたいと思っています。
-IB生へのメッセージ
私がIB教育を受けていたその当時は、自分が恵まれているという感覚はありませんでした。でも、今ならIBは当たり前の環境ではないということがよく分かります。このメッセージを読んでくれている皆さんには、IBの環境に感謝し、その環境を自分の成長のために最大限生かしてほしいです。IBの大変さは私もよく分かりますが、その環境にいるからこそできることがあります。全力で取り組み、最大限努力した経験は、苦労がちょっと美化されたりもしながら、「IB生、楽しかったな」「懐かしいな」と、良い思い出として残り続けるはずです。頑張ってください。
(2024.9.4)
今が一生ものになる。自分を強くしてくれた価値のある経験
医学部医学科3年 松岡あさひさん
―IB校に入るまでの学びの環境
家族の影響もあって、将来的に医療に携わりたいと考えていました。私自身「痛み」というものに興味があり、痛みにアプローチできるのはやはり医学だと思い、医学部を目指しました。中学校は長野県にある全寮制の学校で過ごしました。ホームシックで寂しかったです。比較的オールドファッションな雰囲気の学校で、勉強も寮生活もとても厳しかったです。勉強はまさに詰め込み教育。いわゆる「ガリ勉」で、長時間集中して机に向かう習慣はこの時期に身につきました。また寮生活では礼儀や自己管理をたたき込まれました。
留学を視野に入れていて、どうせ英語を学ぶなら日本人が少ない環境がいいと考え、あえて海外のIB校を探しました。家族でいくつかIB校の見学に行って、台湾のI-Shou International Schoolを選び、中学卒業後、単身で台湾に渡りました。
―IB校での経験
実際にIB校での生活が始まると、本当に大変!寮がないので、アパートでの1人暮らし。日々の生活、そして山のような宿題に追われ、睡眠時間も十分に取れませんでした。
中学時代からみっちり勉強してきたはずなのに、言っていることもわからない、何にもできないことに愕然としました。そもそも日本の詰め込み教育とは教育スタイルが違い、自分で調べて文章を書いたり、発表することがほとんどで、まったく手も足も出ませんでした。でも課題が出ると「なんとかやりたい!やらなきゃいけない!!」という中学で身につけたガリ勉根性と、もともとの真面目さが出てくる。でも、わからない、できないの繰り返しでした。とにかく人の何倍も時間をかけて、一つ一つ調べながらひたすら課題をこなしていきました。
留学から2カ月程経って、ある重要なエッセイの執筆に向けて、相変わらず猛勉強していました。すると完成した頃に、「あれ?読むのが苦痛じゃない。書くのもいやじゃない。前より時間がかからなくなった!」と気づきました。これまでコツコツやってきたことがいつの間にか力になっていて、あのエッセイが突破口となったんだと思います。自分でもどこからそのエネルギーが沸いてくるのかわからないくらい本当に必死でしたが、誰も助けてくれない環境を強いていたので、やるしかなかったんですよね。
1年目はとにかく忙しくて、自分のことも周りも見えていませんでしたが、ふと自分の環境を客観的に見れるようになった時に、寂しさや満たされない気持ちがこみ上げてきました。ある時、家族と電話をしていて「美味しくて、温かくて、品数がたくさんあって、みんなで『美味しいね』って言いながらご飯が食べたい」とこぼしたことがあります。後で聞いた話では、家族も1人離れた場所で頑張る私のことをとても心配してくれていて、苦しかったそうです。私だけが辛かったわけじゃないんだ、お互い頑張ったんだなと気づきました。
―岡山大学に進学した理由
IB入試で受験できる医学部を探していて、いくつかオープンキャンパスに出向きました。はじめて岡山を訪れたのもオープンキャンパスでした。キャンパスに足を踏み入れた瞬間に、温かさのような心地よさを感じて、直感的に「ここがいいな!」と思いました。医学部の早期見学実習にも興味があり、医療を深く学ぶ前の真っ新な気持ちで実習に取り組める制度に魅力を感じました。
そして、決定的だったのが、偶然会場で話をしたサビナ先生との出会い。IB教育について深い理解があり、IB生の気持ちに共感してくださることが嬉しかったのを覚えています。また、募集要項も他の大学に比べて求められていることが明確で、IB教育を熟知した上での要件に好感が持てました。
―岡山大学での学生生活
IB入試で入学したというと、「特別扱い」というような穿った見方をされることもあります。私自身、IB校出身であることを自慢したいわけではありません。ただ、苦しかった分、努力してきたことはちゃんと認めてもらいたいと思っていました。岡山大学はサビナ先生をはじめ、IBのことをしっかり理解して、努力に見合う評価をしてくれる風土があります。学生同士もIB出身者だけでなく、みんながこれまでの経験を「価値」として認め、自然体でいられる空気感に居心地の良さを感じています。学内には「すごいな」と思えるような人も多く、刺激をもらっています!
現在の医学部での学びは大変ですが、やらなきゃいけないこととして頑張っています。自分自身の追い込み方やギアの上げ方はうまく調節できるようになりました。臨床がはじまると、医療に関わるいろんな職種の方と接する機会があり、さまざまな医療への関わり方を知ることができるので、新しい発見が多くてとても楽しいです。
―将来・進路について
エネルギーがあるうちにいろんなことをやってみたいです。医学部で基礎をしっかり学んだ上で、いろんなアプローチの仕方で医療に関わりたい。医療を外から見ることにも興味があるし、研究のマインドも忘れたくない。今は、「これをやりたい」と定まっていない分、可能性を限定せず、いろんなキャリアを持つ人の話を聞きたいです。その上で自分の感性と照らし合わせて何を選ぶかを決めていきたいと思っています。人の話はすんなり飲み込める性格なので、たくさん吸収して、自分の引き出しを増やしたい。その一つ一つを繋げて自分らしいキャリアを作って行きたいと思っています。
-IB生へのメッセージ
やったことが100%以上の力になるのがIBの学びです。私は一生のうちにあんなに大変な時間は二度とないだろうと思うほど辛かった!でもそれを乗り越えた今、IB校で過ごした時間を「宝物」のように思えています。皆さんの「今」は一生ものの価値ある時間です!
