平成27年度法教育授業の開催
平成27年度法教育授業の開催
◇◇◇2016年2月15、16日に清心中学校にて今年度の法教育授業を開催しました。これは、これまで岡山大学法学部が取り組んできた法教育事情の展開の一環として、毎年開催されている事業です。清心中学校や岡山弁護士会のご協力のもと、中学生3年生を対象に二日間4クラスで授業を行いました。◇◇◇
どんな行為が民事?刑事?
刑事と民事との相違をテーマに、法教育ゼミの学生が半年間かけて作成した教材を使用しました。「友達の持ち物を壊す」「落とし物を持ち去る」「超能力でケガをさせる」「トランプで賭け事をする」「傘さし自転車で衝突する」など5つの身近な具体的事例を紹介し、各事例の中である行為が民事責任、刑事責任のいずれに当たるか、あるいはいずれにも当たる、当たらないかを各生徒に四択で考えてもらい、それぞれの解答について各班でなぜそのような責任に当たるのかについて討論して考えてもらいました。
それぞれのクラスでは、中学生のみなさんを4~5名の7班に分け、各班に2名ずつゼミの学生がチューターとしてグループの議論を取り仕切りました。 授業の最後には、ゼミのナレーター役の学生と岡山大学社会文化科学研究科の大学院生が授業内容の解説とまとめをしました。
授業後のアンケートでは、受講した中学生のみなさんから次のような声をいただきました。
「授業の内容がわかりやすく、楽しかったです」
「公民の授業では得られないことを学ぶことができました」
「民事責任や刑事責任などの区別ができるようになりました」
「法に興味が持てるようになりました」
法教育ゼミの学生にとっても、自分たちで作成した教材を使って中学生に教える経験をすることで、授業で習った法学の知識を深く理解し、コミュニケーションや指導方法など幅広く技能を身につけることができたと思われます。
◇◇◇2015年10月15日に岡山県立岡山一宮高校にて今年度の法教育・消費者教育授業を開催しました。これは従来岡山大学法学部が取り組んできた法 教育事情の展開の一環として、本年度初めて実施された事業です。岡山一宮高校や岡山県消費生活センターのご協力のもと、理数科の3年生を対象に2 クラスで授業を行いました。またこの模様は、同日にNHKの『岡山ニュースもぎたて!』にて放送されました。◇◇◇
『契約』について考えよう
様々な契約の事例を通して、どのような場合に買主が取り消しをすることができるかを考えてもらい、未成年者が契約の中で気を付けるべきことについ て学んでもらいました。まず①対等な立場で行われる基本的な売買契約の事例からはじめ、②買主が未成年者の事例、③未成年者でも小遣いの範囲で購 入する事例まで、と少しずつ契約の形態を変えていくことで、契約の考え方を順次掘り下げて理解してもらいました。
それぞれのクラスでは、高校生のみなさんを5~6名の7班に分け、各班に2名ずつ法学部生がチューターとしてグループの議論を取り仕切りました。 授業の最後には、岡山大学社会文化科学研究科の大学院生が授業内容の解説とまとめをしました。
授業後のアンケートでは、受講した高校生のみなさんから次のような声をいただきました。
「とても楽しく法律を学ぶことができました。ありがとうございました。」
「大学生の方が生徒の意見を多く聞いてくださって、自分の意見を言いやすかった。」
「理系の人間には法学と触れる機会が少ないので、今回授業を受けることができて良かった。」
「18歳の今、未成年か成年かで変わってくることに気付けて良かった。」
法教育ゼミの学生にとっても、実際に教材を作って高校生に教える経験を通して、様々な知識や技能を身につけることができたと思われます。