部門長より
歯科・口腔インプラント科部門では,歯の喪失のみでなく,脳卒中後などに生じる食べる機能の協調性の喪失やその他の障害に対しても様々なリハビリテーション医療を提供しています。基礎教育研究分野が,医歯薬学総合研究科インプラント再生補綴学分野であることもあり,口腔インプラントや再生医療,デジタル技術に関連した世界の最先端の基礎研究,臨床研究の成果を,いち早く臨床応用して行きます。最近では,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)より,令和3年度「臨床研究・治験推進研究事業」の採択をいただき,「大腸菌発現系由来rhBMP-2含有beta-TCP製人工骨を用いた顎骨再生療法」の医師主導治験を実施しています。
歯科・口腔インプラント科部門長
(技工室長)窪木 拓男
対象疾患について
取り外し式の義歯やブリッジがうまく合わず,よく噛めない方,お口の周りの見た目に満足しておられない方,歯が破折したり,むし歯や歯周病で抜歯をする必要があると言われた方,顎関節の雑音や痛み,咀嚼筋の痛み,原因不明の歯やお口の周りの痛みで苦しんでおられる方,強度のいびきや歯ぎしり,睡眠時無呼吸症候群と言われた方,金属アレルギーが疑われる方,外傷やがん治療のために顎顔面部の欠損が生じた方,入院して外科処置を予定されていたり,むせなど摂食嚥下障害の疑いがある方,スポーツをする際に着用するマウスガードを作成したい方など。
診療内容と特色について
口腔インプラント,接着ブリッジ,CAD/CAM冠,義歯,組織再生療法など,最新の技術と生体材料を用いてお口の機能を回復し,美しく整えます。医科関連分野と協力して顎関節症・口腔顔面痛,睡眠時無呼吸症候群,金属アレルギーの診断・治療,病床患者の栄養管理を担当し,地域医療の最後の砦としての機能を提供します。また,口腔インプラントにおいては,高い技術を持つ歯科技工士との連携により,その日,もしくは翌日に,インプラントの埋入とそれを固定源とした義歯を患者さんに提供し,患者さんが義歯のない間の食事の苦痛や見た目・発音の問題に苦しまなくてもよい方法を採用しています。また,事前にあごの骨の形をCT画像で三次元的に把握しておき,コンピューター上でインプラントの埋め込み手術を模倣しておくことで,入院せずにその日のうちに帰宅できるガイドサージェリーを実施しています。
口腔インプラント専門医,補綴歯科専門医,顎関節症・口腔顔面痛専門医,口腔リハビリテーション専門医,老年歯科専門医等を資格として持つ近隣最高レベルの臨床エキスパートを核として,高度なチーム医療を展開します。また,患者さんの状況をよくお聞きして,患者さんの問題点や困りごとを解決するために全力を尽くします。治療方法は複数存在することが多く,最高の英知と技術を結集して,患者さんに合わせた治療方針を立案します。それぞれの治療の利点・欠点を臨床上の証拠(臨床エビデンス)に基づいて比較し,患者さんに十分理解していただいた上で治療法を選択していただきます。
パンフレットダウンロードPDF