(2024.3.18)
時間をフル活用して勉強も部活も趣味も楽しむ!それがバランスを保つ秘訣
歯学部歯学科3年 金子晴姫さん
―IB校に入るまでの学びの環境
小学校5年生の時に沖縄に移住し、小中学校は公立の学校に通っていました。中学生の頃から英語に力を入れていましたが、その時点ではハッキリと将来像が描けていたわけではありません。沖縄では高校卒業後に就職する人も多く、家族から「自分が将来どうなりたいか」を考えるようアドバイスがあり、高校進学を考える時期に差し掛かったときにIB校を薦めてくれました。英語を重点的に学びながら、高校生としての勉強+αの学びができる環境。それが「沖縄尚学」との出会いでした。
高校は寮生活。グローバル寮といって、インドネシアや中国などからの留学生と一緒に生活した日々はとても楽しく、自分のことは自分でやるということが身についたと思います。
授業は少人数クラスで生徒が主体となって進めるものが多く、先生が出した課題をグループワークで解決していくスタイルでした。この経験により、自分の考えを言語化する力を養うことができたと思います。それは大学生活でもとても役に立っています。
また、「地域研究部」という部活に所属し、沖縄の歴史・文化、特に沖縄戦について深く調べて、それをもとに、沖縄慰霊の日の6月23日には後輩向けに沖縄戦ツアーを行いました。他にもエイサーを踊ったり、大好きな沖縄に根付いた活動に力を注ぎました。
―岡山大学に進学した理由
私が歯科医師を目指したのは、沖縄で通っていた歯科医との出会いがきっかけです。本土に医院を持ちながら、沖縄に診療に来てくれていました。そんな働き方もあるんだなと思ったことが興味を持ったきっかけです。
沖縄尚学では、岡山大学はとてもポピュラーで、受験する人はとても多かったです。私が岡山大学を選んだ一番の理由は、岡山という土地の魅力です。オープンキャンパスで訪れた際、利便性の良さ、穏やかな気候、自然災害の少なさ、大学の立地など、6年間過ごす場所としてとても良い環境だと感じました。
もう一つ大きな理由がカリキュラムです。1~2年生で一般教養科目を履修する点や50分授業など、詰め込み過ぎない感じが私の性格に合っていると感じました。沖縄尚学の先輩がいることも大きな安心材料でした。
―岡山大学での学び
歯学部は忙しいというイメージがあると思いますが、1~2年生の間は基礎な学びや一般教養など、思ったより余裕をもって学べました。病院見学や介護施設での実習では、現場でしか感じ取れない学びがあるので、施設の利用者さんとのふれあいを楽しみながら取り組めました。4学期になったら解剖もあるので、今からちょっとドキドキしています。
また、歯学部の短期海外留学制度(ODAPUS)を利用して、約1カ月間カナダのトロント大学に行きました。英語圏で多国籍、歯科の研究が盛んな所。それがトロント大学を選んだ理由です。歯科診療において日本とは制度が全く違うため、知らないことがたくさんありましたが、良い刺激になり視野が広がりました。ちなみに、今日着ている服はトロント大学で買ったものです(笑)
―学生生活で打ち込んでいること
空いた時間は部活動やアルバイト、趣味でフルに学生生活を楽しんでいます!部活動は、歯学部準硬式野球部のマネージャー。自分がプレーヤーになるより、頑張っている人をサポートする方が好きです。コロナ禍で活動ができなかった時期もありますが、今は週3回活動しています。部活動では縦の繋がりもできるので、大学生活を送る上でとても心強いです。
また、アルバイトは3つ掛け持ちしていて、曜日や時間で分けてコンビニやレストラン、歯科助手をしています。接客が多いので、マナー、話し方、責任感が身につきます。それぞれの場所でそれぞれの出会いや学びがあるし、いろんなことをやることで気分転換にもなるのでバランスがとれています。
もう一つ熱中しているのが趣味の旅行とライブです。ライブハウスやフェスに行くのが大好きです。勉強やアルバイトを頑張れるのは、旅行や大好きなライブに行くためでもあります。その時間のために、目の前のことを頑張れている感じです!
―将来・進路について
もちろん歯科医師になることが一番近い目標ですが、専門医とか一般診療とか具体的には決めていません。矯正や発語などの研究にも興味がありますが、今後臨床を経て、じっくり自分に合う道を決めたいと思います。どの道に進むにしても、IB校で学んだLearner Profile*に当てはまる人になりたいです。そんな人間性を持ち合わせた歯科医師になりたいと思っています。ありがたいことに私の周りの人はみんな温かくていい人ばかりで、大学生活の中で出会う人、経験していることのすべてが私という人間を創る材料になっているのだと思います。
*Learner Profile :IB生にどのような人物になって欲しいか、という理想の人物像を言語化したもの。「探求する人」「知識のある人」など10個の項目がある。
-IB生へのメッセージ
「岡山」という地域自体が魅力的です。環境も良く、人も温かい。大学生活を過ごす場所としてオススメです。
IB校で学んだことは、大学生活の中で役立つことが多く、今の私を助けてくれています。自分の考えを言葉にすること、PCスキル、文献の扱い方など、IBならではの学びをしっかり身につけておけば、自信を持って大学生活を過ごせると思います。
(2024.3.7)
感謝の気持ちをもって学ぶことの大切さを伝えられる教員になりたい
教育学部学校教育教員養成課程小学校教育コース4年 山部雅帆さん
―IB校に入るまでの学びの環境
父親が幼い頃から英語に触れる環境を整えてくれ、小学校6年生まで大阪にあるインターナショナルスクールに通っていました。主要科目は日本語・英語で行われていたため英語に対する抵抗はなかったものの、やはりそこは小学生。1日中意識して英語を使うことは難しいですよね。インターナショナルスクールとは言え、休み時間などの先生がいないところでは、お友達との会話は当然日本語でした。今思えば、小学校の頃は全然英語力がなかったと思います。
―IB校での学びについて
中学に入ると、姉が通う「立命館宇治中学・高校」へ進学しました。中高一貫校で、中学生のころはIBコースへの進学のためにみっちり英語を学びました。周りには既に英語力が高い同級生や帰国子女も多くて、「ヤバイ英語って難しい」と壁にぶつかったことでしっかり勉強したので、中学時代の英語の伸び率が人生No.1だと思います。
立命館宇治は、さまざまなイベントやプログラムなどの生徒が自発的に参加したり、体験できる情報のアナウンスが豊富で、選択肢が広がりました。もちろん参加は任意ですが、私も興味があるものには積極的に参加し、英語力やコミュニケーション力を磨いてきました。
その中で、日本・韓国・中国の学生が集うキャンプイベントに参加したことで、韓国語に興味が沸き、「翻訳機なしで話せるようになりたい!」と独学で韓国語の勉強を始めました。その頃から、いつか韓国に留学したいという想いを抱くようになりました。
―岡山大学に進学した理由
立命館宇治高校では、さまざまな大学が直接高校へ来校し、説明を聞くことができます。岡山大学の先生が来校した際に、友人から「岡山大学来てるよ!」と声掛けがあって初めて岡山大学を意識しました。岡山大学に進学しようと決心したのは、「留学プログラム」があること。また、サビナ先生をはじめ、IB生へのサポートが充実していたことも心強かったです。父が岡山出身で土地に馴染みがある安心感もあり、家族も賛成してくれました。中学時代から教員になりたいという思いがあり、教育学部を選択しました。
―岡山大学での学び
岡山大学を受験するまでは、幼稚園教諭になることを目指していましたが、IB入試で受験には幼児教育は含まれていなかったため、小学校教員を目指すことにしました。これまで磨いた英語教育を選択肢することも考えましたが、国語教育を選択。驚かれることも多いですが、インターナショナルスクールから中学、高校と英語を中心に学んできた分、母国語である国語もしっかり勉強しなきゃいけないなと思いました。そこで、大学に入ってあらためて国語を学び直すことになりました。IB校での古文や漢文は、一般的な高校に比べて分量が少なくあまり深く学ばなかったことに加え、文法などや単語の暗記などではなく、文学を分析するような学び方。その分、卒論を書く際は、文章の組み立て方や、参考文献の使い方などのノウハウが身についていたので助けられました。最初はとにかく暗記するなどの勉強方法に苦戦することもありましたが、新しいことも楽しみながら学びました。
また、留学プログラムであるEPOK を利用して、念願の韓国留学を果たしました。コロナ禍の影響もあり、当初希望していた通りのスケジュールではなかったものの、欧米からの留学生たちとともに韓国語を学ぶことができました。今回は交換留学(EPOK)を利用して留学したので協定校が限られていましたが、行けたことに満足しています。これからも韓国語の勉強も続けていきたいと思っています。
―学生生活で打ち込んだこと
大学に入ってから、空手部に入部しました。見た目からはあまり想像できないと言われますが・・・。選手としての活動もしながら、部内で主務の担当になり、大会へのエントリーやホテルや交通機関の手配など、様々な裏方を経験しました。もともとシャイな性格なので、調整業務などは戸惑うこともありましたが、主務を経験したことで、社会に出ても役に立つ経験をさせてもらったと思っています。幼いころから、インターナショナルスクールやIB校で過ごしてきた私にとって、大学で他の学生と同じように部活動に参加できることは、ある意味新鮮であり、普通の学生生活を送れることはとても楽しかったです。
―将来・進路について
卒業後は教員になって、子どもたちが「考える」授業ができるような先生になりたいと思います。ただ知識を教えるだけでなく、答えにたどり着くまでの考え方や論理的な組み立て方など、私自身がIB校で学んだ手法を取り入れながら、生徒に共感できる教員になりたいと考えています。また、ご縁があってIB校での勤務が決まったので、春からの教員生活がとても楽しみです。
今、大学4年生になって、私のこれまでの学びの環境は、とても恵まれていたとあらためて親に感謝しています。やりたいと思うこと、学びたいと希望することに、惜しまず協力してくれました。そういう気持ちも持ちながら「学び」を大切にできる教員を目指します。
(2024.2.2)
「得意」を最大限に生かすより、今は「好き」を伸ばしたい!
工学部機械システム系ロボティクス知能システムコース3年 穂迫大輝さん
―IB校について
幼い頃から父の仕事の関係で、海外と日本の生活を数年ずつ交互に繰り返してきました。物心ついた頃はアメリカのデトロイトで過ごし、小学2年頃に日本に戻りました。小学6年からはオーストラリアに移りました。
幼少期に少しずつ身についていた英語も、日本でリセットされてしまい、オーストラリアに移った頃には、頭の中が日本モードに切り替わっていました。そこから英語モードに切り替えるにはやっぱり苦労しました。現地の学校には日本人はほとんどいなかったので、現地の同級生たちが色々話しかけてくれたりするけど、何を言っているのか、なんて返事をしていいのかわからない。でもそんな環境のおかげで英語がしっかり身につきました。
自分の中で、大学は日本の学校に通いたいという思いがあったので、日本の受験勉強をしなければならないと思い、高校1年の夏に単身帰国。海外生活者に対する理解があり、英語で授業が受けられるので、これまでの経験を生かしながら無理なく学べると思い、立命館宇治高等学校のIBコースへ編入しました。IBコースは同じ学校の中でも他のコースとカリキュラムが全然違って、国際バカロレアディプロマ資格取得ため、部活や学校行事よりもカリキュラム優先で学業に専念しました。
―岡山大学を選んだ理由
岡山大学に興味を持ったきっかけは、高校2年生の時です。関西で開催されていたオープンキャンパスのイベントに岡山大学のブースがあって、そこでIB入試推進室室長のサビナ先生と出会えたことです。
IB生のことを深く理解し共感してくれること、そしてIB生同士の繋がりを保ってくれる
ことが大きな安心感に繋がり、魅力を感じました。それまで岡山大学のことをよく知らなかったので、大学のホームページを見て受験してみようと思いました。国際交流などが盛んな大学であることはわかっていましたが、あえてそちらの分野は選びませんでした。今できること(英語・海外経験)を武器とするより、好きなこと、楽しいと思えること(理系)に対する探究心を優先しました。それを追究しながら、得意な英語を生かして将来の可能性を広げていきたいと思いました。
―岡山大学での学び
大学では、工学部で学んでいます。工学部を選んだ理由は、理系の勉強が好きだったから。実は小さい頃から「勉強」自体が苦手だったんです。日本と海外とでは教え方も学ぶ内容も全然違って、私のように途中で学習環境が変わると言葉から覚えないといけなくて大変でした。でも数学は、数字や数式自体が世界共通の言語のようなものなので、問題を解くのが楽しかったです。日本では、問題を解くこと(答え)が重要ですが、海外ではどうやって答えを導いたかを文章で説明しなければならない。よりロジカルな思考が求められるんです。それが今とても役に立っています。今はロボティクスの授業が楽しいです。また、英語のスキルを落とさない為に上級英語の授業を受けています。工学部の講義の中でも、海外経験豊かな先生もいるので、専門用語を英語で板書してくださったのは、とても助かりました。
―学生生活
勉強以外では、テニスサークルで活動しています。私のように、日本と海外とで引っ越しを何度も経験していると、「またね」は「もう会えない」に等しい。小学生で国を越えて交流なんてやっぱり難しいので、長くつきあえる友だちって憧れます。だから、入学したときにサークルの勧誘とか新歓とかすごく新鮮で、歓迎されている感じが嬉しかったのを覚えています。友だちがたくさんできて、ここで出会えた仲間とこの先も繋がっていくのかなって思うと嬉しいです。
―今後の進路
大学院への進学が最有力。大学院在学中に留学して、海外の工学の勉強をしたいです。
今年は、インターンシップにも参加するので、良い出会いがあればチャンスを逃さないようにしたいですね。ゆくゆくは日本の企業に就職して、そこから海外に出たいです。自動車や産業用ロボットの生産が盛んな地に行って、海外の良いところを持ち帰り、また日本の技術の良さを広めたいです。海外、日本どちらの生活も経験して、あらためて日本の良さに気づいたので、「日本人」として日本の良さを広めたい気持ちが強くなりした。そのために、残りの大学生活を有意義に過ごしたいです。
(2023.8.23)
薬学の英語に触れたい!高山さんが目指す進路とは?
薬学部創薬科学科3年 高山祥吾さん
―IB校について
広島県にある中高一貫のIB校AICJ高等学校の出身です。ネイティブの英語教師が多く在籍し、数学・理科の授業も英語で行うなど、英語に触れる環境が整っていました。高校時代に様々な学問に深く関わる機会を得たことは、とても貴重な経験になりました。
―IB校での経験
英語をツールとして使い、多様な視点で社会変革に取り組めるグローバル人材の育成を目的とした国際競技である「Global Enterprise Challenge(GEC)」では、グループで与えられた議題に対する解決策や具体的なプロダクトを作成したり、経済の動向や世界情勢などを踏まえた実現可能なプロダクトの提案などを行いました。
また、国連会議を模して、全国の高校生同士で討論する「模擬国連」では、国の代表として、議題に対する自国からの提案を行いました。私はこの大会に出場の他にも、広島模擬国連(HMUN)として、広島県内から学生参加者を集め、模擬国連を運営しました。
結果的に薬学部へ進むことになりましたが、これまでの固定概念を払拭して様々な分野での学びを経験できたことで視野が広がりました。他では経験できないIB校での生活と学びは「自分探し」の3年間であったと感じています。
―岡山大学を選んだ理由
AICJ高等学校の卒業生に、岡山大学に進学した先輩がいます。その先輩からの声かけもあり、岡山大学に興味を持ちました。先輩は、学業とは別に海外も含めて様々な活動をしているので、岡山大学は個人の活動にも寛容で協力的な大学であるという印象を抱いていました。実際に受験を控え、岡山大学について調べてみると、これほどIB校生を多く受け入れている大学は他にないことがわかりました。IB校での経験がさらに広がっていくような期待感が高まり、岡山大学で学びたいと思いました。
―岡山大学での学び
両親が薬剤師ということもあり、薬学部を選択しました。
私たちの学年が岡山大学薬学部で初のIB校生だったので、先輩からの情報があまりなく少し不安でした。率直に言うと、高校の時と比較すると英語に触れる機会が圧倒的に減ってしまったのが現状です。薬学部で学びながら英語力を高められる授業もあるのですが、きちんと調べられていなくて履修することができず、ひとつチャンスを逃してしまい、少し後悔しています…。事前にしっかりと調べて、情報を取りこぼさないように自分でチャンスを掴まなければならないですね。せっかくIB校生として入学したので、残りの大学生活で巻き返せるように行動したいと思います!
もし、岡山大学を目指すIB校生に助言できるとすれば、IB校出身だからといって、特別な道がお膳立てされているわけでない。自分で動いて自分のステージを作っていかなければならないことを伝えたいです。今後の目標としては、短期でも良いので在学中に留学したいと思っています。語学留学ではなく、薬学を学ぶために留学したい。薬学の英語に触れてみたいです。
―今後の進路
卒業後は、大学院への進学を希望しています。両親は薬剤師ですが、私は薬の研究の道に進みたいと思って創薬科学科に入りました。私自身がすこし緊張しやすい性格なので、気持ちの部分に作用するような薬の研究ができたらいいなと思っています。海外の大学院に進学することも考えましたが「一度国内の大学院でしっかりと薬学の知識を身につけて、ひとりの研究者として独立したうえで海外へ行くのがいいのではないか」と薬学部の先生からアドバイスをいただきました。だから今は岡山大学の大学院で学び、研究者として自信を持って海外に出られるように学び続けたいと考えています。
(2023.8.9)
香港に住んで18年!寺島さんが岡山大学を選んだ理由とは?
医学部医学科3年 寺島美優さん
―IB校について
生まれは埼玉県ですが、両親の仕事のため生後2カ月で香港へ。岡大に来るまで18年間香港で過ごしました。通っていたのはイギリス式の教育を実践するEnglish School Foundationというインターナショナルスクールのグループに所属する中高一貫校「Island School(港島中学)」。
約半分は中国・香港系、約2割は欧米系…と様々な国と地域から集まっていて、多様な考えを持った人々の中で学生生活を過ごしました。
―IB校での経験
私は小さいころから化学や生物に興味があり、科学番組のサイエンスZEROやインターネットの科学ニュースを読み漁っていました(笑)
その影響もあって、IB校では化学や生物などを中心に教科を選択しました。卒業研究ともいえるExtended Essayではフラーレンという化学物質が、未だ治療法の確立されていないHIVやアルツハイマー病に与える影響について研究。これも幼少期の学びから着想を得た研究で、ますます科学の面白さに引き込まれていきました。
そのほか、ボランティア活動にも積極的に取り組みました。売れ残った食品をフードバンクに届けたり、チャリティイベントに参加して集めた募金を孤児院に届けたり…困っている人を助けたいという一心で活動していました。
このころから「将来は医学部に通って医師になりたい!」と考えるようになりました。
―岡山大学を選んだ理由
なんといってもIB生の支援に積極的だったことに尽きます!日本には生まれてから2カ月しか住んだことが無く、しかも日本語で化学や生物の授業も受けたことも無く…日本の大学に通うのが正直不安でした。でも、岡山大学にはIB入試や不安や悩みなどをアドバイスやサポートしてくれる制度があり、さらにIB校出身の先輩が多く在籍していて、「この大学だ!」と思って選びました(笑)
―岡山大学での学び
入学して最初に思ったことは「自分が望めば、なんでも挑戦させてくれる大学」だということです。実はこの10月から3カ月間、アメリカ・ボストンのハーバード公衆衛生大学院に医学研究インターンシップ(MRI) で留学していました。留学先では若年性肥満に起因するガンの国ごとの傾向をコンピュータで解析する研究を行いました。この研究は帰国してからも続けたいなと思えるほど楽しく、非常に充実した3カ月でした!
また、国際会議や国連平和大学との協定調停式では学生代表としてスピーチしたり、2021年度の統合報告フォーラムにパネリストとして参加したり、教員・職員・学生が一体となって岡山大学を考える未来懇談会(ミライコン)に参加したり…と学生が活躍できる場が多くあり、刺激的な学生生活を送ることができています!
―学生生活
大学1年のときから漕艇部に所属しています。実は16歳の時に家族旅行でアメリカを訪れたことがあり、その時にボストンを流れるチャールズ川でボートの練習に励むハーバード大学やイェール大学の学生を見て、「かっこいい!」と思って入部したんです。今では、朝5時台から2時間ほど練習して、8時には大学で講義を受けるという超ハードな日々を送ることもあります(笑)でも、練習の成果もあって、今年5月に琵琶湖で行われたボート競技の大会「朝日レガッタ」では一般女子の部で3位となることができました!
私は4人が漕ぎ、1人が舵手となるクォドルプルという競技で出場しましたが、4人の漕ぎがピタッと合うとスピードが増し、見た目にも大変美しいんですよ!
―今後の進路
MRIで訪れたハーバードで印象に残ったのは、本当にいろんなキャリアがあるんだということ。これまでは日本で研修医として医者の道を進もうと思っていましたが、今ではIB校と岡山大学で培った国際性や積極性を生かして、海外で活躍する研究医や臨床医として働いてみたいと思っています。
これからも自分の可能性を広げられるよう、積極的に色々なことにチャレンジしていきたいです。
(2022.12.21)
好奇心を持って積極的にチャレンジ!西村さんが目指す医師像とは?
医学部医学科5年 西村晏夕眸さん
―IB校について
高校1年生までアメリカに住んでいましたが、親の仕事の都合で日本に戻ることになったとき、高校選びに悩みました。その時の夢は「医学部に入って医師になること」。もともと生物が好きだったこともありますが、9歳の時に祖父が大きな手術を受けたことがきっかけで医師になりたいと思っていました。その頃は日本とアメリカのどちらの大学に行くか決めていなかったので、どちらにも通用するIB校を選びました。
―IB校での経験
IB校では勉強以外にもボランティアやスポーツ、芸術活動に取り組む必要があります。ボランティアとしては、アメリカにいた時は盲導犬の育成、日本に戻ってからは災害救助犬のNPOに所属しています。アメリカにいた頃から飼っているラブラドールレトリバーのレイシーはセラピー犬・災害救助犬の資格を持つ我が家の愛犬です(笑)
IB校での卒業研究では、アニマルセラピーが注意欠如・多動症(ADHD)を持つ方に対してどのような効果があるかを研究しました。自ら論文や書籍を読み込んだ経験は、現在の研究に対する姿勢の基礎となりました。
―岡山大学を選んだ理由
岡山大学にIB入試があったことが大きかったです。特に岡山大学医学部には海外で研究ができる医学研究インターンシップ(MRI) の制度があり、進学先を日本とアメリカで迷っていた私にとっては、日本にいながら国際的なチャレンジができることが大切なポイントでした。
―岡山大学での学び
学部1年生の時から研究活動をしたいと思っており、大守伊織教授と大内田守准教授のもとで研究に関してご指導いただきました。早いうちからマウスやラットに触れながら研究をすることができたのは貴重な経験でした。現在は学部5年生なので病院実習が忙しいですが、月に数回は研究室に足を運んで、読んできた論文を紹介するJournal Clubに参加しています。
―学生生活
学部1年生の時から北アルプスの山岳地帯で医療活動を行う岡山大学の部活動「三俣診療班 」に参加しています。北アルプス奥地にある標高2545mの三俣診療所で、診療所が開く7~8月に医師・看護師の診療の補助、安全登山講習会などをボランティアで行います。
そのほか、災害医療について学ぶ日本災害医学会学生部会に参加するなど、元々興味のあった災害医療に積極的に取り組んできました。また、介助犬・災害救助犬団体のボランティアをしたりと、海外の同様の団体との通訳や広報文の英訳など、英語力を生かすこともできました。
―今後の進路
今後は学部6年生で医師国家試験を受ける予定です。
卒業後は国内の病院で初期研修医として働きつつ、大学の時に参加していた三俣診療班に今度は医師として参加したいと思っています。現在の研究を通じて脳神経についても興味があるので、岡山大学病院に戻って、臨床と研究をつなげる活動にも取り組んでみたいと考えています。また、将来的には渡米やIB校での経験を生かして、海外での医療支援にも貢献してみたいです。
(2022.8.24)
岡山大学で探求中!帰国子女として感じた社会の違和感とは?
グローバル・ディスカバリー・プログラム3年 長谷元紀さん
―IB校について
親の仕事の都合でヨーロッパの学校を転々とし、9歳の時に日本へ帰国しました。公立の小中学校に通い、高等専門学校で2年が過ぎたころ、少し焦りを感じたことを覚えています。自分には「ヨーロッパで日本人として育てられた日本人」としてのアイデンティティがあって、帰国してからは普通の日本人になろうと過ごしてきました。すると、どんどん自分の世界が狭まっているような気がしたんです。そこで1年休学して、ドイツへ留学することに決めました。留学先はIB校のインターナショナル・スクール・フランクフルト。最初は1年間のつもりでしたが、授業や学校生活が充実しており、そのまま残って2年半勉学に励みました。
―IB校での経験
日本で通っていた高専はルールに従って覚えることがメインの授業でしたが、留学してみると、皆で話し合ったり、先生からアドバイスを貰ったりと考えて学ぶことが多かったです。中でも卒業時にはExtended Essayという、自分が興味のある分野で論文を書く必要があり、当時は日本文学に興味があったので、伊藤計劃著の長編SF小説「ハーモニー」を題材に、文献を読み込みました。日本語で書くのも難しいものを英語で書かなければならないので、言語面では苦労しましたね(笑)でも、分からないときはすぐに調べたり、友達に聞いたりして徐々に慣れていきました。
―岡山大学を選んだ理由
せっかくIB校を出たのだから、評価してくれる大学を選ぼうと考えていました。調べてみると、IB校とそのほかの学校を同じように扱っている大学が多い中、IB生として頑張った卒業論文やボランティア活動をしっかり評価してくれると感じたのが岡山大学でした。
当時は高専で学んだ情報工学や電子工学と、現在学んでいる文化人類学の両方に興味があり、文理どちらも学べるグローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP) を選びました。実際に入学してどちらも学んでみて、今はより面白かった文化人類学にどっぷり浸かっている感じです(笑)
―岡山大学での学び
GDPの上杉准教授の研究室に所属して文化人類学の研究をしています。広島県の大久野島を対象地域として、文献調査やフィールドワークを行っています。大久野島には最初は観光に訪れたのですが、ウサギが多く生息する「ウサギの島」として観光客に人気がある反面、第二次世界大戦中は旧日本軍のガス工場としての暗い歴史を有しており、そのギャップに引っかかったのが研究を始めたきっかけでした。
実はそのような社会の有するギャップに興味が湧くようになったのは、9歳で日本に帰国したときのこと。「わくわく」という日本語をヨーロッパでは「楽しい時に使う言葉だよ」と教わったのに、日本に帰ってきて使ったら、友達に「使い方が違うよ!」と言われてびっくりしたんです。聞いてみると「わくわく」は楽しいことがこれから起こりそうな時に使う言葉でした。その時に感じた社会とのズレに対する興味が、そのまま今の研究に繋がっているんだと思います。
―学生生活
GDPの学生誌Polyphony の作成に携わっています。編集部として、学生の論文や旅日記、詩、短編小説を集めて編集することはもちろん、小説を読んでの考察やオンラインゲームの効果についての論説など寄稿しています。この春には東京大学の学生誌Komaba Timesの編集部と「日本の大学で英語の学生誌を発刊することの意義」について対談し、Komaba Timesに記事として掲載しました。 Polyphonyは今年9月ごろに発刊する予定なので、皆さんにもぜひ読んでいただきたいです!
―今後の進路
大学院に進学し、文化人類学の研究をより深めたいと考えています。その先の進路についてはまだ考え中ですが、自分が異なる文化の国々を転々として感じたズレや違和感を通して、人々が少しでも住みやすくなる社会を作っていきたいと思っています。そのためにも今は岡山大学でしっかりと学んで、そういった社会を実現できる知識や能力を身につけ、広い視野を持ちたいと思います。
(2022.7.29)
IB校での経験を生かし、新しい環境で挑戦する
大学院環境生命科学研究科 博士前期課程生物生産科学専攻1年 寺岡真緒さん
―IB校について
長野県軽井沢市にあるIB校 インターナショナル・スクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK、現:UWC ISAK Japan)を卒業しました。正直、入学時にはIB校の制度を詳しく理解していませんでした(笑)
ただ、幼少期に両親の仕事の関係で、韓国に暮らしていたことがあり、インターナショナルスクールに通っていたんです。そこでの学校生活が非常に楽しく、インターナショナルスクールに通いたいという気持ちがありました。加えて、ISAKは全寮制で、親元を離れて暮らすことになり、普通の高校とは異なる環境に身を投じてみたいというチャレンジでもありました。
―IB校での経験
IB校の授業スタイルはどちらかといえば大学に近かったです。自分で選択して、その授業を受けに行く。様々なルーツを持つ先生のもとで学んだので、様々な訛りの英語に触れることができ、最初は戸惑いましたが、自然と英語力が付きました。
特にTheory of Knowledge(TOK)の授業がお気に入りでした。TOKはIB校に特徴的な、批判的に思考して、「知識」とは何かを探求する授業です。最初の授業の時に、様々な分野(人間関係や音楽、言語、数学、社会)における、「橋とは何か」を考えたのが衝撃的でした(笑)でも、先生や同級生と深く議論した経験は、非常に印象深いですね。
―岡山大学を選んだ理由
グローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP) があったのが大きな理由です。
IB校では文理選択等もなかったので、入学してから進路を決められるGDPが私にはピッタリでした。このような制度のある大学って、他にあまり無いと思います。
私はIB入試ではなく、GDP国際入試を利用しましたが、IB校の内申点を考慮してくれたのも嬉しいポイントでしたね。
―GDPでの学び
GDPでは1年生から教養科目を学び、2年生から「ディスカバリー専修トラック(DT)」と「学部・学科横断型マッチング・トラック(MT)」から進路を選ぶこととなります。私はもともと生物が好きで、1年生の時に様々な授業を履修してみて、MTを選択し、農学部で食品機能学を専攻することに決めました。現在は大学院に進学して、栄養(脂質)の作用について、マウスを使って研究しています。
英語の論文を読んだり、卒業研究を英語で発表したりする機会がありましたが、IB校での経験が生きたと思います。
―学生生活
留学生支援のボランティア活動をしていました。初めて日本に来た留学生が、学生生活に馴染めるようにサポートをするのが主な活動です。例えば、留学生が岡山大学に入ってくる時期にはウェルカムパーティを、自国に帰ってしまう時期にはフェアウェルパーティー(お別れ会)を企画しました。日本料理の一つである「おでん」作りを留学生に体験してもらうイベントを行ったのも良い思い出です!
―今後の進路
現在、大学院で学んでいる食品機能学に関われる研究・開発系の仕事をしたいです。IB校・GDPでの学びを生かして、外資系企業への就職も視野に、新しい環境で挑戦できたらと思います。
(2022.6.22)
SCRP日本代表選抜大会で優勝、研究に励む
歯学部歯学科4年 棚井 あいりさん
海外経験が豊富な両親の勧めで、1歳からAoba Japan International School(東京)に通い始めました。また、日本人として日本の文化や習慣も大切にしたいと、インターナショナルスクールが長期休暇の時期は公立の小中学校にも通いました。5歳から始めた「そろばん」は9段で、中学1年から大学進学までの6年間は、現役生ながらアシスト講師として指導も行いました。
幼稚園から小学5年まではSt. Maur International School (横浜)に通いました。小学6年から高校まで通ったSeisen International School(東京)では、Women's Education Support Committee※1 、Volunteer for the Homeless※2 、Yearbook Committee※3 やSoccer Club(プレイヤー)など12の部活に所属し5つの部活で部長を務め、課外活動にとても積極的に取り組みました。
岡山大学への進学を決めたのは、サビナ先生が高校訪問に来られ、その後岡山大学を訪問する機会を作ってくださったのがきっかけでした。私は岡山大学歯学部に入学した最初のIB生です。日本語での大学の講義や実習は初めてであり当初戸惑いましたが、周りの同級生や先生方から温かいサポートを頂き、岡山大学の雰囲気にすぐに馴染むことができました。
口腔形態学分野の岡村裕彦教授は入学当初からIB生として気遣ってくださり、学部3年次の研究室配属の受け入れ担当となっていただきました(それ以前は、ARCOCS※4 で研究を行っていました)。現在も、課外活動として口腔形態学分野で研究を継続しています。口腔形態学分野では、自分自身で考える経験やたくさんの未知の課題にチャレンジする機会を与えていただきました。この1年間で歯科基礎医学会のJournal of Oral Biosciences誌に筆頭著者として総説を発表し、学会発表を5回経験いたしました。
その中でも、第126回日本解剖学会総会・全国学術集会の学生セッション優秀賞、第29回硬組織再生生物学会の特別研究奨励賞を獲得できたことは大変うれしく思っています。さらに、令和3年8月には、日本歯科医師会主催のスチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)の日本代表選抜大会で、「歯周病が胎児の成長を阻害するメカニズムの解明に関する研究」について発表し、優勝することができました。来年3月に、日本代表として国際歯科研究学会で発表予定です。
学部卒業後は大学院に進学し、臨床だけでなく基礎研究を継続して、これまで得られた経験や実験手技を後輩に伝えられるようにしたいと思います。
※1 Women's Education Support Committee(女性教育支援部):アフリカにおける女性の教育環境の改善を目指すNPO団体を支援する。また、社会に対してアフリカを含む世界の女性教育の現状や重要性についての啓発を行う。
※2 Volunteer for the Homeless(ホームレスに対するボランティア):ホームレスの方に自分たちで調理した食事を提供する。<
※3 Yearbook Committee(アルバム編集部):毎年、全学年(幼稚園児から高校生)及び教員に配付するアルバムの作成や写真編集等を行う。
※4 ARCOCS:Advanced Research Center for Oral and Craniofacial Science;歯学部先端領域研究センター
(2021.11.19)
研究者を目指し、博士後期課程へ進学
大学院自然科学研究科 博士前期課程生物科学専攻2年 関口 学さん
小学校3年生からインターナショナルスクールに通い、高校課程でIBプログラムを受けました。
岡山大学マッチングプログラムコース(※)に入学しましたが、昔から動物の行動に大変興味があったため、気づいたら理学部生物学科の学生とほぼ同じカリキュラムを受講していました。インターナショナルスクールでは、英語で授業を受けていましたが、大学での日本語での授業が新鮮でした。
私が入学したときにはIB入試利用者はまだ少なかったのですが、サビナ先生(現IB推進室室長)が、LINEグループを作るなどIB入試利用者の繋がりを築けるような取り組みをしていただけました。私は積極的に参加するタイプではないのですが、変わらず気にかけてくださいますね。
現在は博士前期課程に在籍し、ショウジョウバエを研究対象とし、生理、代謝、行動などのもつ約24時間周期のリズムを調整する体内時計の研究を行っています。ショウジョウバエは、卵から親になるまで10日と短く、目の色や羽の形など身体的な特徴が明らかなだけでなく、脳内に分布したわずか150個の時計ニューロンで体内時計を制御しているため、実験動物として極めて優れています。今後、知識・技術を身につけ、ショウジョウバエだけでなく、様々な動物を使って実験をしてみたいです。
岡山大学では、当然ながらインターナショナルスクールと比較にならないほど研究設備が整い、優れた研究者も多いので、充実した研究を行うことができています。研究をする上で、英語論文を読むことが多いのですが、専門用語や英語を主言語としていない著者が作成している場合もありますので、今までの英語の勉強のおかげで多少敷居が下がっているように感じますが、やはり英語についても引き続き勉強が必要と感じています。10月からは博士後期課程へ進学し、この優れた環境で研究を続け、動物行動学の研究者になることを目指しています。
※マッチングプログラムコースは現在募集を停止し、本コースを発展・拡充したグローバル・ディスカバリー・プログラムに移行しています。
(2021.09.17)
医療面接・現場を英語で再現し、英語能力・医療技術の向上を図る部活動を立ち上げ
医学部医学科4年 瀬谷 海月さん
両親の仕事の関係で、香港で生まれ育ち、高校までインターナショナルスクールに通いました。香港の高校(IB認定校)では、日本人は学年に1人いるかいないかというマイノリティで、様々な国籍の友人と共に学ぶことが出来ました。日本で医療に関して学びたいと考えていたものの、当時IB入試を導入している医学部は多くありませんでした。香港の高校合同の日本語クラスで、サビナ先生(現IB推進室室長)が岡山大学IB入試の紹介を行われたことをきっかけに岡山大学医学部のことを知りました。ただ、香港の高校は5月で卒業のため、4月入学の岡山大学医学部とタイミングが合わず、一旦、9月入学で香港大学の医療系研究学部に入学しました。ただ、岡山大学医学部への思いが断ち切れず、IB入試を利用し、岡山大学医学部へ入学しました。
医学部の同級生でIB入試利用者は、私を含めて3人でした。そのうちの1人は、医学部オリエンテーションの時に初めて話しかけた人でした。出身校の話をしていく中でお互いIB認定校出身とわかり、うれしさと驚きのあまり、思わず英語で会話をしてしまい、周りの同級生をびっくりさせてしまったのは良い思い出ですね(笑)。岡山大学医学部は国内外のIB校出身者が多く、IB生の先輩や教員の皆さんのサポートを得やすい環境だと思います。漢字が苦手であった私に対して、論文を和文でなく英文のまま読むことを認めてくれた時は、弱みではなく強みを認めてくれていると感じ、うれしかったです。
学生生活では、2つの部活動に入っています。1つ目は、弓道部です。日本の武道への憧れと、当時はまだ少なかったIBの先輩がいらしたことから入部を決めました。海外生活が長かったことで不安でしたが、弓道部の仲間たちが温かく見守ってくださったおかげで無事、日本に馴染めたように思います。
2つ目は、2年生の頃に立ち上げた「医英会」という部活です。サビナ先生と学生一人と、国際化が進む社会でも通用する医療現場を目指していくため、医療面接・現場を英語で再現し、スタンダードペイシェント役のネイティブの方に模擬面接を行うことで、英語能力・医療技術の向上を図るという活動を行っています。また、プログラミングが得意なメンバーが開発したアプリ「SiCL2」により、メンバー間で模擬カルテを基に、英語の模擬カンファレンスをビデオ通話で行うことが可能となり、コロナ禍においても活動を行うことができました。「SiCL2」は診療学習プラットフォームとして、模擬患者に対する問診、検査オーダーなどによりスコアを採点してくれる機能も備えています。たったの3名で始まったこの活動ですが、今では大学内外の方を含めて30名前後のメンバーが集まっています。現在は医学部、保健学科のメンバーを中心で行なっていますが、他の医療系の学部でも活用できる有意義なプログラムを作ることを今後の目標としています。
医学部では低学年から研究室に入り研究を行うことは稀ですが、臓器移植に関する研究を行いたいという考えを実現するため、2年に進級する際に自ら教員にお願いをし、現在は救急救命科で臓器移植と医療用ガスの研究のお手伝いをしています。救急救命科では臓器移植に限らず幅広い疾患の研究が行われており、今回はコロナ禍で断念してしまったMRI(Medical Research Internship:医学研究インターンシップ)の海外派遣なども含め、救急の先生方には多くの学びと機会をいただいています。香港大学でも研究室に関わる機会はありましたが、現場に立っている先生だからこそ得られる着眼点は大変興味深く、日々多くの気づきを得ています。また、ARTプログラム(※)を受講しており、科目等履修生として、大学院講義を先取り履修しています。日本食が大好きなので、日本を離れたくはないのですが、将来は英語能力を活かして海外で最先端の臓器移植や医学研究を学びたいと考えています。
※ARTプログラム とは、『卒後臨床研修と博士号取得を効率よく両立させる』大学院プログラムです。
(2021.08.24)
ネパールに図書館を目標に国際協力学生団体を設立
大学院自然科学研究科 博士前期課程機械システム工学専攻2年 今本 琢さん
広島県のIB課程が選択可能な中高一貫校出身です。IB課程に興味を持ったのは、中学3年生の時にニュージーランドのIB校に留学したことがきっかけです。ものづくりに興味があったため、IB資格を活かし、イギリス、アメリカ、カナダの大学と岡山大学工学部を受験しました。どの大学に進学するか迷いましたが、国内の大学で英語を学び、修士課程、博士課程で海外の大学に行くことも出来ると考え、岡山大学への進学を決めました。
2015年度から全ての学部でIB入試が行われましたが、私は岡山大学工学部最初のIB入学者でした。初めは戸惑うこともあったのですが、工学部に所属しながら、英語力養成を行うことができるグローバル人材育成コースを受講していたので、さらに自分の英語力を磨くことができました。また、3年生の2学期・夏休みの期間の4ヶ月間、工学部の留学プログラムを利用して、アメリカの大学に研究留学しました。留学先では2年飛び級するような形で、修士課程、博士課程の学生と一緒に研究する機会を得られ、とても良い経験になりました。
学業の他には、国際協力学生団体Goingを大学2年生のときに3人で設立しました。団体設立後、ネパール地震で日本が支援を行なったニュースからネパールの現状を知り、団体の代表として、ネパールのシュリクリシュナ小学校に図書室を建設するプロジェクトをメインに掲げました。そのための資金集めとして岡山駅前での街頭募金活動、地域のイベントへの出店やクラウドファンディングなど、今まで経験したことがない様々な活動を行いました。3人で始まった小さな活動でしたが、メンバーや賛同者を募って行く中で、1年後には30名を超える団体となっていました。シュリクリシュナ小学校の校長先生と連絡を重ね、3年生の時に小学校に図書室を建てることが出来た時には、大きな達成感がありました。
卒業後は、専門であるエンジンの研究職として勤める予定です。メインは日本での勤務となる予定ですが、今までの経験を活かして、海外事業などに携わっていきたいと思っています。
(2021.08.03)
生物学の研究を通して、国際社会に貢献したい
大学院自然科学研究科博士前期課程 生物科学専攻1年 塩見 裕希乃さん
親の仕事の関係で小さい頃から海外生活が長く、ドイツのインターナショナルスクール(IB認定校)に通っていました。IB認定校であることはあまり意識していませんでしたが、大学進学や就職は日本でしたいと思っていたため、IB資格を生かそうと日本でIB入試を行っている大学を探したところ、岡山大学と出会いました。
IB課程では一般的な高校とはカリキュラムが大幅に異なり、大学の講義に匹敵するようなレポートを何回も課されるなどで苦労もしたことを覚えていますが、その分実力はつきました。当時IB入試を行う大学が少なかった中、岡山大学は積極的にIB入試を行っており、岡山大学はIB生のもつ力を信用してくれているんだと感じたので受験を決めました。また、生物系の学問に興味がありつつも、海外に貢献したいと考えており、そのためには人文科学系の勉強もしておきたい、と悩んでいた自分にとって、いろいろな学部の授業を受けたうえで、自分の専門分野を決められるマッチングプログラムコース(※)の存在も大きかったですね。
入学後は国際シェアハウスに住んだり、留学生が集うL-caféで留学生支援のバイトをしたり・・・。例えば水の扱い方ひとつをとっても、その人の出身の国や地域によって大きく異なり、まだまだ知らないことが多いなと痛感させられます。
将来は研究職に就きたいと思っており、大学院自然科学研究科に進学して分子遺伝学を研究しています。現在の研究内容は、生物がDNAの情報をもとにタンパク質を作り出す「翻訳」について。翻訳の終わりの目印が正しく働かず、翻訳の継続ができなくなってしまうことがあるのですが、その際の対処法について、大腸菌と葉緑体で共通のしくみが働いているかもしれないと近年分かっています。現在私は、葉緑体でそのしくみが実際に機能しているかどうかを研究しているところです。細胞は全ての生物の基本となる構造で、研究していくと、一見全く無関係に見える生物の間にも共通点が見えてくることがあり、とても面白いです。
実用化につながりやすい薬学や工学の化学生物系などと異なり、生物学を生かした研究職はなかなか門戸が狭いのが実情です。しかし、現在コロナ禍により重要性が高まっているウイルスへの対策などを考える上で、生物学はきっと大きな武器になるはずです。また、IB校で学ぶ中で、「どこに住んでいても、直接の交流や支援ではなくても、海外に貢献する方法はある」と、広い視点で考えられるようになりました。世界中の役に立つ研究を行っていくことで、国際社会全体に貢献できたらと思っています。
※マッチングプログラムコースは現在募集を停止し、本コースを発展・拡充したグローバル・ディスカバリー・プログラムに移行しています。
(2021.05.07)
IBプログラムの教員として、IB生を導く立場に
教育学部小学校教員養成コース4年 野村 慶太さん
広島県のIB校で学んだ後、進路をじっくりと考えるため、東京で2年間ほど飲食店と小学校の学童指導員として働いて、経営学や教育について学びました。その経験の中で「日本を、多面的な考えをもち、異文化理解のできる国に変えていきたい」という目標を持つようになり、教育に携わりたいと思ったため、教育学部を志望しました。
僕が受験を考えたころは、国立大学の教育学部でIB入試を行っているのは岡山大学だけで、私立大学を含めてもごくわずかでした。また、岡山大学はIBについて積極的に情報発信していて、IB校での海外の友人もその名前を知っていました。IBの活用・推進に懸ける岡山大学の情熱を感じ、進学を決めました。
在学中はさまざまなボランティア活動を行ったのですが、特に力を入れたのは、玉野市の教育委員会から依頼を受けて行った、「たまのスチューデントガイド」という、中高生に英語に親しんでもらう外国語活動で、ほぼ4年間続けました。玉野市教育委員会の方や岡大の学生の計8人ほどで一から活動をスタートし、玉野市の中高生10~20人ほどに対して、直島で外国人観光客の方に観光案内をしてもらうなど、子どもたちが学校で学んできたことを社会で生かせるような活動を企画しました。学校教育ではどうしても子どもたちに評価を付けなければいけませんが、「評価はしないので、相手の反応を楽しんでみよう」という方針で進めると、子どもたちはとても積極的になってくれて、自分から観光客にインタビューをしに行く子もいたりするほどでした。異なる文化圏の人に触れることで、日本の文化や、両者の違いに目を向けるきっかけにもなってくれたと思います。
4月から、岡山県内のIB校でIBプログラムの教員を務めることになりました。IB校を卒業した自分が、次はIBの学生を指導する立場になるというのは、とても不思議な縁を感じます。「教育を通じて日本を変えたい」という思いは変わらないので、国際力をもった人になってもらえるよう生徒たちを導いていきたいと思います。
(2021.03.09)
頑張っている人を裏から支えたい
文学部人文学科4年 岡田 奏さん
国内のIB校出身です。IB校で国際社会を学ぶにつれて、かえって自分が日本のことをまだまだよく知らないということを痛感し、大学では日本のことをもっと学びたいと思うようになりました。国内でIB入試を受験できる大学を調べてみて驚いたのは、一部の学部で行っている大学は多数あっても、全学的に取り入れている大学はとても少なかったということ。岡山大学がIB生を歓迎していて、IB校での経験をしっかり評価してくれる大学なのだと心強く感じ、受験を決めました。
学部での専攻は社会学です。1年のとき、岡山県北で林業体験などを行う「国際インターンシップ」に参加して、県外から移住されて来た方と交流しているうちに、「地域の課題と向き合うのって面白い」と思い、人口減少をはじめとした地域の課題に興味を持ちました。卒業研究では、ある地域と外から関わる人たちが、その地域との関わりを深めていくプロセスをテーマに研究しました。
興味をもった授業は受けてみないと気が済まない性格で、教育学部や農学部、経済学部などいろいろな学部の授業を受けました。工学部で放射線の性質について学ぶ授業を受けた際は、物理学の知識が全然なくて苦労しました(笑)。でも、せっかく幅広い分野の勉強ができる環境が文学部にはありましたし、悔いが残らないよう学びたいと思ったので。
文系の学部はIB生が比較的少ないのですが、岡山大学ではサビナ先生をはじめとした先生たちが、困っていることがないか気遣ってくれて頼もしかったです。また、IB生のコミュニティがあり、一緒にご飯を食べたり、学年が違う人たちとも知り合う機会があるのもありがたいですね。
「頑張っている人を裏から支えたい」という思いが昔からあり、多くの人の生活を支えているITに関する仕事をしたいと思って、春からシステムエンジニアとして働きます。コロナ禍でリモートワークが注目されている折でもありますし、過疎地域にも移住しやすい環境を作り、身近な地域課題の解決にも役に立てたらと思っています。
(2021.03.04)
世界のユース代表として、One Yong WorldやIFMSAで活躍
医学部医学科2年・喜舎場 朝基さん
高校1年まで沖縄で過ごし、2年生から、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)への派遣プログラムに応募。イギリス校でIBのカリキュラムを受講し、世界90カ国から集まった仲間達たちと2年間の寮生活を送りました。UWCでは、シリア人の子から難民キャンプでの生活の話を聞くなど、自分の日常とは全然違う世界のことを身近に感じるきっかけになりました。「英語力を高めたい」「さまざまな国の人のことを知りたい」といった思いからの参加でしたが、この2年間で「紛争地域や発展途上国の人を医療で助けたい」という具体的な目標が定まりました。
岡山大学医学部には、IB教育の普及に向けた活動や、IB人材の積極的な取り入れを行っていること、国際交流の機会が豊富に用意されていることに魅力に感じて受験しました。岡山大学の医学部は海外のIB校出身者が多く、一口にIB校出身といっても地域や人により全く違う経験や価値観をもっているので、入学してからもとても刺激になりました。
入学後に特に印象に残っているのが、2019年10月に、ロンドンで開催された世界ユースサミット「次世代リーダー・グローバルサミットOne Young World(OYW)」に日本代表団の一員として参加できたこと。岡山大学はOYW日本代表団への派遣枠をもつ数少ない大学であり、岡山大学に惹かれた理由の一つでもあります。OYWでは「宗教間対話」のセッションに世界ユース代表の一人として登壇させていただいたほか、同世代の人たちとディスカッションや交流をもつ機会が多数ありました。各国の大学生たちが人道支援のために企業を立ち上げたり、国際団体に加盟したりして実際に行動を起こしているという話が衝撃的で、今まで医療支援の活動を行いたいと考えながらも「まだ大学生だから・・・」と言い訳していたことを思い知らされましたね。
他にも、140カ国・130万を超える世界中の医学生がつくるNGO「国際医学生連盟(IFMSA)」に岡山大学が加盟するための活動を主導し、2019年10月頃に加盟が実現しました。現在僕はIFMSAのアジア・太平洋地域における理事の一人を担当しており、世界中の医学生のワークショップを企画・運営しています。運営の側に立つと、例えば執行部を一人決めるという時でも、国や地域により経験が多い人を推したり、逆に少ない人を選んだり、あるいは多様性を重視したりとさまざまな考えがあり、多くの気づきがあります。時差の都合で、会議が深夜になりがちなのは大変ですが(笑)。
卒業後は、公衆衛生の観点から世界で苦しんでいる人たちを支援したいと考えています。日本や海外で医師としての経験を積みながら、公衆衛生学を専門に学び、国際的な医療支援活動を行うつもりです。
(2021.03.02)
「人と人とを結びつけたい」という夢に向け、ファジアーノと大学生の交流イベントを企画
マッチングプログラムコース4年 児玉 怜さん
広島で3歳の頃から、高校までの一貫型のインターナショナルスクールに通っており、そこの高校課程でIBプログラムを受けました。岡山大学を受験しようと思ったのは、マッチングプログラムコース(※)の存在です。一つの学問分野にとらわれず幅広い視点をもちたいと思う自分にとって、いろいろな学部の内容を学んだうえで自分の専門分野を決めることができるこのコースはぴったりでした。母校からは岡山大学に進学した人がおらず情報も少なかったのですが、調べていくうちに、グローバル化にも力を入れていると知ってどんどん魅力を感じていきました。家族とあまり遠くに離れたくなかったので、広島に近くて交通の便がいいのも良かったところですね。
入学後はいろいろな学部の授業を受けた後、元々興味のあった経済学を専門に学んでいます。経済の流れは世の中の動きの根本にあり、社会を知る上でも、自分が希望する生き方を考える上でも、経済を把握することがとても重要だと思ったので。授業の中ではさまざまな企業の社長から話を聞ける機会もあり、将来のビジョンも膨らみました。
授業の他に打ち込んだことといえば、サークル活動ですね。サッカーJ2・ファジアーノ岡山を盛り上げるサークルに入り、代表も務めました。母校でクラスメイトの外国人を近隣の日本人の友達に紹介した際、「外国人の人と知り会えたのは初めて」と喜んでもらえた経験があり、それ以来「人と人とを結びつける役に立つ」のが夢でした。このサークルに入ったのも、単純に楽しそうだったからというのもありますが、ファンと選手や、ファン同士の交流を活発にしようとするサークルの活動が夢につながっていると感じたからでもあります。
「チャンス!」と思ったらすぐ行動したがる性格で、サークル代表の選挙の際には「サークルを先導して、自分から企画を動かしていくチャンスなんで滅多にない!」と思い、すぐ立候補しました。シティライトスタジアムに学生1500人を集めて交流するという、これまでこのサークルでは企画したことのない規模のイベントを企画した際は、「1500人を集めるためにはどのような広報や体制が必要か」、「大学生にわざわざ来たいと思わせるにはどのようなメリットを用意すればいいか」など、目標から逆算してどんな手段をとればよいか徹底的に考える必要があり、IBで鍛えた思考力が活きたと思います。
卒業後は、車の流通業に就職する予定です。社長と直接話をする機会があり、その熱意に惚れ込みました。社会の根幹にある流通の中でも、車は人の人生に深く根付いており、面白い仕事だと思います。まずは社会の流れなどをしっかり勉強した上で、ゆくゆくは起業をして、夢である人と人を結びつける仕事をしてみたいですね。
※マッチングプログラムコースは現在募集を停止し、本コースを発展・拡充したグローバル・ディスカバリー・プログラムに移行しています。
(2021.02.24)
英語力を生かして、日本と世界をつなげる人に
医学部医学科6年 住田 まどかさん
岡山大学医学部にIB入試が導入された最初の年に受験しました。IB入試を受けられる日本国内の医学部を探していて、岡山大学に問い合わせた際、とても歓迎してくださったことを覚えています。まだ日本でIB入試を導入している大学が少なかった中、「積極的にIBの良さを広めていきたい」という岡山大学の思いが伝わってきて、受験を決めました。
親の転勤の関係で中学2年生からシンガポールで暮らしていました。IB認定校に進んだのは、医師を目指しており、日本と世界のどちらでも活躍できるようにという考えからです。IB校のカリキュラムでは、知識を覚えるだけでなく、芸術活動や社会奉仕活動なども必修科目となっており、広い視野を得ることができたと思います。授業の中に、2週間の海外でのボランティア活動を自分たちで全て計画して実施するというものがあり、そこでインドネシアの孤児院を訪れたことが印象的ですね。
岡山大学に入学してすぐの頃は、他の新入生たちが入試の話で盛り上がっている輪に入れなくて少し困りました(笑)。ですが、入学後も、医学部の先生方をはじめ多くの先生に「困っていることはない?」と気にかけていただけたのがとてもありがたく、周りともすぐに打ち解けられました。
久しぶりに日本に戻ってきて感じたのは、日本の学生は海外に強い興味を持っている人と、国内だけで十分満足だという人に二極化しているということ。私自身、シンガポールに住む前は海外の学校に進むなんて考えたこともなかったのですが、IB校で「自分の頭で考え、挑戦する力」が鍛えられたおかげか、新しい環境に対して身軽に飛び込めるようになったと感じます。岡大生が外部の人たちとつながるための役に立ちたいと考え、これまでさまざまな活動を行ってきました。世界の大学生が各国の大使になりきり、実際の国連の会議を模擬する「模擬国連」に参加したり、留学支援団体「トビタテ!留学JAPAN」の運営に参加し、留学をためらっている学生を支援する活動を行ったり・・・。「トビタテ!」に一緒に参加した友人は、「住田さんのおかげで参加しようと思った」と言ってくれました。周りの人たちに、少しでも「外部の人と関わってみたい」と思ってもらえたのならうれしいですね。
今は医師国家試験の受験に向け、勉強を続ける毎日です。将来は、英語力というアドバンテージを生かして、日本と世界の架け橋となる医師になれたらと思っています。海外で医療を学び、日本での普及に携わったり、あるいは医学部生の英語教育を行ったり、さまざまな方法がありそうです。IB教育で培った「英語をどう使うか」を考える力や、何事も恐れず挑戦する力を、これからも人の役に立てられるよう生かしていきたいです。
(2021.02.24)
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